地方中小企業が持続可能性を高めるための踏み台になります

050-3557-7157

コラム

急がば回れ

世の中、急いでいる人が目立ちますがどれだけ先に進んでいるのか怪しいものです。昨日、車を運転しながらそんなことを考えていました。

左側車線でいい

昨日は顧問先を訪問するためにカーシェアリングで移動していました。運転は好きではありませんが、毎月この日ばかりはやむなく運転することにしています。選んだのはトヨタのヤリスクロス。視点が高いので運転しやすく、このところこればかりを選んでいます。以前はどの車種が割り当てられるかは直前に決まっていたように思うのですが、最近は予約時に自分で選べるようになっています。基本的にこだわりはないのですが、カーナビの操作がわかりづらいのでマツダ車は選ばないようにしています。

自分で運転するときはできるだけ高速道路を使って移動しています。世の中、右側車線が好きな人が多いですね。急いでいるのか、飛ばしたいのか。私は左側車線で80km/hくらいで巡航することがほとんどなので、何をそんなに飛ばしているのかと気になってしまいます。昨日も帰りの都市高速で左側車線を走っていたとき、渋滞中にも関わらず流れていたのは右側ではなく左側車線。右側車線を選んでいる人を何台も抜いてしまいました。右側車線を走っているとそれだけで、「飛ばしている」「人より早く前に進んでいる」と錯覚しているのではないでしょうか。

私は運動神経が良くないので、飛ばすと事故を起こしそうでスピードは抑えめにしています。それでも右側車線を飛ばしている人と比べて、移動時間にどれだけ差があるのか疑問です。そもそも車で移動する時はかなりの余裕を見て出発するようにしているので、急ぐ必要もありません。多少飛ばしたところで、生み出される効果は知れています。何かに急かされて行動するのは性に合いません。昨日も途中のサービスエリアで時間調整を兼ねてウェブサイトのメンテナンスをし、それでも余裕を持って顧問先に到着することができました。

情報発信の効果が現れるのには時間が必要

先日、仕事上の知人に「ポッドキャストをやっているんですね」と言われました。一年くらい前にも同じ話をしたような気がします。他人の取り組みなど、せいぜいそれくらいしか関心を持たないのが普通なのでしょう。

中小企業に情報発信をするように促すと、すぐに効果が現れることを期待する人が多くて疲れてしまいます。最初の数回程度、がんばって発信したところで誰の目にも留まってはいません。だからといって無駄なことにはならず、徐々にコンテンツ作りに慣れていき、同時に見込客との間合いを少しずつ詰めていって欲しいのです。

リアルの対人関係でいきなり心を通わすことなどありません。お互いにミスマッチにならないことを探りながら、少しずつ関係性を作っていくものです。情報発信も同じ。急いだところで、効果がすぐに得られるわけではありません。売上という成果が得られるのはしばらく時間が経ってから。じっくりと時間と手間を掛けて取り組めばよいのです。

また、SNSを「魔法の杖」と勘違いしている人も多いです。SNSを使えばそれだけでファンが増えるなんてことはありません。便利な道具ではありますが、使い手次第で生み出される効果は変わります。SNSをさらっと運用して「売上につながらない」「注文が来ない」という声をよく聞きますが、何をそんなに急いでいるのでしょう。商売に近道はありません。

陸橋から眺める高速道路

左側車線を走るようにしています

「軸」をしっかりと持つ

ある顧問先では新規事業に取り組んでいます。どうやら成功の端緒をつかみつつあって、現在は世界観を発信しながら営業活動を進めているところです。ところが先日、売上を作りたいと考えた経営者が自分たちの世界観と相容れない企画に出展してしまいました。結果は惨敗。世界観を伝えるための演出も無く、ただ置かれた商品はその他大勢の競合商品に埋もれてしまい、売上は微々たるものだったそうです。

私から申し上げたのは、世界観を崩したら終わりだということ。せっかく新しい取り組みが注目されつつあるのに、自分から世界観を無視したのではタコが自分の足を食うようなものです。いま我々に必要なのは「急がば回れ」の精神。すぐに売上には繋がらないかもしれないけれど、世界観を地道に発信し続けてファンを増やしていくことが何より重要だと伝えました。

売上は結果。その前に自己開示し、見込客と関係性を構築するという過程を疎かにしたままで一足飛びに売上を得ることはできません。遠回りに思えるようでも「軸」をしっかりと持つことが重要です。


ポッドキャスト「茶わん屋の十四代目 商いラジオ」を毎週金曜日10:00に配信しています

amazon musicのバナー

Listen on Apple Podcasts

関連記事

TOP