地方中小企業が持続可能性を高めるための踏み台になります

050-3557-7157

コラム

経営者のプレゼンを見て考えたこと

経営者のプレゼンを見学するのは良い勉強の機会になります。そもそもの事業性に思いをはせたり、話し方に注目したり。先日、経営者が登壇するイベントに出席し、いくつか勉強させてもらうことができました。

プレゼンの目的を伝える

先日、中小企業の経営者によるプレゼンを見学する機会がありました。持ち時間は20分間。その後に質疑応答が5分間。各社ともにプレゼンの目的をはっきりと伝えてくれたので、聞く方も集中力を途切れさせずについていくことができました。「協業先を増やしたい」「サービスに関心がある人からの連絡をもらいたい」といった感じです。

ただなんとなく事業計画の発表を聞かされるのはつまらなくて、「だから何なんだ」と思ってしまいます。ビジネスプランコンテストなどであれば評価されるのが目的だとわかっていますが、そうでない場であれば何が目的のプレゼンなのかをはっきりと提示するのはとても大事なことです。

以前にあるプロジェクトに関わっていた時、他自治体からの視察に対応したことが何回かありました。いずれも目的が定かでなくて、とりあえず説明を聞きたいといった感じで押しかけてきます。となると私も通り一遍の事業内容をプレゼンするしかなく、そうした視察目的が定かでない団体を相手にするのは苦痛以外の何物でもありませんでした。

「同じような施設を設立することを検討しているから、運営の勘所を教えて欲しい」だとか、「女性の創業を増やすために取り組んでいる内容を教えて欲しい」といったように目的を伝えてもらえていれば張り合いもあったのに、どの視察も肝心の目的が明瞭ではありませんでした。視察という名の親睦旅行だったのではないかと勘繰ってしまうこともしばしば。民間では考えられない慣行です。視察を有料にしてそうした団体を排除したいと提案したこともありましたが、「お互い様」だそうで検討すらしてもらえませんでした。

「いただいています」の連呼

ある経営者のプレゼンで気になったのが、「いただいています」というフレーズの多用です。「A社に採用いただいています」「B県のなんとかにも採択いただいています」といった感じ。丁寧に話そうと意識しすぎるあまり、耳障りな言葉と化してしまっていて自分も気を付けなくてはいけないなと勉強になりました。

私が文章を書くときも同じ。「〇〇させていただいています」といった表現はうっかりしていると複数回、使ってしまいそうになることがあります。そんな時は、ひとつの記事で1回のみにするなどばっさりと見直しています。

同じように、無意識に「えー」と話し始めてしまうのも、聞く人によっては耳障りになるそうです。私は特に意識しませんが、自分の声を録音してみてチェックしてみるのも良さそう。ちなみに私は自分の声を聞くのが嫌いでポッドキャストもほぼ無編集。話し上手な人ならともかく、ぼそぼそ話している自覚があるので最初から自分の話し方に期待しないことにしています。

パソコンを持ちながら話すビジネスパーソン

経営者のプレゼンを見学させてもらうのは勉強になります

質疑応答もシナリオに盛り込んでおく

プレゼンのあとに質疑応答がありましたが、最初から活発に挙手があることは想定していないようで、関係者が質問してきれいに終わることができるようにシナリオができていました。何度も「何か質問はありませんんか」と進行役が声を張り上げるのは気まずいものなので、最初から質疑応答についてもシナリオを作っておいてしまうのは私は賛成です。

まったく別のある講演会では、質疑応答でここぞとばかりに議論を吹っ掛けようとする参加者がいて周りの顰蹙をかっていました。質疑応答と議論の区別ができていないようで、最初から自説を振りかざすことが目的であったよう。こうした人物は他の参加者の時間を奪っている自覚がないので困ったものです。進行役が介入しないといつまでも話し続けようとすることも起こり得ます。

もちろん率直な質問などがあれば遠慮せずに挙手してもらいたいもの。そうした質問に経営者がどのように答えるのかもプレゼンの一部です。事業について説明している時と打って変わってしどろもどろしてしまったり、変わらずに熱量を込めて返答したり。どちらが良いとか悪いとかではありませんが、経営者をより深く知るきっかけにすることができます。


メルマガ詳細


ポッドキャスト「茶わん屋の十四代目 商いラジオ」を毎週金曜日10:00に配信しています

amazon musicのバナー

Listen on Apple Podcasts

関連記事

TOP