自分が中年であると意識した日
もうすぐ47歳になります。特に老け込んできている感覚もなく、かつての上司や会社の先輩方と比べると同じ年齢でも私の方が若々しいつもり。でもその変な自信にはっきりとした根拠はなくて、人生の後半を歩んでいる自覚を持たなくてはいけないなと自戒しています。
氷河期世代
NEO-COMPANY 私たちの逆襲(5)「氷河期」の不遇溶かせ
日本経済新聞電子版 2024/7/12
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO82039310S4A710C2MM8000/
記事は「中年」の活力を引き出そうといったようにまとめられています。朝からこの記事を読んでいて愕然としたのは、まさに私の年齢だということ。記事で紹介されている女性は47歳ですし、ご丁寧にも「40~54歳を中年とした」と定義までされています。47歳というのは社会の中ではかわいそうな氷河期世代であり、そして中年なのです。
氷河期世代というと、新卒時に就職活動に失敗し、非正規雇用を転々としているといったイメージがありますが、そういえば私も非正規雇用を経験しています。中小企業支援家に転身し、行政の外郭団体に5年間在籍していた当時は有期雇用契約でした。生活に苦労するような処遇ではなかったものの、最初の2年は単年度契約、最後は交渉して3年契約。単年度契約時の恐怖感といったら大げさですが、未来が約束されていない閉塞感というのは初めて味わうものでした。それまで家業で当たり前に正社員や取締役だったのが、転職した途端に組織の末端に名前を連ねることになり生き残るのに必死の日々でした。
上の世代は終身雇用が前提で、ボーナスもしっかりと支給されていたことでしょう。家業の先輩たちもボーナスで家のローンを払ったとか、子どもの学費にしたとか、よく話していたものです。一方で氷河期世代は親世代よりも豊かになれていると実感できていません。平和であるけれども、身を守るのに気を張りつづけている世代であるように思います。
老眼がきつくなってきた
そういえば、このところ老眼が進行しているように感じます。数か月前に測定してもらった時には特に異常はなし。でも夕方になると、手元の小さい文字が確実に見えづらくなっているのを実感します。今着けている眼鏡は遠近両用で、レンズの下半分が老眼鏡。これとは別にシンプルな老眼鏡を作ろうかと検討中です。
仕事柄、日中はパソコンに向き合っている時間が長いです。たまに遠くを見て目を休めるように意識していますが、それだけですっきりすることはありません。昔と比べると目の疲れを感じることが多くなっているようで、確かに立派な中年の身体的症状であるようです。
でも体の老化を感じるのは老眼くらい。他はそれなりに会長なので恵まれている体です。
自分を疑いながら仕事に取り組む
中小企業支援家という商売柄、経営者と対話していて創造的な考えが思い浮かばなくなったら終わりだと思っています。人の話を最後まで聴けなくなったり、教科書に書いてあるようなことを押し付けたりし始めたら廃業すべき時でしょう。しかし今のところ、そんなことをしている自覚はゼロ。今日も物理学者でもある経営者さんと30分ほどお話ししましたが、有意義な時間にすることができたはずです。理系のトピックについては新聞を斜め読みしている程度の知識しかありませんが、ある技術を社会実装しようとしている経営者さんと中身の濃い時間を共有することができました。
かつて中小企業支援家に転身した当時に出会った専門家らしき人は、中年どころか老害と化してしまっていました。電話で話している相手に「俺のことを知らないのか!」と怒鳴っているのを目の当たりにした時には、本当にこんな言葉を口にする人がいるのだと驚いたものです。本人は現役バリバリのつもりでいても、明らかに加齢による弊害が顕在化し始めてしまっていて、適切な距離を取るのにとても苦労しました。
彼の醜態は他人事ではなくて、自分だけは大丈夫などと思い始めたら黄色信号。誰もが毎年1歳ずつ年を重ねていくのは避けることができないので、自分もいつかは社会に通用しなくなる時がやってくるはずなのです。大事なのは引き際を間違えないこと。加齢によって人に迷惑を掛ける前に、そして醜態をさらす前に勇気ある決断をしたいものです。中年はそろそろみんなに心配をさせる年ごろです。いつまでも大丈夫と思わず、自分を疑いながら仕事に取り組んでいきたいです。
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