信用情報へのアンテナを張る
立て続けに信用情報に関わるあれやこれやがありました。信用情報との向き合い方について書いてみます。
「東京商工リサーチ企業情報」を取得した
かつて関わった企業の信用情報を取得したくなったので「東京商工リサーチ企業情報」を購入しました。もう離れたとはいえ現状がどうなっているか気になったので、会社の基礎的な情報を得る必要があったのです。
さっそく取得してみたところ、現在の役員構成や直近の売上・利益を大まかに把握することができました。売上は私が関わっていた頃から半分以下に減少していて、さらに数字が記載されている過去3期は連続で大きな赤字を計上しています。これだけ事業の規模が縮小しながら存続しているのは、金融機関以外のどこかから資金の融通を受けているのでしょう。それがいつまで続くのかわかりませんが、少なくとも現状を数字で確認することができました。
今回のように、ちょっと気になったら信用情報をすぐに取得するというのを心がけています。「売上が下がっているらしい」「取締役が替わったらしい」などといった噂は当てにならないもの。調べられるのであれば、多少のコストを掛けてでも正しい(と思われる)情報を手に入れればよいのです。特に地方中小企業に関わる人がどんな人物であるかはネットで検索しただけでは十分にわかりません。信用情報に記載されている取締役の名前などを検索することで、限られた範囲ではありますがどういった繋がりのある会社なのか雰囲気を知ることができます。
せいぜい数千円もしないで簡易とはいえデータを得られるのだから安いものです。取引先や関わる企業の現況を正しく把握し、自社の打ち手に生かしたいものです。
最後は自分の直感を信じる
先日、名前だけ知っていた企業が破産手続きをすることになりそうだとの情報を得ました。公表されていた事業内容を見る限り、社名と事業内容がアンバランスで妙に気になっていた事業者です。いろいろ周りに迷惑をまき散らしているようで、経営破綻の在り方としては好ましくなさそう。私が関わる企業でなくてほっとしているくらいです。名は体を表すとは良く言ったもので、社名について検討するのも決した無駄なことではありません。
また、ある地方中小企業の経営者から別企業を紹介されて、ぜひ関与して欲しいと依頼されたことがあります。事業内容を聞いてもカタカナ語ばかりで何がなにやらわかりません。信用情報はもちろん、様々な情報を収集しましたが、決め手となったのは所在地と事業内容がちぐはぐであったこと。話だけを聞いていると立派な事業を営んでいるようなのですが、所在地を確認すると築数十年のボロアパート。何かの理由があって一時的に本店所在地を移す必要があったにしても、あまりにも不自然な物件です。必死で便宜を図ってもらおうとする言葉もどこか怪しく感じられるようになり、得体のしれない会社と付き合うつもりはまったくないこともあって、最後は丁寧にお断りしてしました。
ある法人が地に足を付けた活動を行っているかどうかを見極めるには、最後は自分の直感に頼るしかありません。信用情報で基礎的な情報を得つつ、その情報からどういった結論を導き出すかは人それぞれの判断力が問われます。
怪しい人とは断固、距離を取る
怪しい人とは断固、距離を取るのが私のスタンス。得体のしれないことに関わっている人物とは一切関わらないようにしています。そんな人物と付き合ってしまうと、何より自分の信用を棄損してしまうからです。
そうした人物は怒らせるとろくなことにならないので、やんわりと距離を置いてフェードアウトしていくのが一番。こちらがうさん臭く感じていると悟られないようにしなくてはいけません。また、そうした人物がどんなに周囲から評価を得ていたとしても自分の直感を信じることが大事。議員であろうが、公務員であろうが、大企業OBOGであろうが、ダメと決めたら付き合わないに限ります。
距離を取るという判断は速いに越したことがなくて、私は周りが驚くほど早い段階で決断してしまいます。ある人物が金銭にまつわる不正に関わったことが明らかになった時には、複数の関係者がまだ躊躇している間にさっさとご縁を断つことを決めました。金銭絡みの不正に関わる人物なんて改心するはずがないのです。
事業を営んでいると様々な人と関わり合うことになり、残念ながらすべての人がまっとうなことはなく、一定の割合で残念な人も混ざりこんでしまいます。自分なりの信用情報のアンテナを感度良く掲げておき、いざという時には躊躇無く行動するようにしています。
ポッドキャスト「茶わん屋の十四代目 商いラジオ」を毎週金曜日10:00に配信しています
関連記事