自分のデザイン力を過信しない
販促物のデザインは誰が手がけていますか?私はさっさとプロにお任せすることにしています。
自分でデザインできるという経営者のセンス
ある経営者はホームページやチラシ・フライヤーを自分でデザインしています。ところがそのデザインがまったく「イケていない」のです。何かを狙った上でのデザインかというとそういうわけでもなさそうで、売上も伴っていない模様。なぜ自分がデザインすることに拘っているのか不思議です。おそらく理由は二つあって、一つは経費節減のため。プロのグラフィックデザイナーなどに依頼する数万円の経費をケチっているのでしょう。もう一つ考えられるのは自分のデザイン力を過信していること。こうした経営者に限って、「パソコンは得意」「これまでも自分がデザインしてきた」などと言うのですが、肝心のセンスに大きく欠けているので出来上がったものは残念な見た目になってしまっています。
デザインがイケていないとどうなるかというと、まず見込客に与える悪印象が生じてしまいます。見込客に選んでもらうためのホームページやチラシ・フライヤーなのに、逆に敬遠される要因になってしまいます。これは説明するまでもないことですが、デザインがイケていないものにわざわざおカネや時間を掛ける気持ちになることはありません。またさらに深刻なのが事業そのものへの信用を毀損してしまうこと。「あんな程度のデザインしかできないのであれば会社も信用できない」と考えられてしまうのです。
経営者自らや社内にデザインできる人がいないのであれば外注すれば良いのです。外注費が発生したとしてもそれは必要な経費であり投資です。1円でもお金を使いたくないと考えていると、1円も得られることはないのです。
プロフィール写真の撮影を依頼したけれど
先日、プロフィール写真をカメラマンに撮影してもらいました。ところが成果物をダウンロードしてみると使用できないレベルの画像ばかり。期待していただけにがっかりしてしまいました。被写体の見た目はさておき、撮影に1時間も掛けて撮れ高がこれだけなのかという印象。数百枚撮ってもらい、一枚でもパリッとしたプロフィール写真を得られれば成功のつもりでいたのに、残念ながら一枚も使用に耐えうる画像はありませんでした。
今回の学びは専門家は慎重に選ぶ必要があるということ。ネットでそれらしいカメラマンを見つけて依頼したのが失敗で、どなたかからの紹介か、過去に関わったことのある方へ依頼すべきでした。そもそも前回のプロフィール写真に満足していたのだから、同じ写真室へ行けば良かったと後悔することしきりです。
ここで誤解して欲しくないのがカメラマンは悪くないということ。それだけの能力だったわけで、依頼した私が悪かったのです。もちろん二度と依頼することはありませんが、彼(もしくは彼女)はご自分の能力の中でベストを尽くしてくれたのでしょう(と信じたい)。
私もカメラが好きなので、商品としての写真を撮影することがどんなに大変かはほんの少しわかっているつもり。今回はご縁がありませんでしたが、プロフィール写真の撮影が苦手なだけだったかもしれないし、屋外での撮影の経験に乏しかっただけかもしれません。いずれにせよ選んで依頼したのは私。専門家に依頼しようと考えたところまでは良かったのですが、どなたに依頼するか決める過程で手を抜いてしまいました。
プロに依頼するときの勘所
プロに何かを依頼するときどんなことに気を付ければ良いでしょうか。まずはこちらから諸条件を提示することが必要です。どんな成果物を製作してもらいたいのか、どんなイメージを希望するのか、納期は、価格は、支払日は。こうした諸条件はまずは依頼主から提示すべきもの。「どういう条件なら受けてくれるか教えてください」などと言う依頼主がいますが、まずはこちらから提示すべきでしょう。
特に忘れがちなのが諸条件と価格、支払日の提示。契約に基づく取引を持ちかけるのですから、こうしたことを提示するのは最低限のマナーです。私が講演を受けるときに多いのが支払日を教えてもらえないこと。先方は社内の規定に沿って支払い手続きを行うだけなのでしょうが、受ける側からしたら入金を確認するまでが一つの案件です。私は「支払日を教えてください」と遠慮せずに申し上げるようにしています。
またメールなどでの連絡は箇条書きを使って端的にやり取りできるように心掛けましょう。ダラダラと長文で何かを伝えようとしても時間の無駄。私は箇条書きを多用して依頼するようにしています。先日、ある成果物をネット上のサービスで依頼した際には、取引を終えた後に「依頼内容が明確で、返信が早くコミュニケーションがスムーズでした」とコメントをいただきました。案件毎に関わるプロとの連絡だからこそ、端的に意向を伝える努力が求められます。
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