身軽に移動する理由
一泊で東京に行ってきました。当初は福岡で過ごす予定だった平日を急遽、東京出張に当てることに。自営業だからこそ、何かにためらわずに身軽に移動するように心がけています。
会いたい人に会うのを躊躇しない
私のように無形の商品を取り扱っていると、様々な人とのつながりが新たなご縁を生み出してくれることを実感し続けています。顧問先に知恵やアイデアを提供するのが直接的な仕事ではありますが、その大前提として人と会うのも立派な仕事の一つなのです。
「今度会おうよ」とか「飲みに行きましょう」といった言葉は私にとってはお愛想ではなく、すぐに実践すべき提案です。特に後者は、軽々しく口にする人が多いからこそ、口にしたからにはすぐに予定を立てるべきだと思っています。年配の男性に多い印象ですが、このフレーズを挨拶がわりにしている人がいます。私からしたらその気もないのに「飲みに行こう」なんて言われるのはとても不愉快。その場で約束するつもりもないのに、安易に口にするなよと思ってしまうのです。
何か用事が生まれたら、躊躇せずに移動して会いたい人とお会いするように心がけています。今回の東京出張では、1時間だけある人とお話しするのが目的でした。たった1時間であっても、私にとっては貴重な時間です。交通費や移動時間を費やしてでも移動した甲斐がありました。おかげで有意義な時間を過ごして福岡に戻ることができました。
さらに明日は京都から知人が訪ねて来てくれます。何か他の用事があるようで、金曜日の夜に会いましょうと声をかけてくれました。もちろん喜んで会食をするつもり。誰かが私の所へわざわざ足を運んでくれるなんて当たり前のことではなくて、とてもありがたいことです。特に私のように複雑なキャリアを重ねているものにとっては、人に必要とされることのありがたさは身に染みています。声をかけてもらえるうちが花なのです。
交通費を言い訳にしない
身軽に移動しようとすると気にかかるのが交通費のことです。確かに飛行機や新幹線に乗ろうとすると、往復で数万円は出費を強いられます。この費用を負担に感じるかどうかは、人それぞれが決めることです。
私はこれらの費用を理由に、移動をためらうことは基本的にありません。逆に言えば、ほんの数万円投資するだけで会いたい人と会えるわけです。自営業は人とつながりを作ることで、次のご縁が生まれていきます。投資なきところに成長なし。何かを得ようと考えるのであれば、当然費用は発生するものなのです。
ちなみに私はANAの会員で、クレジットカードもANA提携のカードです。数ヶ月に1度くらい、東京往復できるマイルは貯まるのでいつも便利に使っています。以前と比べると特典航空券も予約しやすくなりました。ところが現在はちょうどマイルを使い切ってしまっている状態で、今回の東京往復も他社の安い航空券を探して利用しました。交通費を支払うのを躊躇しないと言っても、賢くチケットを入手しようと努力するのは当たり前です。
イノベーションのために移動し続ける
移動をためらっているようであれば、イノベーションを生み出せないと考えています。いつもの場所でいつもの人と話し続けていても、これまでの自分の殻を破って新たな発想を得ることはできません。場所を変えて、普段なかなか会えない人と短時間であっても話すことで、自分の認知を少しでも押し広げることにつながり、結果、イノベーションを生み出すことができると信じています。
自分の巣の中だけで仕事をするのは、とても居心地が良いものです。何かと負担は発生しませんし、日々の習慣に身を任せることができます。しかし、こうした環境に身を置き続けると刺激を受けることが少なくなります。例えば、社長室に籠もり続けている経営者のことをイメージしてみてください。事業がダイナミックに動いているのは社長室の中ではなく、現場で動いているものです。居心地の良い場所から積極的に飛び出し、外の世界へ刺激を求めないと知らず知らずのうちに思考の劣化が始まってしまうのです。
1ヵ月後にはまた東京へ行くことにしています。顧問先の株主総会に出席し、ついでにいくつかの私用を済ませるつもりです。せっかくなのでどなたかとお会いする約束をし、少しでも充実した時間を過ごそうと計画しています。
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