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コラム

クレームへの対処法

最近、立て続けにクレーム対応をする機会がありました。どちらも私に責任がない案件でしたが、行きがかり上、私が前面に出て迅速に収束させてしまいました。

まずは聞く

仕事をしていたらクレームは発生してしまうものです。クレームを起こさないようにできれば良いのですが、そんな事は無理です。いつか必ず、どなたかから何かを叱られるような事案は発生します。その際にまず気をつけたいのが、相手の話を丁寧に聞くことです。

相手が話している途中で言い訳を始めたり、謝罪の言葉を出したりするのは最悪の対応で火に油を注ぐことになりかねません。まずはすべてを受け止めることからクレーム対応が始まります。

誰かから叱責された時、人は本能的に身構えてしまうものです。自分が悪くない理由を探したり、相手に非がある点を探そうとしたりしてしまいます。でも、クレームを早期に収めることだけ考えるのであれば、まずはその感情をグッと押さえて、相手の話を全て受け止めなくてはなりません。

謝るべきことはさっさと謝る

世の中には「申し訳ありませんでした」と謝罪できない人が一定数存在します。そうした人々はプライドが高いのか単に誠実な人柄でないだけなのか私にはわかりませんが、とにかく自分が間違いを犯したことを認めようとしません。

ある人はとにかく謝罪ができない人でした。謝罪をしたら負けだと思っているのか、さらなる何かが降りかかってくると思っているのか。追い込まれて最後の最後に発するのは「すいませんでした」という単語。「すみませんでした」ではなく、「すいませんでした」です。この言葉を発するのにもかなりの抵抗があるようで、心からの謝罪などとは全く感じられないものでした。こうした人物は基本的にトラブルメーカー。関わらないに限ります。

先日、立て続けに2件のクレーム対応を行いました。そのどちらも私に責任はありません。当事者が出てこないので、やむなく私の出番になっただけです。逃げようと思えば逃げられたのですが、それでは後味が悪くなるだけ。私が頭を下げて丸く収まるならば、さっさと頭を下げてしまうことにしました。いざ対応してしまうと不思議なもので、相手の怒りが解けた後に関係性が深まる機会にすることができました。クレーム対応の役得のようなものです。

社会人人生を歩んでいると、大小様々な困難に確実に見舞われます。その時に困難から逃げようとすると逆にますます苦労することになりがちです。私はトラブルなどが発生した時は、ここぞとばかりに立ち向かうようにしています。逃げずに前向きに対応する方が結果、楽だと信じているのです。

家業の代表取締役を務めていた時、大きな不祥事を2つも発生させてしまったことがあります。この時も困難から逃げずに立ち向かうという信条通りに行動しました。結果、それなりのお叱りは関係各所から受けましたが、最悪の事態に至ることなくそれぞれ穏便に収束させることができました。

クレームから逃げようとすればするほど逆に炎上してしまうのは、最近でも健康食品の異物購入事件などで明らかです。起きてしまったものはどうしようもないので、速やかに全てを開示し責任を全て認めてしまうしかありません。その当たり前の経営判断を上場企業の経営者ができないのは私にとっては驚きです。適切な報告を遅らせる、あるいは責任についていつまでも明言しないのは、今時、何よりも受け入れられない振る舞いです。

謝っている男性

謝るべき時はさっさと謝ってしまいましょう

避けるつもりのないクレームもある

以前に創業に関する相談を受けた時、クレームに発展しまったことがあります。私に相談すれば創業に関する事務手続きを事細かに教えてもらえると思い込んでいたようで、私が自分で調べるように伝えた後にクレームになってしまったものです。

人生をかけた事業を営もうとするのに重要な事務手続きの一次情報を自分でリサーチしようとせず、初対面の人間に一から十まで聞こうとする、その神経が私には信じられません。そうした姿勢で事業を成功に導くことができるとは思えないのです。クレームにはなりましたが、私からしたら避けるつもりのない性質のクレームです。今でも同じ姿勢で創業支援を続けています。


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