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コラム

士業マーケティング 講演の依頼が入るためにしていること

講演依頼のメールが2通立て続けに送られてきました。年に数回しか講演をしていないので珍しいことです。新年度に向けて予算が確定するなどして、講師の選定に入っているのでしょうか。講演の仕事を受注したいと考えている人のために、私が取り組んできたことを書いてみます。

人前で話す価値のあるコンテンツを用意する

まずは人前で話す価値のあるコンテンツを用意しましょう。どんなに講演をしたいと願っていても、価値のない台本しか持っていないのであれば声が掛かることはありません。報酬を支払ってでもぜひ聞きたいと思わせられるような台本が必要なのです。

私が自分のコンテンツの価値に気付いたのは、中央省庁での勉強会で話す機会をいただいたのがきっかけです。短い時間でしたが、家業を事業譲渡した経緯をお話ししたところ大変好評でした。窮境に陥っていた地方中小企業が、どのような経緯を経て投資ファンドに事業譲渡せざるを得なくなったかをざっくばらんにお伝えしたのがよかったのでしょう。現場の空気感を知りたがっていた官僚からは、「良い話を聞けた」などと喜んでもらうことができました。

教科書に書いてあるようなことを話そうとしたところで講演依頼に結びつかないのは、「希少性」というキーワードで理解できると思います。世の中で自分だけが話すことができるコンテンツがないか、これまでの経歴や職歴の棚卸しをしてみましょう。特に人は自分の成功体験を語りたがるものですが、他人の自慢話ほど鼻につくものはありません。過去の失敗体験や挫折からの学びをネタにできれば、独自の強力なコンテンツになり得ます。多くの人が失敗体験を隠そうとするからこそ、そこに希少性が生まれます。

講師派遣会社に登録する

次に講師派遣会社に登録していきます。多くの会社が講師登録フォームを用意しているので、求められる情報を登録していきます。共通しているのは氏名・住所などの他に、プロフィール、講演タイトル、プロフィール写真などでしょう。事前にそれぞれ用意しておくことで、効率よく登録を進めることができます。

今日メールをいただいた会社も以前から登録していた講師派遣会社からでした。これまでに取引をした実績は1回のみだったものの、定期的にプロフィールや実績を更新し続けてきました。いつか新しい依頼に繋がるようにと登録情報を更新しておいたおかげで今回の打診に繋がったのでしょう。

講演という無形のサービスではありますが、確かな価値を提供することで報酬を頂戴することができます。

私の場合、講演料は最初の頃は安く、その後はいただけた実績をベースに上げていっています。案件を受注したいと最初から最安値を提示することはなくて、私の場合は22万円を基本に「応相談」としています。

以前にある士業から、自分の顧客向けに講演して欲しいと連絡がありました。顧客向けの営利活動だと判断したので22万円を提示しましたが、ご納得いかなかったようで返信は無し。メールの文面からはどうやらボランティアかそれに近いものを求められていたようですが、先方の営利活動のためにこちらが自分を安売りする道理はありません。基本的に安さばかりを求める人とは付き合わないに限ると思っています。

宴会場のマイク

講演はあくまで副業です

講演はあくまで副業

「講演したことがある」というとちょっと生意気な感じです。過去の体験談をお話ししただけで、講演が何かを生み出すことはありません。講演はあくまで副業であって、本業での地に足の着いた活動があって初めて意味をなすものです。講演をしたいという気持ちは大事ですが、本業を疎かにしないようにしましょう。

ある人は毎日のように全国を飛び回って、高額の謝金を得て講演する日々でした。ところが不祥事をきっかけに、その講演ツアーはパタッと終わりを迎えました。あれだけチヤホヤされていたのに終わるのはあっけないものでした。今何をされているのかは知らないですが、講演の回数は激減しているはず。確かな価値を生み出す本業があれば何も問題はないのでしょうが、講演を入り口に高額案件を受注するビジネスモデルが破綻したのは確実。その人物が自ら関わった不祥事がきっかけとはいえ、講演という仕事のはかなさを垣間見てしまいました。


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