講演5時間、何を話すか
今日は大分市で創業に関する話をしてきました。持ち時間は5時間。さすがに5時間も話し続けるのは大変なのでコンテンツを工夫しました。
動画インタビューを差し込む
創業をテーマにお話しせよということで、去年に引き続いて仕事をいただきました。朝10時から昼休みを挟んで16時まで。5時間も話す仕事をするのはさすがに準備に工夫が必要です。何が恐怖かといえば、途中で話すネタが尽きてしまうこと。そうならないように、いくつか工夫してご満足いただけるようにしました。
創業がテーマだったので、創業者とのインタビュー動画を撮影しておき、途中で流しました。1回10分の動画を4回。私が話し続けるだけでは飽きられてしまうことが確実なので動画を挟み込むことで飽きないようにしたのです。インタビューはZoomで行い、その様子を録画しておきました。創業支援に役立つインタビューになるように話を引き出し、動画を見た後に簡単に議論するという体裁にしました。
動画というのは不思議なもので、必ず人の目を惹きます。それまで眠そうな顔をしていた人も見入ってくれるので、私の講演ではほぼ必ずどこかで動画を挿入します。難点はインタビューに要する費用がかかってしまうのと、パワポファイルの容量が増えること。特に費用は自腹ですので、いただいた報酬が少ない場合は持ち出しになってしまうことも。より良いコンテンツを提供するためとはいえ痛い出費です。
今回は美容業、カフェ、コインランドリー、ピザ店をそれぞれ経営する人へインタビューを実施しました。創業時の苦労はもちろん、支援機関や銀行をどのように活用して夢を実現しているかを語ってもらいました。昨年も同じような動画を用意しましたが、使い回しをせずに新規に収録。昨年に続いて参加してくれている方もいるので手間を惜しみませんでした。そのせいかわかりませんが、帰りがけには何人かの方からお褒めの言葉をいただけました。
自己紹介は最後に
講演するとき、これまでは冒頭で自己紹介に一定の時間を割いていました。江戸時代から続く家業を投資ファンドへ事業譲渡した話をし、私の背景を伝えていたのです。しかし、今回は冒頭ではさらっと自己紹介するのみに留め、最後の時間調整で事業譲渡の経緯などをお伝えすることにしました。
なぜこうしたかというと、自己紹介が無駄に長い外部講師に辟易したことがあるからです。つい先日、持ち時間に対して異様に長い自己紹介をし、本編の時間が足りなくなってしまう講演を聴いてしまいました。自己紹介というより、自慢話がダラダラと続く様子は異様。うれしそうにご自身の実績らしきものを専門用語を駆使して話す様子は忘れられません。あの講師のようにはなりたくないなと考えて、自己紹介は最後のおまけ扱いにしました。
結果は良好。講演の最後は時間に追われてせわしなくなりがちですが、自己紹介を最後に持って来たことで最後まで皆さんに熱心に聞いてもらえたように思います。
講演は準備が大事
今回改めて痛感したのが講演は準備次第で出来が大きく左右されるということ。今回も事前に練習を重ねていたので、私としてはしっかりとお話しすることができたように思います。実際に事務局の方からは「聞きやすかった」と感想をいただくことができました。慣れた台本だからといって油断していて、思うように言葉が出てこなかった経験があるので、講演前には念入りに練習するようにしています。
講演というと華やかな仕事のイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実際は準備は大変だし、立ちっぱなしで足はむくむし、喉は痛くなるしとても負担感のある仕事です。今回のように移動と前泊があると、拘束時間も長時間にわたります。外食が続いて体が重くなるのも私にとってはつらいところ。
でも講演後に参加者の方が丁寧に挨拶をしてくれたり、「去年につづいて参加しちゃいましたよ」などと言葉を掛けてもらえると疲れも吹き飛びます。自営業にとってはなによりうれしい瞬間です。
来週も1件、そして来月にも「話す仕事」をいただいています。年に数回しかない仕事ですが、しっかりと準備をして主催者の期待に応え、参加者にはひとつでも何かを持ち帰ってもらえればと思います。
ポッドキャスト「茶わん屋の十四代目 商いラジオ」を毎週金曜日10:00に配信しています
関連記事