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コラム

士業マーケティング 自己開示をすればするほど関係性は深まる

先日発行したメルマガに掲載したコラムで趣味について書いたところ、多くの人から感想をいただくことができました。メインのコンテンツについては無反応で、アマチュア無線で遊んだ話を紹介したコラムばかりが好評だったのです。いったいどういうことなのでしょうか。

自分自身を知ってもらうための自己開示

ある特定の団体向けにメルマガを発信しています。毎週1回を目標に有益な情報を掲載し、最後に私のコラムを付け加えています。コラムといってもこのブログの記事を流用していて、ほとんど書き換えずに載せることもあります。

つい先日配信したメルマガでは、アマチュア無線について書いたコラムを載せました。面白いことに、メルマガ本編への反応は毎号ほとんどないのですが、仕事と全く関係ないことを書いたコラムに限って、読者から様々な声を掛けてもらえます。

今回のコラムを読んでくれたある人は、「かつては自分もコールサインを所持していました」などとアマチュア無線の思い出について語ってくれました。またある人は家族や知人がアマチュア無線を楽しんでいたことや、私が知らない地域の無線ショップについて教えてくれました。

士業の情報発信というと、大上段に構えて法改正情報や専門的な知識ばかりを発信してしまいがちです。ところがそうした情報は実は、士業に限らず誰でも発信することが可能。わざわざ独立開業した士業が見込客と関係性を深めようとするために情報発信をするコンテンツとしてはふさわしくありません。では、どんなコンテンツを発信すればいいのか。士業の一番の商品は、法律の知識ではなく自分自身です。その自分自身を知ってもらうための自己開示をすれば良いのです。

無形の商品を取り扱っているからこそ、自分自身が何者で、どんなことを考えて仕事をしていて、さらには仕事以外の趣味などについても見込客に伝える必要があります。同じ資格を持つ多くの競合がいるからこそ、わざわざ選んでもらう理由(きっかけ)を作らなければいけないのです。

自己開示は危険か

自己開示をしましょうと言うと、必ず「個人情報をネットに晒すのは怖い」といった反応が返ってきます。私は自己開示をしようと勧めているのであって、個人情報をさらけ出そうと言っているのではありません。両者の性質は全く異なります。

私は2年少し前に完全に自営業に移行してから、情報発信での自己開示を徹底しています。ただし、個人情報はさらけ出さないようにし、無駄なトラブルを引き寄せないようには配慮しています。もちろん何かの事態が起こったときには毅然と対応するつもりで泣き寝入りをするつもりは全くありません。そんな姿勢が伝わっているからか、これまで一度も嫌な思いをしたことはなく、それどころか、自己開示によって見込客や既存顧客と関係性が深まる効果を実感することができています。

士業であれば、氏名、事務所の所在地、連絡先、登録番号は隠すことができず、調べようと思う人にとっては簡単に得られる情報です。これらの情報については開示せざるを得ないので、開き直って取り扱うことにしています。一方で、それ以外の家族に関することや金銭に関わることなどはぼやかして表現するように心がけています。その程度の配慮でも、トラブルを十分に抑止することができていると感じています。

面接を受けるビジネスパーソン

まずは自己開示をして自分が何者であるかを知ってもらいましょう

継続が最も重要

士業は真面目な人が多いので、情報発信を勧めたときに真面目に考え込んでしまいがちです。「法律に関わる仕事をしているからには厳密に表現しないと」などと考えてしまうのでしょうか。

ところが、まだ何者でもない士業の発信した内容など誰も気にしてはいません。発信内容に気を使いすぎるよりも、まずは情報発信を継続することの方が重要です。ほとんどの人が情報発信を継続していないからこそ、継続するだけで競合に差をつけることができます。

繰り返しになりますが、士業の一番の商品は自分自身です。その自分が何者であるのかをしっかりと自己開示し、語り続けることが売上アップへの近道です。独立開業したのであれば営業が大事と言われますが、営業は何かを安直に売り付けることではなく、まずは顧客の話を聞くことから全てが始まります。顧客から困りごとを教えてもらうためにも、まずは自分が何者であるのかを伝えることが必要なのです。


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