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コラム

士業マーケティング 独立開業後に現れる難敵

独立開業するとさまざまな難敵が目の前に現れます。時にやり返し、時に距離を置くなどして対処しなければなりません。

家業を離れて初めて知った「悪い奴ら」の存在

私が中小企業支援家に転身したのは2017年のことです。地方自治体の外郭団体が設置した事業相談窓口でセンター長という名の役職に就きました。家業を離れて初めて雇われる立場になったわけで、当初はカルチャーショックの連続でした。採用直後から有給が付与されていたり、タイムカードが無くて押印式の出勤簿が用いられていたり。さらには関わる一部の公務員のだらしない働きぶりに驚いたり。かつての家業と比べると、「文化が違うものだなぁ」と実感する日々でした。

しばらくして落ち着いてくると周りを眺める余裕も生まれます。「悪い奴ら」も目に付くようになるのです。私の処遇と成果に嫉妬しているのか小さな嫌がらせをしてくる人物や、面と向かって話している時には笑顔なのにどうやら裏でいろいろ策動しているらしい人物だとか。家業という温室を離れると、様々な「難敵」が現れることを思い知らされました。

そうした輩には、「やられたらやり返す」のを基本姿勢として対処してきました。といってもすぐにやり返すのではなく、最大の効果が生まれる時を待って仕返しを発動します。やられっぱなしではその他の仕事に悪影響が及びかねないので、泣き寝入りをしないのが私の主義。いずれもきっちりと仕返しをさせてもらいました。

仕返しといっても相手と同じ次元に落ちるようなことはしません。規則や法律に則って粛々と対応するだけ。ひょっとしたら私の仕返しだとは今でも気づいていないかもしれませんね。独立開業すると組織が守ってくれることはなくなります。自分の身を守ることができるのは自分のみ。次の仕事に気持ちよく取り組むためにも、そして無駄に足元を見られないようにするためにも、「やられたらやり返す」のは必要だと信じています。

ハラスメントの加害者とは一線を引く

関与先によっては私もハラスメント研修を受講させられます。従業員を含めた関係者に定期的に注意を促し、トラブルを抑止しようとしている姿勢が伝わってきます。それでも発生してしまうのがハラスメント。私はハラスメントの加害者とは一線を引くようにしています。

言葉によるハラスメントの加害者となる人物は、自分はまったく悪いことをしているとは思っていないことがあります。「気づきを促している」だとか、「言いにくいことを言ってやっている」という感覚なのです。ひょっとしたら心の奥底ではハラスメントをしている自覚があるのかもしれませんが、もはや後戻りできなくなって自己正当化するしかなくなっています。そうした人物にいくら諭しても悔い改めることは稀です。こうした人物とは縁を切るのが一番。例えばそれが顧問先の経営者であっても、私は黙って去ることにしています。顧問料が無くなるなんて大した問題ではなくて、感性の合う人と仕事をすることが重要なのです。

中小企業支援に携わっていると経営者はもちろん、従業員とも関わることになります。雇われる立場であればそれらの人々を自分で選ぶことはできませんが、独立開業したら誰と付き合うかは自分で決定することが可能になります(相手にも選ばれることになりますが)。ハラスメントの加害者なんかと関わっている時間はないはず。感性の合う人に自分の価値を提供しましょう。

地面に引かれた黄色い線

一線を引くべき時もあります

同業者の「常識」

独立開業したら一番の商品は自分自身です。資格でも知識でもありません。そう考えると、他人と同じことをしているだけでは選ばれる存在になれないことがわかるはず。同業者ができないこと、やろうとしないことに士業の商売繁盛のヒントが潜んでいるのです。

私の場合は社会保険労務士の多くが手掛ける定型業務を手掛けていません。年金だとかの手続き代行や給与計算などは一切おこなっていません(そもそもできません)。相談業務だけで稼いでいると言うと同業者には不思議な顔をされますが、だからこそ食えているのです。

また私は会務には一切関わらないことにしています。同業者の集まりや懇親会に意味がないとは言いませんが、そこに時間を掛けるのであれば顧問先と向き合うのに時間を使いたいです。会務に携わっている人からすると、なんて罰当たりな奴だと思われるかもしれませんが気にしている暇はありません。同業者の常識に染まってしまっては、その他大勢に埋もれてしまうだけです。

独立開業したら何をするのも自由です。それなのに周りのしていることや視線を気にしていては、何のために独立開業したのかわかりません。勇気を持って一人で道を進んでいきましょう。


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