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コラム

ネットでなくお店で購入する意味

今朝、交信した局長さんから近所に無線ショップがあるよと教えてもらいました。引っ越してきて2年以上経つのにまったく気付いていなくて、灯台下暗しとはまさにこのこと。近いうちにお店に行ってみようと思っています。

無線ショップを教えてもらった

土曜日の午前中は近所の神社に参拝し、その後アマチュア無線で交信することにしています。今日はいつもより小さめの出力で交信してみようと思い立ち、八重洲無線のVX-3というハンディ機を持ち出しました。免許を取得して最初に購入した無線機で、手のひらにすっぽりと収まる小ささが魅力です。実はこの無線機で交信が実現したのはまだ一度だけ。今日はひさしぶりにVX-3で交信してみたいと思っていました。

さっそくCQを出してみると、台風明けにも関わらず、いつもの局長さん達に応答してもらうことができました。そのうちのお一人といつものように会話していると、ふと近くに無線ショップがあると教えてもらえました。近所に無線ショップがあるとは知らなかったので、場所を教えてもらい、近いうちに足を運んでみるとお伝えしました。

アマチュア無線をしているというと、「知らない人とどんなことを話すの?」などと尋ねられることがあります。天気や無線機の話などをするわけですが、どちらかというとよほどの友達ではない限り、当たり障りのない世間話に終始しがちです。それでもふとした拍子にこうした有益な情報を教えてもらうことができるので、まだ顔を見たことのない方とお話しするのは(少し緊張しますが)楽しいものです。

価格でなく繋がりに価値がある

私はこれまで無線機などを購入する際、すべて他県の無線ショップのECサイトから購入していました。価格が安いというのがその店を使っている一番の理由で、次に品揃えが豊富で検索しやすいというのも大きいです。オリジナル商品も充実していて、先日は大容量のモバイルバッテリーを購入したばかり。ただ、全国各地にある地域に根ざした無線ショップがどんどん廃業を余儀なくされていると聞いているので、ネットから購入していることに少し後ろめたさを感じていたのも事実。どこか良い無線ショップがあれば、ぜひ行ってみたいと思っていました。

これだけネットでの情報収集が便利になった時代に、わざわざリアルのお店でしかもおそらく最安値でない商品を買うのには、どこに価値を見出しているのでしょうか。少なくとも価格以外の付加価値があるからこそ、わざわざ足を運ぶ気になるわけです。私の場合は無線ショップの人とはもちろん、他の局長さんと繋がりたいから。SNSで誰かと簡単につながることができる時代だからこそ、リアルのつながりにより価値が生じているように感じます。

VX-3でアマチュア無線の交信をしている様子

VX-3をひさびさに持ち出しました

リアル店舗だからこそ提供できる価値がある

商売の基本は顧客の困りごとを解決することです。難しいのが、必ずしも顧客がその困りごとを自分で認知しているとは限らないこと。顧客自身もはっきりとわかっていない課題を見出し、その課題を解決する方法を提示してやるのが商売繁盛への第一歩です。

中小企業支援に携わっていると、「お店の売れ行きが下がり続けているから、ネットで販売したい」という事業者の声を聞くことがあります。リアルのお店から顧客が離れている状況で、ネット販売さえ始めれば全国から注文がやってくるだろうと考えているのです。こうした事業者がネット販売を手がけたとしても、すぐに売上が増えることはありません。リアルのお店で顧客を満足させることができていないのに、ネット販売に手を出したからといってそれだけで顧客が増えるわけはないのです。

以前に、古くから続く酒屋さんから同じような相談を受けたとき、私がアドバイスしたのは活用されないまま放置されていた顧客名簿の活用でした。既存顧客との関係性を深めてリアル店舗の売り上げを増やす方が、ネット販売に手を出すよりも確度が高いと考えたのです。そのお店ではニュースレターを作成し顧客に配布したところ、しばらく足が遠のいていた顧客が戻ってきてくれました。顧客は店からの連絡を待っていたのです。

誰もがかんたんにネット販売を始めることができるからこそ、リアル店舗の存在価値は高まっています。もちろん漫然と販売しているだけでは顧客は振り向いてくれません。自社のリアル店舗だからこそ提供できる価値を見極めて、顧客に提示すればよいのです。


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