ギャンブルは悪いことなのか
妹が競馬で勝ったそうです。それを伝え聞いた母親が、くれぐれもギャンブルにハマらないようにと注意喚起していました。適度に楽しむなら別に悪いことはないと思うのですが。ギャンブルについて書いてみます。
妹が競馬で勝った
妹が競馬場に行き、500円が1万3千円になったそう。慣れないギャンブルで怖くなったらしく、もうやらないと宣言していました。ギャンブルは捨てても良いお金の範囲内で遊ぶべきというのが私の持論。生活に必要な資金まで投じたり、さらには生活費を得るために賭け始めたりしたら赤信号です。馬の餌代を寄付するくらいのつもりでいるならば何も問題ないと思っています。
高校ではボート部に入っていたので、同じ水域に艇を浮かべている競艇は身近なギャンブルでした。といっても競艇場に立ち入るようになったのはボート部を離れて何年も経ってから。これまで10回くらい、友達と行ったことがあります。大人が一日遊んで一万円くらいなら使っても良かろうと考えて、それくらいを目安に投じることにしています。大きくプラスになって旅行の原資を得たこともありますが、基本的には赤字。終わった後に勝った人からご馳走してもらうのがお約束でした。
ギャンブルは遊び。楽しめる範囲でほどほどにお金を使えばよいのです。
SNSに過度な期待をするな
中小企業支援に携わっていると、経営をギャンブルにしてしまっている経営者を見かけることがあります。例えばSNSの運用で、「SNSで発信していれば、いずれバズって売上アップに繋がるに違いない」と考え違いをしているケースです。何かの拍子にバズれば儲かるだろうという程度の考えしか持っておらず、まさにギャンブルと同じ。こうした考え方の経営者が運用しているアカウントが、思惑通りにバズっているのを見たことはありません。
SNSは見込み客との間合いを詰めるための道具。自分たちが何者であるかを知ってもらい、共感してもらうことが運用の目的であるはず。もちろんその先に売上アップも期待されるわけですが、一足飛びに売上アップまでを求めるのは勘違いもいいところです。自分たちを知ってもらった後には顧客課題を解決できることを示す必要があって、ここを飛ばして売り込もうとする人がほとんど。何かを押し付けられることを人は何より嫌うので、安直な売り込みは永遠に売上アップに繋がることはないのです。
またある事業者は営業をギャンブルにしています。飛び込み営業をひたすら続けて、一件でも成約できればそれでOKという考え方。まさにギャンブルです。また、一件の成約を得るために、その他大勢の訪問先から嫌われてしまっている事実を忘れてはいけません。飛び込み営業を頭ごなしに否定するつもりはありませんが、アポ無しで訪問してすぐに何かを買わせようというのはただの押し売りと同じ。営業とは本来、顧客の困りごとを集める行為のはずで、自分たちの都合だけを押し付ける行為は営業とは呼べません。
経営は不確かな未来に向かって、少しでも確率の高いであろう選択肢を選び続ける作業です。ギャンブルとは似て非なるものです。
転職をギャンブルにしない
転職活動をしたことがありますが、どうやら私が手を挙げた案件の倍率はそれなりに高かったみたいです。後から聞いたところでは、150人超の応募者の中から選んでいただいたそうでありがたかったです。「家業を投資ファンドに事業譲渡した経験があるので、中小企業の経営者の言葉に耳を傾けることができると思った」と選考の経緯をこっそり教えていただいたこともあります。
この時の私は「私のためのような募集だから必ず選ばれるだろう」と確信しきっていました。そのため一度だけあった面接でも緊張することなく、自分が何者かを伝えることができました。その後、五年間関わりましたが想定通りに天職でした。最後は任期満了で退職させてもらいましたが、その後も中小企業支援に携わっているのはご承知の通り。第二の社会人人生を歩み始めるきっかけとなった転職でした。
私の周りでも現在進行形で転職活動をしている人がいます。彼ら彼女らに伝えたいのは、転職はギャンブルではないということ。自分の経歴とスキルと、先方の求めているところを冷静に見定めて選考に臨んで欲しいのです。下調べが甘かったり、正常性バイアスに惑わされたりするといずれ後悔することになります。闇雲に応募することなく、これという案件を見定めて応募するのが大切です。
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