大人の社会科見学をしてきた
巨大な駄菓子屋があるというので視察してきました。
岡山県瀬戸内市にある「日本一のだがし売場」
以前に日本経済新聞に掲載された記事が気になっていたので、知人を誘い、現地を視察してきました。
岡山の大町、「日本一のだがし売場」でワクワク発信
日本経済新聞2024年1月11日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC073AE0X01C23A2000000/
向かったのは岡山県瀬戸内市にある「日本一のだがし売場」。倉庫を改装した巨大な駄菓子屋です。気になった理由は、元々食品卸が本業だった会社が小売りに進出したというストーリーです。卸会社が直販を手掛けるなんて、当時は相当の葛藤があったはず。今でこそメディアに多数取り上げられる事業に育っていますが、なぜそんなことを思いついたのか、なぜ顧客を取り込めているのかなど、考え出すと新聞記事だけでは物足りなくなります。私は常々、事業を存続させるためには変化し続けることが重要だと思っていて、まさに劇的な変化を遂げた企業の現場を見てみたいと思ったのです。
博多から新幹線に乗って1時間40分ほどで岡山に到着。知人2人は滋賀・京都方面から集まりました。岡山駅からはカーシェアリングを利用して40分ほど。畑ばかりが目立つ地域に中小企業の物流倉庫のような建物があり、そこが目指す駄菓子屋でした。
倉庫の中は駄菓子が大量に陳列されています。子どもの目線を意識しているのか、低い位置に配置されていて、大人は上から覗き込むように品定めしていきます。私が小学生の頃に購入した記憶のある駄菓子もあれば、最近の商品なのか見慣れないものもたくさんあります。息子へのお土産にしようと、かご一杯に駄菓子を選んだら会計は1,300円弱。知人は箱買いしていたので5,000円を超えていました。レジは新札対応のセミセルフレジが20台あり、慣れた様子の従業員さんがてきぱきと会計をしてくれました。
日曜の開店間もない時間に行きましたが、後からどんどんお客さんが入店している様子。親子連れで熱心に駄菓子を選んでいる姿が印象的でした。
自分の目で確認して考える
本や新聞を読むようにしていますが、これというものは自分の目で確認するようにしています。新聞に掲載されている情報が必ずしも正しいとは限らないと思っていて、過度に疑っているわけではありませんが、機会があれば自分で体感することが必要です。さらに言えば、見学などして「あぁ楽しかったな」で終わらせるのはもったいなくて、その後の思考に役立てなければいけません。今回であれば岡山駅に戻ってから食事をしながら、「あぁでもないこうでもない」と意見交換できたのが有意義でした。
ある顧問先の後継経営者に私が提言したのは、全国の現場を巡回することです。長年勤めている会社なのですべてのことをわかっているように思いこんでしまいがちですが、現場は常に動いているもの。従業員と現場で話すことで得られる知見も多くあるはずです。つい交通費を削減することばかりを考えてしまいがちですが、必要な経費は堂々と使えばいいのです。特に目的がなくても現場を巡回することができるのは経営者の特権です。本社に張り付いていても感度が鈍るだけだと思っていて、積極的に外に出て欲しいと願っています。
大人の社会科見学の効用
今回、大人の社会科見学を実施してみて、予想以上に楽しい一日を過ごすことができました。47歳にもなると新聞などの情報を鵜呑みにしてしまいがちですが、それを現地に確認しに行くというのは我ながら良い企画でした。また次の企画を練りたいなと思っていて、定番のイベントになりそうです。
以前であれば飲むだけでもよかったのでしょうが、そろそろ体力的に以前のように飲めなくなってきました。であるならば大人の社会科見学をして知的刺激を得てから、無理ない範囲で懇親会をするというのもひとつの手です。ちなみに昨日は昼から夕方の新幹線に乗るまで飲み続けて、新幹線に飛び乗ってふと起きたらもう小倉。二日酔いにはなりませんでしたが、久しぶりにしっかりと飲んでしまいました。
社会人にはいくつになっても学び続ける姿勢が必要。資格を取るだけが勉強ではなくて、自分に知的刺激を与えるのも立派な勉強です。社会に価値を提供し続けようと考えるならば当たり前のことなのですが、日々の仕事に振り回されるとついつい後回しにしてしまいがちです。外に出て学ぼうとするなら、大人の社会科見学はお勧めです。
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