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コラム

セミナーをどう組み立てるか

9月頃にセミナーをすることになりそうです。テーマはこれまで話してきた内容とは少し違うので、新たに組み立て直す必要があります。セミナーをどう組み立てていくかについて書いてみます。

与えられたテーマを守る

今回のセミナーはテーマを指示されています。研修タイトルと柱となる項目を4つ提示してもらっているので、自分でゼロから考える必要はありません。大事なのはこの指示された内容をしっかりと守ること。無理に自分の得意なネタに誘導したり、まったく関係ない話をしたりしてはいけません。依頼された仕事であるからには、最低限の指示事項にきっちりと収める必要があります。

以前にセミナーを企画した時のことです。外部講師を招へいしたのですが、スライドのタイトルだけは事前の打ち合わせ通りで中身がテーマとかけ離れていたことがありました。おそらく、これまでにどこかで話したことのあるスライドを流用したのでしょう。例えば、「アフリカ諸国で創業するための実践ノウハウセミナー」と題していたのに、いざ始まったら一般的な創業セミナーだった感じです。

せっかく期待して集まってきてくれた人には「想定していた内容と違った」とお叱りを受けてしまうことになりました。外部講師の話す内容に細々と口を出す気はありませんが(自分が同じことをされたら帰ると思う)、最低限、事前に取り決めたテーマからは大きく外れないでもらいたいものです。

時間を守る

9月予定のセミナーは持ち時間が5時間だそうです。この5時間を分解して組み立てていきます。セミナーでは概ね50分間話して10分休憩を入れるように心掛けているので、50分間のネタを5セクション分、用意する必要があります。50分間私がずっと話していてもおもしろくないので、それぞれ冒頭に10分程度の動画などを用意することにします。となると実質話すのは40分間。1スライド3分間程度なので、14枚のスライドで1セクションが成立します。

こんな感じで分解していくと長時間のセミナーでも正確に時間を消化していくことができます。念のため時間調整用のスライドを用意しておけばさらに安心です。大勢の出席者の時間を預かることになるわけですから、時間を余らせるのはもちろん、時間を超過することも許されません。自分自身が何より時間を奪われることを嫌っているのですから、持ち時間は正確に守ることを心掛けています。

先日、ある集まりに出席した時のこと。それぞれ持ち時間が与えられてお話しする予定だったのですがタイムキーパーが機能していなくて、グダグダの進行になってしまいました。最初に誰かが時間を守らずに話し始めると後に続く人も時間を守ろうとしなくなります。持ち時間10分間だったはずが、20分間近く話してしまう人も。結果、休憩時間が削られトイレにも行きそびれ、終わる頃にはぐったり疲れてしまいました。

他人の時間を預かるのであれば、持ち時間は守りましょう。1分の遅延だったとしても、20人の出席者がいれば20分間の時間泥棒になってしまいます。

会議室の掛け時計

時間を守りましょう

期待を上回る価値を提供する

セミナーというのはなかなかつらい仕事です。出席者は何か貴重な学びを得られるのを前提に集まっているわけで、その時点でハードルが高くなっています。出席者の期待をほんの少しでも上回る価値を提供できないと、「時間の無駄だった」「おもしろくなかった」といった感想を抱かせることになってしまいます。

私は年に数回しか人前で話すことはありませんが、せっかくお声がけいただいても断ることもあります。どんな依頼の時に断ってしまうかというと、私でなくても誰かが話せるようなテーマであるときです。以前にあったのは社会保険労務士として労働法について解説して欲しいという内容の依頼でした。申し訳ないですが、私でなくてもいくらでも知見の豊富な先生はいらっしゃるでしょうし、そもそも私に人前で話すほどの知識はないということで丁重にお断りさせてもらいました。

反対に喜んで依頼を受けるのは、私でなければ話せないテーマの仕事。「江戸時代から続く家業を投資ファンドに事業譲渡した経験からの学び」を現役経営者や経営幹部に話して欲しいと言われれば、できるだけ前向きにお引き受けするように心掛けています。自分の大きな失敗体験が、いま経営に携わっているどなたかの役に立つのであれば話しがいがあるというものです。

私にしか話せないコンテンツということは、他の誰かと比較されないということでもあります。独自のコンテンツであればそれだけで一定の価値があるというわけで、出席者に喜んでもらえる確率は高くなります。


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