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コラム

経営シミュレーションゲームをインストールしてみた

コーヒーチェーンを育てるゲームが脚光を浴びているという記事を目にしたので、さっそくインストールしてみました。まだインストールしただけなので、これからさらに気が向いたら触ってみようと思っています。

日経MJで紹介されていた「Coffee Inc 2」

スタバ超えろコーヒーインク
日本経済新聞 電子版 2024/3/22
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO79405700R20C24A3HF0A00/

リリースから2年が経って、最近、人気に火が付いているそう。日経MJで大きく取り上げられるくらいだからよほどのことなのでしょう。スマホでゲームをすることはまずありませんが、久しぶりに試してみたくなったのでダウンロードすることにしました。

初めにするのはロゴと店名を決めること。アメリカ在住の日本人の方が作っただけあって、まったく違和感なく進めることができます。今日のところはここまでしか試していませんが、リアルな経営シミュレーションゲームというだけでしばらく楽しめそうです。

創業を志す人などは、こうしたゲームから始めるのもよさそうですね。起業したこともない専門家らしき人から上から目線のアドバイスをもらうよりも、経営のリアルを少しは垣間見ることができそうです。

社会人になってからは、義務教育で教えてくれない知識も生きていくために必要になります。お金や不動産の知識などが代表的な例です。経営も同じ。かつての経営=お金儲けという誤った先入観を持つ人々が子どもへの教育から遠ざけていたのかもしれません。子どものうちから価値を利益に変える体験はしておいた方が良いと思っていて、もしゲームが役に立つならば効率的に経営を体感することができることでしょう。

自己実現と経営を混同するな

私が経営を学ぶことができたのは、家業で法人営業の部署に配属されたことがきっかけです。この時、ようやく「売る」だけではなく、「入金」されるまでが商売であると学ぶことができました。

その後、中小企業支援家に転身して多くの相談者と接するようになりましたが、自己実現と経営を混同している人が多いことに驚きました。「プチ起業」などという言葉が良くないのだと思っていて、「利益をどうやって生み出しますか?」と尋ねても満足に答えられない人がいます。まずはやりたいことをやるのが重要ではあるのだけれど、そこからどのように価値を認めてもらって、売上を頂戴するかという思考がすっぽりと抜け落ちている人が多いのです。

バトンズなど小規模M&Aプラットフォームの案件一覧を眺めていると気付くのが、その時々で同じような業種が大量に売りに出されていること。よく目にするのは美容系のサロン、和菓子やパンのフランチャイズ店、パーソナルジムといったところ。安直に始めたのはよいものの、思うような利益を生み出すことができずに売却しようとしているのだろうかと想像しています。

経営とは社会の期待を上回る価値を提供して利益を得て、手持ちの資金を増やすゲームみたいなものです。この本質をまずは掴んでおくのが重要だと信じています。

染め付けのカップに入っているコーヒー

コーヒーチェーンを経営するゲームだそうです

教科書を読んでも経営を100%成功させることはできない

先日、ある人が中小企業を支援する側の参考になるという本を紹介してくれました。その本を何回も読んでいるそうで、知識を生かして中小企業支援に役立てているとのことです。

その話を聞いて、私はちょっと違うなと感じてしまいました。参考書を手にしながら経営者と対話する経営コンサルタントってどうなのでしょうか。であるならば、その本を経営者自身に読ませた方が、ロスなく伝えるべきことを伝えられるのではないかと思ってしまうのです。そもそも参考書に頼らないと満足に仕事ができない経営コンサルタントは、地方中小企業の経営者から、あっという間に中身の薄さを見破られてしまうと思います。

また、経営者自身がビジネス書を読んだとしても、経営を100%成功させることなどできません。そんなことが可能になったら、世の中は名経営者だらけになっていることでしょう。何か知識を得た上で行動が伴わなくては成果に結びつけることはできません。ほとんどの人が満足に行動しないからこそ、経営に濃淡が生まれて多様な状況に陥ってしまうのでしょう。

リアルな経営シミュレーションゲームが役に立つとすれば、経営がまだどんなものだかをイメージをできていない人に対してでしょう。開業するにあたってこんなことを考えなければいけないだとか、売上がそのまま手元に残るお金になるわけではないだとか、リアルな商売の厳しさをほんの少し垣間見るにはこうしたゲームが役に立つのではないかと思います。


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