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コラム

なぜ社会保険労務士事務所の看板を掲げているのか

中小企業支援家として活動していますが、屋号は「社会保険労務士岡田事務所」としています。なぜ社会保険労務士の看板を掲げているのかについて、書いてみます。

社会保険労務士事務所の看板は掲げているけれど

先日、顧問先で労務トラブルがあり、近くの社会保険労務士に相談したそうです。私と顧問契約を結んでもらっているのに、労務トラブルに関して他の社会保険労務士さんに相談されたということ。適切なアドバイスをいただけたようで、この後は粛々と対応できることでしょう。

こうして他の社会保険労務士に相談されたというのは、私にとってはうれしい知らせです。なぜなら、顧問先には「岡田は社会保険労務士の実務はやりません!」と宣言しているから。給与計算や入退社の手続き業務も一切手がけていません。そもそも実務経験がないので、顧問先の担当者の方が詳しいくらいです。

売上アップのための知恵やアイデアは提供しますが、社会保険労務士が一般的に手がける仕事は一切やらないと事前にお伝えしているのです。私に実務の相談をしようとせずに他の社会保険労務士に連絡されたということは、その宣言を理解してもらえているということ。信頼関係があるからこそ、私のわがままを認めてもらっています。

法律で守秘義務を課せられている

私が社会保険労務士の看板を掲げている理由は、法律で守秘義務を課せられているなど安心してもらうためというのが大きいです。胡散臭い自称専門家らしき人が跋扈している中小企業支援業界だからこそ、身元を明らかにしておくのは重要なことです。

例えば、名刺交換した時に何枚も名刺を渡されると私の中ではアラームが鳴ります。「あなたは何者なのですか」とつい考えてしまうのです。名刺を何枚も持つ人の事情は様々なのでしょうが、私にとっては不安になるだけ。失礼ながら得体の知れない法人の名刺を何枚もらったとしても、安心材料にはなりません。もちろん社会保険労務士と伝えたところで、そもそもこの資格をご存知でない方も多くいらっしゃいます。その場合はくどくど説明せずに自己紹介するだけ。今までこの姿勢で名刺交換を繰り返し、胡散臭がられたことはありません(たぶん)。

私が提供できるのは売上アップのための知恵とアイデア。顧問契約や社外取締役として関わらせてもらい、経営者との対話を繰り返しています。一方で社会保険労務士の実務は経験がほとんどありませんし、他に経験豊富な人がいくらでもいる世界です。家業を投資ファンドに事業譲渡してから独立開業した私には、いまさら実務経験を積んで社会保険労務士の定型業務に注力する理由はありません。どちらが良いとか悪いとかではなくて、何を自分の強みに定めるかという事業領域の問題です。

社会保険の資格取得届

資格取得届は一度だけ書いたことがあります

先生同士で先生と呼び合う

先日、セミナーに登壇した際、初めて会う方から「岡田先生」と呼ばれました。あなたの先生じゃないんだよなと思いつつ、名刺交換させてもらいました。社長とか代表などとするより呼びやすいのでしょう。でも、私の顧問先の経営者から、先生と呼ばれることはありません。みなさん、「岡田さん」と呼んでくれています。当初は先生と呼ばれることもありましたが、私から「先生はやめてください」とお伝えするようにしています。どこかよそよそしい感じがするので、さん付けの方がうれしいのです。

先生という肩書きは便利なので、とりあえず使っておけば間違いありません。顕著なのが同業者同士で使う時です。名前が定かでなくてもうろ覚えでも、とりあえず先生とお呼びしておけば間違いありません。お互いに先生、先生と呼び合っているのを見ると滑稽にも思えます。なので私はできるだけ、「さん」を使うようにしています。先生は顧客に使ってもらうべきで、自分たちで呼び合うのには違和感を感じます。

私にとって社会保険労務士の看板は「法律で定められた資格を保持している専門家」と見てもらうためのもの。誰もが簡単に名乗ることができる中小企業支援業界に身を置いているからこそ、たしかな仕事をすることを第一にしつつ、安心してもらうための材料として資格を生かしています。


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