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コラム

士業マーケティング 顧問契約はいつか必ず終わるときがやってくる

プロ野球では戦力外通告が始まりました。来季に向けて早くも戦力整備が始まっています。士業が顧問先から求められ続けるためにはどうすればよいでしょうか。そもそも求められ続けることなどあり得るのでしょうか。

始まりがあれば、必ず終わりもやってくる

独立開業している個人事業主(あるいは法人)の士業にとって、顧問先から契約の打ち切りを持ち出されるのは何より面白くないことです。売上は減ってしまいますし、何より自分自身を否定されたような気持ちになってしまうことでしょう。「戦力外」と言われないためにはどうすればよいのでしょうか。

私は顧客に対して媚びることはしません。経営者に好かれようと調子のよい言葉だけを連ねていても、中身が伴っていないことはあっという間に見抜かれてしまいます。私は厳しい意見を述べることを恐れずに経営者と対話することにしていて、それで契約を切られたらそれだけのことと割り切っています。始まりがあるのだから、いつか必ず終わりもやってきます。媚びたところで誰の得にもならないのですから、だったら少しでもお役に立てるように(必要であれば)厳しい意見も臆さずに申し上げることにしています。

ある経営者は「財務のことは苦手」と公言しています。私は再三、「それでは会社が存続できなくなりますよ」と忠告しています。地方中小企業の決算書類を読み解くくらいの勉強は簿記3級レベルで十分。そのレベルの勉強すらしようとせずに経営者を務めていることに対して、私は苦言を呈することを恐れません。経営者に調子よく合わせようとするのであれば、「数字は私が見ているから大丈夫です」などと述べればよいのでしょうが、月1回しか訪問せず、実務にも関わっていない私がそんな無責任なことは言えません。経営者がいつか勉強を始めてくれることを願って、この話題になるたびに厳しい態度で接するようにしています。

それらしいアドバイスであれば、文章生成AIでも出力してくれる時代になりました。わざわざ顧問契約をしてくれる意味を見失わずに、人間同士だからこそ提供できる価値を提示するようにしています。

情報発信を途切れさせない

情報発信は新規の契約をいただくためだけでなく、既存顧客の満足度向上にも役割を果たしてくれます。顧問先と話すことができるのは私の場合は月にせいぜい数時間。短いところだと月に1時間しか話していません。情報発信をすることで、既存顧客とも関係性を構築することができます。

このことに気づいたのはある顧問先の経営者からのコメントでした。「ブログを読んでいますよ」と教えてくれたのです。それまでは不特定多数の経営者に向けて発信し、あわよくば新しい顧問契約を締結することができればと考えていました。ところが顧問先の経営者も読んでくれているとなれば、一石二鳥です。情報発信へのやりがいが増すことになりました。

私はブログとポッドキャストとメルマガで情報発信していますが、どこの誰にでも発信できるような当たり障りのない内容にならないように気を付けています。それこそ文章生成AIでブログ記事など簡単に用意できる時代。私だからこそ発信できるコンテンツにしなければわざわざ発信する意味はありません。「炎上したらどうしよう」「同業者に見られたら困る」などと考えて発信を躊躇する人がいますが、私からしたら気にするだけ無駄。自分と感性の合う人にだけ刺されば良いわけで、自分の意見を恐れずに発信すればいいのです。

桜吹雪と青空

何事もいつか必ず終わりを迎えるときがやってきます

売上の柱を複数持つ

顧客に契約を切られても困らないように、売上の柱を複数持っておくのもお勧めです。私の場合は直接の顧問先だけでなく、その他の仕事からも報酬を得ています。額は少ないですが「話す仕事」や「書く仕事」からも。すべての仕事が同時に無くなることは想定していなくて、仮にいくつかの仕事がなくなってしまったとしても、それなりの生活レベルを維持できるように売上の柱を分散させています。

売上の柱を複数用意する際のポイントは、困ってから用意しようとしても遅いということ。余裕のあるうちに用意しておかないと、いざという時にあわてることになってしまいます。もし今、顧問先の数や売上に満足しているのであれば、今こそ他の柱を準備すべき時です。


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