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コラム

「失敗しない」創業を目指す

創業って世間のイメージほどキラキラしたものではありません。やるべきことを一つずつ着実に実行した人が成功へと近づいていくものです。そこには安直な「魔法の杖」や「方程式の解」といったようなものは存在しません。

自己資金で投資する

創業支援に携わっていると、「失敗しない」パターンというのが見えてきます。少なくとも失敗する要素を排除することで、夢の実現に近づくことができます。

まず、自己資金を用意すること。手元の資金がゼロで何かを始めようとして、事業を成長させた人を私は見たことがありません。事業は利益を出すことで持続可能性を担保することができます。初めから補助金などを当てにするような人は、そもそも商売のセンスに欠けています。「補助金をもらうためには何をすればよいか」などと思考してしまうので、その後の戦略などは持ち合わせていません。

他人から得た資金は自由に使うことができず報告の義務も生まれるので、経営者の自由とスピードを奪います。自己資金を何に投資して、どう利益を生み出し、何に再投資するか。経営者が不確かな将来に向けて経営判断を続けていくには、まずは自己資金が必要です。

ある人は創業の最初から銀行融資、補助金、クラウドファンディングを利用していました。いくばくかの自己資金はあったようですが微々たるもの。その後もあらゆる補助金を受給し続けることでなんとか事業を存続させていて、果たして「創業」といえるのか疑問です。例えば(あくまで例えばです)、女性だからとか、商店街に店舗を構えるからといった理由で支援にならない支援を続けていてはゾンビ企業を生み出すだけで、自己資金を中心にまっとうな創業を志す人のやる気を削ぐだけです。

先回り営業を徹底する

「創業」という言葉にはキラキラとした雰囲気を想起させる何かがあるようです。ゼロから何かを生み出し、ピッチイベントでスポットライトを浴び、白いTシャツを着て自由に働いている、そんなイメージでしょうか。

しかし、創業しようとする人にとって最も重要なのは営業です。特にまだ何者でもないわけですから、商品やサービスを生み出す前に受注してしまうような「先回り営業」が必須です。この泥くさい営業を逃げずに取り組むことができれば、成功の確率は高まります。

ある人は思いついたアイデア商品を販売するためにクラウドファンディングを利用しました。といっても赤の他人の購買を期待するような、博打をしようというのではありません。その経営者の人の繋がりを駆使して先回り営業を徹底したのです。おかげでプロジェクト立ち上げと同時に購入が相次ぎ、初期ロットは完売どころか予想の数倍を売り上げることに。営業の努力が身を結んだのです。ところが、この成果に油断したのかその後は先回り営業をやめてしまい、在庫をたくさん抱えてしまうことになりました。せっかくの成功体験を生かすことができなかった事例でもあります。

創業したからといって、それだけで受注が舞い込むことはありません。またウェブサイトを立ち上げSNSで発信したからといって、全国から注文が入り続けることも(ほぼ)ありません。経営者の足で先回り営業することがもっとも確度の高い売上アップへの近道です。

地雷

「地雷」を踏まなければそれだけで生存確率が高まります

自分で調べる

「開業届をどこに出せば良いか教えてほしい」、創業支援の窓口にたびたび寄せられる質問です。この手の質問をする人の創業が成功することはありません。ネットで検索すれば得られる情報なのに、安直に人に聞いて答えだけを得ようとする人は創業に向いていないからだと思っています。

創業後に事業を成長させる人は、手続き関係のことを第三者に尋ねるようなことはしません。行政などに自分で尋ね、間違いや行き違い、誤解のないように事業を進めていきます。特に保健所関係の手続きを、「知り合いがこう言っていた」「業者が大丈夫と言っている」などときちんと調べない人が多いです。その知り合いがどれほど確かなのでしょうか?自分の人生を賭けた取り組みを知り合いの何気ない一言に依存してしまってよいのでしょうか?今どき、スマホがあれば調べられないことはありません。創業を成功させた人はリサーチを人任せにせず、自分で調べています。


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