地方中小企業が持続可能性を高めるための踏み台になります

050-3557-7157

コラム

自営業をしていて心掛けていること

自営業に完全に移行して3年目。今のところ顧問先などはすべて継続してもらっていて、おかげさまで何とかやっています。サラリーマン・経営者・自営業の経験を持つ私が、自営業として心掛けていることを書いてみます。

時間の主導権は自分が握る

自営業にはタイムカードはありません。何時から仕事を始めようが終えようが、自分で自由に決めることができます。雇われる立場であったならば考えられないことで、慣れていない人は戸惑うことでしょう。

家業の代表取締役を務めていた時にはタイムカードは無し。法人との委任契約なので、やることさえやっていれば時間の使い方は自由でした。もちろん結果が出なければ取締役会・株主総会でいつでも解任されることもあり得る立場。ふらふらと遊んでいたわけではなく、多くの利害関係者に助けてもらいながら自分なりに事業の軟着陸を果たすために尽力しました。

その後に勤めた行政の外郭団体では雇用契約。ただし有期で、当初は単年度契約で最後は三年契約にしてもらっていました。勤務時間などは就業規則で拘束されていたものの、満足な成果を出さなければ契約満了で雇用契約は終了し更新してもらえないこともあり得ます。それなりに緊張感を強いられる5年間でした。

こうした働き方をしてきたので、時間については敏感です。自営業になってからは特にそう。例えば「とりあえずお会いしたい」とか、「東京にいらした時に時間を作ってください」などと言われるとイラッとします。前者は用件も伝えずにアポを取ろうとする神経がわかりませんし、後者は用件があるから東京に出向いている私の時間を奪われるように感じます。相手の時間を使おうとするなら事前に趣旨は伝えてもらいたいですし、用件があるならこちらに出向いてきてもらうのが筋というものです。

何をするのも自由だからこそ、限られた自分の時間の使い方の主導権は自分で握るように心掛けています。

入金されるまでが仕事

雇われる立場であった時に学んだことの一つが「入金されるまでが仕事」であるということ。商品を出荷して売上を計上しただけでは手元に何も残りません。対価をきちんと受け取るまでが商売です。

自営業でも同じ。毎月月初に請求書を発行しなければ顧問先は支払い手続きを進めてくれませんし、銀行口座に入金してくれることもありません。逆の立場であれば、請求書が手元になければ支払いようがないのです。

私は毎月月初に請求書をお送りしています(給与としていただく場合は請求書は不要)。事務作業ではありますが、大事な仕事なので画面を指先確認しながら作成しています。また、入金確認もその都度銀行口座を確認して遅れや間違いがないかを確認しています。

商売であるからには当たり前のことですが、税理士とも顧問契約しお金周りのことはきっちり処理するように心掛けています。ある地方中小企業はどうやら経営者が経理もされている様子。そのこと自体に何の問題もないのですが、たびたび入金額を間違えるのには困ってしまいます。ミスが続くたびに会社にも経営者にも余裕がないのだろうかと心配してしまうのです。

数枚の請求書

お金周りはきっちりと管理しましょう

契約は重い

雇われる立場であれば仕事上の契約の当事者は会社であることがほとんどでしょう。代表権を持つ取締役などの名義で契約書を交わすわけです。自営業となると契約の当事者になるのは自分自身となります。押印あるいは署名をする際には事前に内容をよく吟味する必要があります。

地方中小企業の経営者と話していると、契約という行為を軽くみている人が多いのに驚かされます。契約書に明記してあることを理解していなかったり、勝手に良いように解釈していることがよくあるのです。特に定期賃貸借契約には理解が浅い人が多いようです。当然に更新できると思っている経営者が多くて心配になってしまいます。

口頭の約束でも契約は成立しますがあとに何も残りません。やはり書面で交わした契約書が何より力を持ちます。「前の担当者からは口頭でこう説明されていた」などと言っても、基本的には通らないと思っておいた方が良いでしょう。

自営業の契約の当事者は自分自身。署名あるいは押印という行為の重さを自覚しましょう。


ポッドキャスト「茶わん屋の十四代目 商いラジオ」を毎週金曜日10:00に配信しています

amazon musicのバナー

Listen on Apple Podcasts

関連記事

TOP