「思考の軸」を持つために心がけていること
中小企業支援家として活動するには「思考の軸」を持っておくことが必要です。教科書に書いてあることだけを話していても、その底の浅さはあっという間に経営者に見抜けれてしまうわけで、自分の考えを伝えることが何よりも求められる仕事です。
新聞を読む
インプットが必要なのは言うまでもないことでしょう。情報を仕入れておかないことにはアウトプットを生み出すこともできません。心がけたいのは良質なインプットをすることで、偏った情報だけを取り入れていると知らないうちに思考も偏っていってしまいます。
先日、ある人とひさしぶりに会った際に口をついて出てきたのは、ワイドショーが垂れ流しているような底の浅い不満ばかりでした。以前はそんなことを口にする人ではなかったのですが、少し会わない間に変わってしまったなと残念に感じた出来事でした。ワイドショーやネットの質の低い記事ばかりを目にしていると、思考が引きずられるようになってしまうのです。
私がインプットに使っているのは新聞で、日本経済新聞と日経MJと日経ヴェリタスを購読しています。少し前までは日経産業新聞も愛読していたのに休刊になってしまいました。テレビを見るのは朝のNHKのニュースと録画しているBSの海外ドキュメンタリーくらい。バラエティー番組などすっかり見なくなってしまいました。新聞に書いてある情報が必ずしも正しいとは思っていませんが、今の日本では少なくとも信頼できるメディアの範疇に属しているはず。そのため、毎日多少の時間を掛けてでも目を通すように心がけています。
新聞の購読者数が減っていると言われていますが、これだけ有用なメディアのメリットを新聞社が自ら伝えられていないのが悪いと思っています。地方中小企業に関わる仕事をしているのであれば、新聞、特に日本経済新聞は必読。読んでいないということはそれだけで目を閉ざしているのと同じで、情報収集の感度を疑われても仕方ありません。
ブログを書く
インプットと同じくらい大事なのがアウトプットすること。情報を仕入れるだけでは思考の鍛錬をすることにはならなくて、自分の考えを可視化することで思考の軸が定まっていきます。
私のアウトプットはこのブログが中心。2022年5月24日から(内容のレベルはともかく)毎日更新し続けています。書き続けていると、それなりに慣れてくるもの。当初の記事なんて今から読み返すと肩に力が入っていて恥ずかしい内容のものが目立ちますが、自分への戒めとするためにそのまま残しています。この頃では1,700文字以上の記事をなんとなくまとめられるようになってきていて、自分の考えを文章で表現するスキルが身についてきたように感じています。
アウトプットの手段は人それぞれで良いと思っていて、動画が得意な人がいれば、音声メディアが得意な人もいることでしょう。大事なのは表現を続けること。継続することでアウトプットが習慣化されて、思考の軸が定まっていきます。
ブログを書き続けていると、自分のことをゼロから説明しなくても相手に理解してもらいやすくなります。もちろんブログを読んでくれている方に限った話です。士業のような無形の商品を提供する商売を営んでいるのであれば、誰かに媚びることなく自分の考えをブログに書き続けるというのは、独自の立ち位置を築くことに直結するのでお勧めです。
本を読む
「思考の軸」を持つために心がけている最後のことが読書です。本を読むのが好きで小説を中心になんでも読み漁っています。たまに教養書のようなものも手に取りますが積極的に読みたいわけではなくて、未読のままPDF化してしまっている本も多いです。
ビジネス書で一冊を挙げるとしたら、「世界標準の経営理論(入山章栄・ダイヤモンド社)」でしょう。煽情的なタイトルの薄っぺらいビジネス書(みたいな本)を読むくらいなら、これ一冊だけを繰り返し読むことを勧めます。顧問先の経営者さんにも手元に置くことを勧めているくらいです。経営の確度を高めるための理論を網羅的に学ぶことができます。私もちょうど読み返し始めたところで、800ページ以上のボリュームですが読みやすい文章で小説のように夢中になってしまいます。
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