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コラム

人は必ず誰かに見られている

見られていないと思っていても、どこかで誰かに見られているもの。立ち居振る舞いには気を付けていたいものです。

「一日で三回見かけましたよ」

先日、ある人から「一日に三回見かけましたよ」と声を掛けられてぎょっとしました。それまで挨拶くらいしか言葉を交わしたことのない人から言われたのでなおさらです。どうやら関与先のポップアップストアに出かけた日に、行き帰りのバスがたまたま一緒になった模様。降りたバス停まで憶えていらして、こちらが狼狽してしまいました。

「うわ、恥ずかしいです!」とお返事したものの、率直に言ってあまり良い気分にはなりませんでした。見かけたならその場で声を掛けて欲しかったし、数日経ってから他の人もいる前で言われても反応に困ります。私ならどのように対応したことだろうとしばらくモヤモヤしてしまいました。バスの中で視線が合ったら軽く会釈する程度にするし、降りたバス停がどこだったかなどはあえて口にする必要はないこと。「ちょっと参ったな」と感じてしまった出来事でした。

また、家業の代表取締役を務めていた時のこと。あまり親しくもない顔見知り程度の経営者から「昨日の夜は楽しそうに歩いていましたね」と声を掛けられてしまったことがあります。そういえば前の晩は従業員と飲み歩いていたので、その時の様子を目撃されていたのでしょう。「だったらその時に挨拶してくれよ」と思ったのですが、先方も遠慮して声を掛けないようにしたのかもしれません。これが泥酔していた日であったらと考えたらゾッとしたことを憶えています。

人はどこかで必ず誰かに見られているもの。特に経営者や自営業であるならば24時間オフタイムはありません。どちらも、いつもどこかで誰かの視線を浴びているつもりで行動しなくてはいけないなと考えた出来事でした。

悪意のある人物もどこかで目を光らせている(と思っている)

このブログは喫茶店で書いているところですが、たまにパソコンを無防備に開いている人がいて驚きます。誰かに見られても良い状況なのでしょうが、なんとなく画面に目が行ってしまうとこちらが心配になってしまいます。またトイレなどで離席する時に荷物をそのままにしていく人もいて、セキュリティ上どうなのかなと感じることもしばしばです。

私は喫茶店や新幹線などで離席するときには貴重品は必ず身につけて移動します。万一、盗られてしまっても構わない荷物だけを置いていくようにしているのです。財布やカギなどが入ったサブバッグ、パソコンなどはもちろん置きっぱなしにすることはありません。悪い人というのはどこにも必ず存在するものだと思っていて、こちらが油断している隙をじっと探しています。

以前に父親が新幹線で寝入っている隙に財布をすられたことがあるそう。その時は中身だけを抜かれたのですぐに被害に気付かず警察に行くことはなく、後から冷静に考えたら盗難に遭ったのだと理解できたようです。また私もシーカヤックで遊んだ帰りの銭湯で、ロッカーに入れておいた財布から現金を抜かれたことがあります。父と同じようにすべてを盗られたわけではないのでおかしいなと思いつつ帰宅してしまい、後からやはり盗られたに違いないと気付きました。そうしたことがあってから、貴重品は必ず体から離さないようにしています。

坂道をすれ違う乗用車

クルマを運転していても誰かに見られているものです

従業員は経営者を静かに見ている

会社を経営していると、従業員も経営者をじっと観察していることに気付きます。経営者の立ち居振る舞いを彼ら彼女たちは意識せずともしっかりと観察しているのです。

きちんと会社に向き合っているのであれば、何も心配はありませんが、事業を疎かにしていたり、従業員の声に耳を澄まそうとしなかったりすれば、それは敏感に従業員に伝わります。いわば経営者の心のもちようを従業員は見定めようとしているわけで、「一国一城の主」でなく「お山の大将」になってしまっていないか自問自答しなくてはいけません。

事業が窮境に陥っている経営者に多いのが従業員を避けてしまうこと。きちんと処遇できていない後ろめたさがあるからなのか、従業員の視線にしっかりと目を合わせようとしないのです。私は苦しい時ほど従業員と真っ正面から向き合うべきだと考えています。地方中小企業の経営者と従業員の距離は近いものです。内面も含めて従業員に常に見定められていると自覚しましょう。


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