茶事の礼状を書いて考えたこと
昨日は茶事に呼ばれていました。堅苦しくない心温まる会で、茶道を習い始めてよかったと再認識することができました。年末におこなわれたお稽古の茶事では、お茶を点てることに精いっぱいで茶事がどんなものかぼんやりとしかわかりませんでした。今回は招いていただいた客のひとりとして、おいしい料理と共にお茶を楽しむことができました。
礼状はスピードが最も重要
帰宅後すぐに取り組んだのが礼状を書くこと。礼状で最も重要なのはスピードだと思っているので、茶事での楽しい時間がまだ記憶にはっきりと残っているうちに書き始めることにしました。ざっくりと下書きをしたらすぐに清書へ。筆ペンを使っているので書き間違えそうなものですが、集中していたせいか一回目で書き終えることができました。
かつて家業の代表取締役を務めていた時には中元・歳暮をいただく機会がありました。その時の礼状は妻に書いてもらっていたのですが、私からの要望は「とにかくさっさと投函すること」でした。季節の挨拶や字のきれいさが気になるらしいのを、急かすようにしていつも書いてもらっていたものです。
感謝の気持ちを伝えられて悪い感情を抱く人はいません。であるならば、できるだけ早くお伝えすればさらに喜んでもらえるはず。形式や見栄えを言い訳にずるずると時間を浪費せずに、礼状はさっさと書くに限ります。ポストへの投函も同様。ただでさえ郵便の配達日数が以前よりも延びているので、少しでも早く投函しないとそれだけ時間が掛かってしまいます。私が良く使う郵便ポストの回収時間は(なんとなく)頭に入っていて、タッチの差で回収されなかったなどということのないように心がけています。
字の汚さは気にしない
私が礼状を書くのに使っているのは筆ペンと巻紙です。ひどい悪筆なのが恥ずかしいのですが、開き直って気にしないことにしています。普段のメモも万年筆を使って書き殴っているくらい。メモを見られないように手で隠す人もいますが、私は相手にのぞき込まれても気にせずに堂々と書くようにしています。
きれいな字を書こうと意識するよりも、さらさらと書いた方が少しはまともな字になるのが不思議なところです。昨日の礼状も悪筆であることに変わりありませんが、なんとか書き終えることができました。
字をきれいに改善する気がないかというとそんなことはなくて、字をきれいに書くための本みたいなのを買っています。小学生の漢字練習帳みたいになっていて、ひらがななどをなぞって学ぶスタイルの本。PDF化してあり、iPad Proで勉強しようと思っているところ。礼状を書くたびに、そろそろ進めなければと思いつつ、ついつい後回しにしてしまっています。
言い訳としては、今、モールス信号をちょこちょこと勉強しているので、ひと段落するまでは他のことに意識が向きません。語学学習のような感じで取り組んでいるので、いつかモール信号での交信ができるまでに上達したら、次は字の書き方を改善しようと思っています(たぶん)。
会話も手紙もひと言添える
今回の茶事の招待状に返事を書いた時、市販の本のテンプレートを使ってしまいました。なんて書けばよいかわからなかったのです。ただ、先生からはやんわりとご意見をいただいてしまい反省することに。そこで礼状ではテンプレートは参考にしつつも、自分の言葉を付け加えておきました。どこをどう感じたかだとか、どういったことに感謝しているかといったことを具体的に書き添えることにしたのです。確かにテンプレートだけを参考にした礼状よりも、くっきりと立体感のある文章になりました。
よく考えてみたら、具体的なことに言及して感謝の気持ちを述べるというのは普段の経営者との対話でも私が心がけていることです。ちょっとした言葉を付け加えるだけで、経営者の反応が驚くほど変わるのは日々体感していること。例えば何かのお礼を述べる時に単に「ありがとうございます」で終えるのではなく、「こういったことが助かりました、ありがとうございました」と具体的に伝えるとお互い気分よく心を通わせることができるのです。
礼状だからといって難しく考えすぎることはなく、自分の言葉で表現することが何より重要なのだと学ぶことができました。今回の礼状を読んだ先生から、どんな感想をいただけるのか楽しみです。
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