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コラム

進退の主導権を握る

プロ野球チームの監督の進退が報道される時期になりました。ある方はどうやら意に反してチームを去らざるを得なくなったようで、(私が応援しているチームではありませんが)ファンは心を痛めていることでしょう。

他人に進退を委ねない

私が契約終了などの局面で心掛けているのは、進退の最終決断を他人に委ねないということ。自分で主導権を握って、後手に回らずに決断するように心掛けています。予定調和を何より大事にしている組織などではあっさりと契約終了を告げると驚かれることもありますが、あくまで契約書に則って行動しているだけ。とやかく言われる筋合いはありません。相手方に気を遣ったところで自分のためにはならないので、遠慮せずに契約書上の意思表示をすることが重要です。

契約に関して、締結時だけ文言のチェックをして、後はろくに意識しない組織があまりにも多いです。契約書の内容を主張すると「うるさいやつだ」といった反応をされることもしばしば。そうした相手と関係しているといずれトラブルに発展するのは目に見えています。弁護士に見てもらったなどというだけで安心している人々にも要注意です。

進退を決めることができるのは自分だけ。他人がそれらしく干渉してきても、流されずに冷静に決断するようにしています。

価値があるうちに転身する

年下の知り合いが転職活動をしています。彼の経歴を辿ってみると年齢とともに選択肢が少なくなってきていて、最近では自ら何かを掴み取るのではなくて、目の前にようやく現れた選択肢にとにかく飛びついているように見えてしまいます。

人は誰しも毎年一歳ずつ歳を重ねて行きます。当たり前のことなのですが自分はいつまでも自分のままで、第三者が見えている「価値」を冷静に認識できている人は少ないように思います。残酷なことですが減価償却と同じで、一定の年齢を過ぎたらそれだけで第三者に見えている価値は減っていくものなのです。

ではどうすればいいのか。いつまでも社会に必要とされるための選択肢は二つあって、価値があるうちに高く売ることと、価値を高め続けて必要とされる状態を保つことです。

前者には機会を逃さずにより良い環境と処遇を求めて転身する勇気が必要です。居心地が良いからといつまでも同じ場所に留まってしまうと、気づいたら価値が減っていて動こうとしても動けなくなってしまいます。後者は勉強し続けることです。過去の何かにしがみついていてもいずれ輝きは失われます。新しい何かに挑戦しつづけることで、時の流れに関係なく価値を維持または高めることが実現できます。

例えば、いつまでも雇われる立場でいることはできません。雇用の主導権は基本的に会社が握っているもの。今なら65歳や70歳で退職を強いられることがほとんどで、ひょっとしたらさらに前の段階で退職を余儀なくされることもあるでしょう。でも、途中で夢を実現するために創業していたら好きなだけ働き続けることが可能になります。リスクはありますが、人生の選択肢を自分で握ることができるのです。雇われる立場を受け入れていながら退職を受け入れられないというのは矛盾しています。退職をリスクと考えているのであれば、創業するなどして「自分のもの」を持てば良いのです。

森の中にある道しるべ

進路は自分で決めましょう

居心地の良い場所に執着しない

今、居心地の良い場所にいるからといって、将来も同じ状況が続くとは限りません。人間関係や周囲の環境は移ろうもの。もちろん、自分も一歳ずつ歳を重ねることになります。追い込まれてから新しい挑戦に向かおうとしても、選択肢は限られます。であるならば、今の居心地が良いうちに次の選択肢を検討し始めるべきです。なかなか勇気のいることですが、人生の主導権を自分で持つためにも必要な思考だと信じています。

また別の知人が転職したときのことです。バリバリと仕事をしていましたが、雇用契約は単年度契約で最長5年間までの更新と上限が定められていました。彼が選択したのは3年目での転職。まだしばらく在籍できるであろう居心地が良い職場だったとしても、自分の価値を多くの人に認めてもらえるうちにと転職することを決断したのです。会社の人は不思議そうな顔をしていましたが、私にはよくわかります。5年経ってから次の道を探すのではなく、自分の決めたタイミングで次の挑戦を始めたかったのでしょう。

人生は一度だけ。また時間も有限です。誰かがそれらしい言葉と共に押し付けようとするものに惑わされずに、自分の進路は自分で決めていきたいものです。


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