組織が多様性を確保しなければいけない理由
雨の予報だったので自宅で過ごした一日でした。ベランダにアンテナを出し、部屋の中から無線遊びを少し。
なんとか1局だけ交信できた
今日は雨の予報でしたが近所の神社を参拝し、ついでに食事だけをしてすぐに帰宅してしまいました。神社の先には開けたスペースがあり、そこで無線機の電源を入れるのが週末の習慣になっています。1つでも交信できれば気分良く帰宅できるのですが、今日はどなたの声も聞こえず早々に引き返してしまいました。
数年前からアマチュア無線の免許は取得していたものの、実際に交信を始めたのは今年の3月から。様々な楽しみ方がある奥の深い趣味であるようですが、私はハンディ機で簡単に交信できるだけで充分に楽しめています。学生の頃からアマチュア無線に興味があったのになんとなく具体的な行動に繋げられず、この歳にまで至ってしまいました。その間シーカヤックを漕いだりフイルムカメラを集めたりと他の趣味を楽しんできました。そのことに後悔はありませんが、アマチュア無線をもう少し早く始めておけばよかったなと考えることもあります。
梅雨に入る前はいくつか近くの低山に登って、標高300メートルくらいの高さから多くの局長さんとつながることができました。ただし、今日のように雨模様だともちろん山に登るわけにもいかず、自宅のベランダにアンテナを立てて交信を試みることになります。
今日も6階の北側にあるベランダから無線機に耳をすませていると、CQを出している局長さんの声が聞こえました。最近はなかなかCQに応答する人がいないと言われていますが、私は日頃皆さんに応答してもらっているので声が聞こえたらできるだけ応答するように心がけています。今日もようやく1局だけ交信することができて、会話を楽しめたところです。
同質性が高い組織
ここしばらく、SNS上ではアマチュア無線を楽しむ人々のロビー団体に関する内輪揉めの話題が続いていました。高齢の男性がかなりの割合を占めている同質性がきわめて高い団体なので、イノベーションが生み出される土壌に乏しく、何年も断続的に同じような内輪揉めが続いているようです。ロビー団体としての本来の役割を果たしてもらいたいところですが、高齢の男性同士の争いというのは不毛なもので、対立する陣営同士がお互いに正論をぶつけ合っているような状況になっています。
新しい仲間を増やし続けないとアマチュア無線という趣味もいつか消えてしまうことでしょう。例えば、学校のクラブ活動でも試合で成績を残すのと同じくらい、新しい部員を入れることに注力しています。仲間が増えなければ、いずれは消滅してしまうというのはどの組織でも当たり前の運命なのです。
また、公共の資産である電波を使わせてもらっている以上、ロビー団体が適切な活動をしない限り、いつか使用できる電波が少なくなっていってしまうかもしれません。これらの本質的なところに目を向けて行動してくれる幹部が現れることを願っています。
なぜ多様性を追求しなくてはいけないのか
多様性という言葉を新聞などで目にしない日はありません。企業になぜ多様性が求められるかというと、イノベーションを生み出して事業を存続させるために多様な背景を持つ人々の知見が必要だからです。きれい事だけで多様性を推進しなければならないのではなく、多様性を追求することが収益力を高めるというごくシンプルな理由によるのです。
そう考えると、アマチュア無線を楽しむ人々のロビー団体にも多様性が求められるのは明らか。特定の性別、特定の年齢層だけの人々で運営されている現状は極めていびつなことであり、何よりも組織の持続可能性が大きく損なわれつつある自覚を持つ必要があります。事業を推進する役職者の同質性が高いのであれば、自ら身を引く覚悟を持ってでも多様性を推進してもらいたいものです。例えば、女性の役職者を一定割合強制的に配置するとか、アマチュア無線外の知見を持つ人々にポストについてもらうように働きかけるとか。
これまでの組織運営の姿勢から転じて多様性を追求するのであれば、それなりの痛みを伴うことでしょう。しかし、勇気を持ってその決断を下すことができるのは当事者のみ。何年も緩やかに衰退し続けているアマチュア無線の世界だからこそ、待ったなしの決断が求められる時期に差し掛かっているように感じます。
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