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コラム

困ったら営業

営業から逃げ続けている経営者に未来はありません。特に創業間もない会社にとっては死活問題です。開発だけに注力したり、補助金ばかりを探し求めたりしていても事業を存続させることはできません。事業会社であるからには営業は必須の行動です。

困ったらど真ん中に投げる

ある野球チームの監督は投手に対して、「困ったらど真ん中」に投げるように指導しているそう。窮してコーナーに投げても狙い打たれるだけで、だったらど真ん中めがけて投げてしまえば適度にボールも散らばるし、そう簡単に打たれることは無いだろうということらしいです。

創業間もない企業に関しても同じことが言えると思っていて、資金が尽きてきたときに策を弄したところで根本的な解決になりません。困った時ほど営業に注力すべき。当たり前のことのように思われるでしょうが、案外、地道な営業から逃げている経営者が多いのです。

何かゴニョゴニョとやっていると忙しくなって現実から目をそらすことができるのでしょうが、いつまでも時間を掛けられるわけではありません。お金が足りなくなったのであれば、自力で稼いで再投資の原資を生み出す。事業会社であるからには当たり前の行動です。

補助金に依存するな

補助金はタイミングさえ合えば便利なものです。使える制度があればぜひ使えばよいでしょう。ただし、営業を後回しにして補助金に依存するようになってしまったら本末転倒です。経営者が「何かよい補助金はありませんか」「補助金をもらうためには何をすればいいですか」などと言い出したら、すでに手遅れです。一度、そうした思考に陥ってしまうと抜け出すのは困難。少なくない経営者が補助金頼りのビジネスモデルに転落してしまうのをこの目で見てきました。

ある経営者は創業間もないころから、いくつもの賞を受賞するなどして地域でもてはやされてきましたが、いつまで経っても営業に注力しようとしませんでした。つまり事業の実態が乏しい状態が続いていたのです。営業の代わりに頼ったのが行政からの補助金。まるで天から降ってくる水を求めるかのように、適当な補助金を探しては応募することを続けていました。当初は温かい目で見守っていた地域の人々も、その違和感にいつしか気づきます。数年経った時には化けの皮が剥がれ、事業の継続が困難な状況に陥ってしまいました。

補助金はあくまで補助。自社での営業努力がまず求められるのは、事業を営んでいるのであれば当たり前の話です。汗をかこうとせずに売上を得ることはできません。補助金で足腰を強くしたら、営業に注力しましょう。

壁に描かれているストラックアウトのマス目

迷ったら営業をすればいいのです

営業に「魔法の杖」は存在しない

「営業代行会社を利用したら注文が殺到する」「展示会に出展したら商談依頼が途切れずに舞い込む」「SNSで奇をてらった発信をしたらバズる」いずれも可能性はゼロではありませんが、経営者が抱きがちな幻想です。こうした幻想に囚われる経営者に限って、地に足を付けた営業を行いません。見込客リストを作成して1件ずつ電話したり、名刺交換した方に(許可を得て)メルマガを発信したり、自社ウェブサイトのコンテンツを充実させたり。こうした地道な取り組みが大事だとは理解しつつも、即効性がないからといつまでも手を付けないのです。

私が関わらせてもらった創業間もない会社で大きく飛躍しつつある会社に共通しているのは、いずれも営業に注力していることです。自分たちで見込み客リストを作成し、断られることを恐れずに商談を持ちかけ続けています。

反対に、どんなに優れた技術を持ち合わせていても、営業から逃げている会社はいつまで経っても燻ったまま。ウェブサイトが更新されていなかったり、1つの案件だけに注力してその後に向けた営業を怠ったり、営業の電話を掛けることをいつまでも躊躇したりしている間に窮境に陥ってしまうのです。口を開けて待っていれば誰かに見つけてもらえるなんてことはなくて、自分たちから見込み客の課題を解決できることをアピールし続けることが必要です。

営業に「魔法の杖」は存在しません。まずはその幻想を振り払うこと。そして断られることを恐れずに行動あるのみです。勇気を持って最初の一歩を踏み出した者だけが、顧客との関係性を築くことができます。


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