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コラム

話さないようにしていること

自由な時代に生きていますが、時と場合によっては触れないようにしている話題などもあります。

タクシーの運転手さんとの会話

先日、大阪でタクシーに乗った時のこと。運転手さんとお話ししていると、転職してまだ数か月であること、変なお客さんに当たることは少ないこと、ようやく仕事のペースをつかんできたことなどを教えてもらうことができました。今はアプリからの配車をいかに使いこなすかが売上を増やすポイントになっているそうで、転職してまだ間もないからこそ新しい道具を使いこなして成功しようと頑張っている様子がうかがえました。

話の流れで会社から何か指示されていることなどあるのかと尋ねると、「野球と政治の話はするなと言われます」とのこと。政治の話はともかく、大阪で野球の話をしてはいけないということに驚きました。ちょうど日本シリーズ前の時期だったので、シーズン中の地元球団の戦いぶりについてなど話した後、私が実は関東の某球団を応援していますと(恐る恐る)伝えると、「会社からは野球の話をするなと言われますが、こうして普通に話していますよ」と笑っていました。

ちなみにタクシーに乗ったのはひさしぶりでした。顧問先を巡回する時はカーシェアリングを利用して自分で運転してしまいますし、福岡市内でしたら多少遠回りでもバスに乗ります。家業の代表取締役に就いていた時は少しでも楽をするためにタクシーを多用していたものの、今の私にはすっかり縁遠い存在になってしまいました。大阪の街中を走っていると、どことなく万博を迎える雰囲気も感じられたような気がしました。

中小企業支援家として使わない単語

さて、中小企業支援家である私。話さないようにしていることがあるかというと、すぐに思いつくことはありません。使わないようにしている単語はあります。「絶対」という単語です。経営とは不確かな未来に向かって、少しでも確度が高いと思われる選択肢を選び続けること。そこに「絶対」なんてものは存在しなくて、失敗から学びながら事業を存続させる覚悟が求められる世界です。経営に携わっていたことがあるからこそ、「絶対、〇〇すべきです」「絶対、こうなります」といった言葉を使うことはありません。

また、私が経営者の代わりに経営判断を下すこともありません。「こうした方が良いでしょう」というアドバイスの提供までは行いますが、意思決定を代行することはしないのです。未来に向かって責任を負うことができるのは経営者だけ。社外の第三者である私ができるのは知恵とアドバイスを提供するところまでです。

ただし例外はあって、社外取締役に名を連ねている場合は業務執行役員に対して知恵とアドバイスを提供しつつ、彼ら彼女らが決めきれないことに関して「こうしましょう」と促すことはあります。本来であればそこまで干渉したくはないのですが、取締役会の末席に名を連ねている以上、責任の一端を担う覚悟は持っています。

刑務所の壁

陰謀論を聞かされると疲れてしまいます

政治と宗教と陰謀論

関与先や習い事の場で避けているのは政治と宗教と陰謀論の話題。人それぞれに考えがあるのは当たり前で、何かを信じるのも自由。でも「ややこしい」ことになりそうな話題には参加しないように心がけています。最近は特に陰謀論を耳にすることが多いです。「ネットでこんな記事を見かけた」とか、そんな程度の情報源から得た情報をそれらしく流布する人には困ったものだと思ってしまいます。

知人にも陰謀論を信じている人がいて距離感の取り方に困ってしまっています。いつもであればそろそろ集まる時期なのだけれど、平気で陰謀論を語り始められて反応に困ってしまうことが続きました。ほとぼりが冷めるまではお会いしたくないなと言うのが率直なところです。

私が毎日接しているメディアはNHKの朝のニュースと日本経済新聞(と日経MJ)だけ。民放のテレビはまったく観なくなってしまいました。騒々しいのと、企業協賛っぽいコンテンツの多さに辟易しているからです。NHKと日経が「絶対に」正しいメディアだとは思っていませんが、少なくともある程度の正確性は担保されているように感じています。世の中の大きな流れを把握するのには、この二つのメディアで十分かなと考えています。


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