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コラム

パターナリズムと中小企業支援

今日は土曜日なので最近考えていることを書いてみます。

日経産業新聞がとうとう休刊してしまった

購読し続けてきた日経産業新聞が29日を最後に休刊してしまいました。私にとって貴重な情報源だったので、少なからずがっかりしています。

休刊するくらいなので購読者はかなり少なかったのでしょう。新聞といえども営利企業が発行しているものなので、利益を得られていないのであれば継続できないのは当たり前。それにしても、これだけ効率よく世の中のことを広く浅くインプットできる媒体がその魅力を理解されていなかったとは残念です。

最後の日に保存したのは以下の記事。「眼光紙背」の執筆陣が渾身のコラムを寄せています。

(眼光紙背 筆者たちの提言) 先端技術と若者の感性に日本の未来
日本経済新聞 電子版 2024/3/29
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO79608230Y4A320C2X12000/

私がこうして保存した記事の一覧を眺めていると、日経産業新聞の記事が半数を超えています。その時々の自分の頭の中をのぞいているようで興味深いです。ちなみに日経産業新聞の記事で初めて保存したのが以下の記事。ちょうど中小企業支援家に転身するのが決まったタイミングで、日経産業新聞を購読し始めた頃のことです。自動車会社のファンを息長く育てる取り組みを紹介する内容です。

「脱・性能PR」スバル快走
日本経済新聞 電子版 2017/3/7
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO13719980W7A300C1XD2000/

4月からは代わりに日経ヴェリタスをしばらく購読してみることにします。

パターナリズムと中小企業支援

最近、日経新聞で刺さった記事は以下のものでした。

株高に潜む「父権主義」の罠
日本経済新聞 電子版 2024/3/28
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO79568800X20C24A3TCR000/

記事には「企業の関心は顧客より「お上頼み」になり、独自の思考もなくなる。イノベーションを追う株式市場はこの風潮を嫌う」などと書かれていて、中小企業支援に関わる人なら読んでもらいたいなと感じました。

中小企業支援というのは恒久的に行われるべきものではなくて、事業者の求めに応じて一時的になされるべきものだと思っています。事業者が稼ぐも稼がないも、第三者は放っておくのが本来の姿であって、補助金などを渡して下駄を履かせるのは市場を歪めることになりかねません。支援はあくまで一時的、かつ特例であるべきだと思っています。

中小企業支援家に転身して間もない時、ある新聞社の記者さんから取材を受ける機会がありました。その時、記者さんからの質問の1つに、「今後の展望は?」というものがありました。中小企業支援家としてどのように歩みたいかを尋ねられたものです。例えば、こうした成果を生み出したいとか、こういった事業者に寄り添いたいといった答えを期待されていたのでしょう。

その質問に対する私の答えは、「いつかはこの事業が無くなればよい」というもの。つまり、支援は永遠に続けるべきものではなくて、役目を果たしたのであれば、事業者の前からいなくなりたいというように考えていたのです。当時の考えは今でも変わりません。私は関与先に知恵やアイデアを提供していますが、事業者が成長し自力で力強く利益を生み出せにようになったのであれば、その時は私が去るべき時です。

支援機関などが既得権益の塊のようになっているのは論外。まともな支援を行うことができているのであれば、いつかは役割を終えるタイミングがやってくるはずなのです。事業者の真のお役に立てているのかどうかが重要で、支援のための支援になっていないか、我が身を振り返る必要があると思います。

進退伺

懐にはいつも進退伺を

関与先のために価値を提供する

今年度ももう終わり。週明けから新年度です。ありがたいことに、すべての関与先とのお付き合いは4月からも変わらず継続できることになっています。社会保険労務士の知り合いの発信を眺めていると、年度替わりのタイミングで顧問契約を解消されたなどと言う内容も見かけるので、すべての関与先から引き続き必要とされているのは幸せなことだと思っています。

ある地方中小企業の経営者とお話ししたときのことです。私はそれほど「濃い」支援をしているつもりはなかったのですが、経営者さんにとっては私と対話する時間が非常に有意義であったと喜んでもらっていることがわかりました。いつも当たり前のようにお話しをさせてもらっていると、私がどこまでお役に立てているのか、不安に思う時も多々ありますが、こうして改めて感謝の言葉をいただけると、また4月からも関与先のために価値を提供しなければいけないと思いを新たにしているところです。


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