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コラム

日経電子版で保存した記事(2024年8月)

日経電子版で保存した記事の中から、ここ最近で気になったものを紹介し、私の考えや連想したことを書いてみます。

アサヒ、「なだ万」を売却

日本経済新聞 電子版 2024/7/26
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO82327950V20C24A7TB1000/

アサヒビールが2014年に買収していた「なだ万」が、すし店を運営するONODERA(オノデラ)グループに売却されるそう。

このニュースを読んで真っ先に思い浮かべたのがかつての家業のこと。2015年に投資ファンドに事業譲渡したものの、未だに新しいオーナーに売却されることはなく投資ファンドが資本を持ち続けているようです。当初は3年をメドに売却すると聞いていたので、再生計画の実行は大幅に遅れているのでしょうか。

金融のプロや会計士が関与するからといって、それだけで経営がうまく行くのであれば、世の中はユニクロやトヨタ自動車のような大企業ばかりのはず。実際にはそんなことは起こり得ません。地に足をつけた、まっとうな経営が何よりも重要なことだと信じています。

 

テスラが手本の経営者報酬

日本経済新聞 電子版 2024/7/27
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO82339750W4A720C2TCR000/

「株式を使った経営者報酬は研究の余地があるだろう」という主張の記事。経営者に支給される報酬は基本的に成果に連動するべきで、必ずしも従業員の給与と同じ土俵で比較される性質のものではありません。

以前にあるプロジェクトに関わっていた時、行政が報酬を下げようとばかり策動するのに辟易してしまった経験があります。それなりに成果を出していたので、私としては処遇を改善してもらいたいくらいだったのに。私が生み出した成果に対する嫉妬なのか、報酬に対する嫉妬なのか、地域で働き続けることの難しさを実感した出来事でした。

関与先のオーナー経営者には、許される範囲で会社から報酬をしっかりともらってくださいとお伝えしています。不測の事態が起こった時に経営者が会社に資金を入れるためにも、日頃から現金を蓄えておくことが必要だと考えています。

 

ジョブ型雇用 ためらい

日本経済新聞 電子版 2024/7/29
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO82384910Y4A720C2TCJ000/

どうやらジョブ型雇用は夢の制度ではないことが明らかになりつつあります。諸事情により業務が減った場合なども、労働者と交わしたジョブ型雇用に関する契約が優先されるとの最高裁判決が出ています。経営上のやむを得ない事情が生じてしまったときでも、会社が一方的にジョブ型雇用の労働者を配置転換することは認められないというのです。

労働者が守られるべきことに異論はありませんが、過度に保護されるようになると経営に支障を来します。「雇用はリスク」ということになりかねず、雇用契約の代わりに業務委託契約にしたがる経営者が増えていくかもしれません。私が次に従業員を雇うことを想像すると、確かに最初から雇用契約にするのはあまりにも重いとも感じてしまいます。

 

平成筑豊鉄道、存続 瀬戸際に

日本経済新聞 電子版 2024/8/2
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO82481360R00C24A8H97A00/

数年前まで住んでいた地域に走っている平成筑豊鉄道の存続が危ぶまれているとのこと。誤解を恐れずに言えば、私は5年間で一度しか乗ったことがなく、日々の生活に必要だと感じたことはありません。普段は自家用車でばかり移動していたので、利用する機会がまったくなかったのです。

自動車で移動するのが当たり前の地域に公共交通はどこまで必要なのか。シビックプライドなどにも関わる問題なのでしょうが、私はシンプルに「ほとんどの人が乗らないのだから要らない」と考えます。

直方駅

平成筑豊鉄道には一度だけ乗ったことがあります

 

〈霞が関ノート〉夏の夜「蒸し風呂」省庁

日本経済新聞 電子版 2024/8/6
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO82587560V00C24A8EP0000/

霞が関の中央省庁でエアコンが十分に稼働していないという記事。好きなように空調を使ってもらい、その分バリバリと働いてもらえばよいと考えるのは私だけでしょうか。

家業の代表取締役を務めているときに、労使協議会で組合側から節電について意見をもらったことがあります。「こまめに消灯して経費を節約するように働きかけるべき!」といった意見だったように記憶しています。この時感じたのが、数円の節電で役割を果たした気になってはいけないなというものでした。数円の経費節減が大事なのはわかっていますが、もっと効果額の大きいことから取り組まないと木を見て森を見ずの状態になってしまうと思ったのです。

霞ヶ関の空調費が数億円か数十億円増えて、それだけで文句を言うような有権者にはなりたくないです。

 

経営者の煩悩 丸紅会長 國分文也

日本経済新聞 電子版 2024/8/19
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO82863650Z10C24A8MM0000/

経営者の最も重要な役割は、会社あるいは事業を存続させること。自分の在任中に派手な成果を生み出そうと何でも前のめりに取り組むのは簡単ですが、その結果、存続すら覚束なくなるようなことになってしまえば本末転倒です。

また、利害関係者に嫌われまいと誰に対しても良い顔をしていては経営者は務まりません。時には、孤立しても譲れない一線を守る頑固さが求められます。事業を存続させるためには誰かに後ろ指を指されることも辞さないのが経営者の覚悟というもの。経営者が孤独というのは適切な表現だと思っています。


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