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コラム

士業マーケティング 専門家に払う報酬を値切ってはいけない

先日ある専門家に仕事を依頼しました。報酬は2案提示されたうち、先方が得る金額が多い方を選びました。理由は望み通りの報酬を得て気持ちよく働いてもらいたいから。専門家に払う報酬について書いてみます。

値引きばかりを口にしていると相手にされなくなる

ありがたいことに、私が現在関わっている顧問先はすべて私からの提案通りに報酬をお支払いいただいています。これまでに解約をされたこともなく(条件変更はありましたが)、気持ちよく仕事をさせてもらっています。自分の提示した条件そのままを呑んでもらっているので当たり前と言えば当たり前ですが、世の中には何でも値引きを要求してくる人たちがいることを考えると本当にありがたいことだと思っています。

ある経営者と関わっていたときのことです。その経営者は率直に言って吝嗇。なんでもかんでも価格交渉をしてきます。「値引きして」が口癖で、率直に言ってできれば関わりたくない人物の一人でした。相手が値引きに応じて刹那的な利益を得られたとしても、長い目で見れば不利益をこうむるのは明らかです。なぜなら次回以降の交渉で値引き分を最初から加算されてしまうから。そんなことに気づかない人物が地方中小企業を経営しているとは驚きでした。「値引きして」と言われていつまでも言いなりに配慮できるはずもなく、その経営者との付き合いもそのうちに途絶えてしまうことになりました。

専門家に報酬を支払う時は値切らない

先日、ある専門家に仕事を依頼することになりました。先方からは2案を提示されて、私が好きな方を選んでくれれば良いと言います。そこで私から、「先生が気持ちよく働ける方でいいですよ」と申し上げたところ、先方に有利な案が選ばれたことは言うまでもありません。私からしたら専門家に仕事を依頼するのはプロフェッショナルの仕事をしてもらいたいから。誰でもできる仕事を安価に務めてもらうつもりはありません。多少の額の差くらいであれば、気持ちよく働いてもらえる条件で合意するように心がけています。

また別の専門家に仕事を依頼したときの話です。迅速に作業が完了し、その後に請求書が届いたのでネットバンキングで即座に振り込みを完了。その旨をお伝えしたところ「すぐにお支払いいただいてありがとうございます」と連絡がありました。請求書記載の支払い期限までに支払えばよいのでしょうが、私はできるだけ早くお支払することを心がけています。「入金されるまでが営業」なのですから、すぐに支払った方が喜ばれるのは当たり前のことです。気持ちよく仕事をしてもらったのであれば、せめて迅速にお支払いしたいと考えています。

請求書を作成するイメージ

紙の請求書を発行することもなくなりました

安い見積書を作成して後悔するな

独立開業したばかりの頃にありがちなのが、仕事を得ようと単価を下げてしまうこと。「独立開業して間もないから」とか「最初の1件を受注するために」と自分に言い訳をして割に合わない価格を提案してしまうのです。

無形の商品を取り扱っているからといって安売りは絶対に避けましょう。士業の一番の商品は、知識や資格ではなく自分自身。安直に安売りするということは自分の値打ちを下げてしまうことに他なりません。また最初に安売りしてしまうと、その単価が「相場」になってしまいます。後から正当(と思われる)価格を提示したとしても、最初の安売りの印象が消えることはなく割高感ばかりを相手に感じさせてしまうことになります。

ある時、そこそこ有名なメディアの関連会社から講演依頼がありました。諸条件を教えてくれとのことだったので、さっそく見積もりを作成。この時、「この会社からの講演を受注出来たらうれしいな」と考えて単価を下げようかと一瞬迷いましたが、いつも通りの金額を記載することにしました。しかし、いつまで経っても正式な依頼が届かず、どうやら失注してしまったようでした。

インフルエンサーでもなくメディアに露出しているわけでもないのに高額な講演料を要求してきやがった、と思われたのではないかとその時は後悔したものです。ところが2年近く経って忘れたころに正式な講演依頼が届きました。しっかりと自分の軸を持っていれば、価格などは関係なくご縁は繋がるものだと学びました。

自分の提供できる価値を信じているのであれば安売りする必要はありません。もし安売りしなければ選んでもらえないのであれば、見込客に価値が伝わっていないということ。営業に走る前に自分の真の強みを見極めるところに立ち戻りましょう。


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