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コラム

ひとり自営業で気を付けていること

確定申告の時期ということもあり、自営業らしく昨年の仕事を振り返っています。どのようなことに気を付けて事業を営んでいるかを書いてみます。

やりたくないことをやらない

ひとり自営業の稼ぎ手は自分一人のみです。売上を作ろうと考えると、あれもこれも手を拡げたくなる人もいるかもしれません。私は反対に、やりたくないことには絶対に手を付けないように意識しています。

やらないと決めていることの一つが社会保険労務士の定型業務。社会保険の手続き代行や給与計算などは受けないことにしています。そもそも実務経験に乏しいので顧客に満足してもらえるレベルの価値を提供できないですし、何より正確な事務作業を期限までに完遂しなくてはいけないというのが性に合いません。向いていない(と思われる)からやらない、それだけのことです。

他にも、感性の合わない人との仕事は遠慮するようにしています。どんなに経済条件の良い案件であったとしても、感性の合わない人とは組まないことにしているのです。目先の金銭に目が眩んで仕事を選ぶとおそらくろくでもない結果になるだけ。であるならば、最初から関わらないようにするのが一番です。感性の合わない人をかぎ分けるアンテナは自分でも鋭いものを持っていると思っています。家業を離れてからは特に様々な「邪悪」な人との出会いがありました。家業という温室で社会人人生を歩み始めた私にとってはそのたびに衝撃を受ける連続でしたが、良い社会勉強になりました。

ひとり自営業は何をするかしないかを自分で自由に決めることができます。だからこそ大事なのは「やらないことを決める」ことです。勇気を持って、足を踏み入れない領域を定めておけば、思わぬ事故に巻き込まれる可能性を減らすことができると信じています。

入金されるまでが営業

家業の法人営業の部署に配属された初日に教えられたのが「入金を確認するまでが営業の仕事である」ということ。相手がどんなに大会社であっても油断せずに、営業担当として入金を確認するように指導されました。

もちろん今でも入金予定日に銀行口座を確認することを続けています。有りがたいことに深刻な入金遅れなどが発生する顧問先はゼロですが、それでも確認しないと落ち着きません。入金日を意識して事業を営むというのは、つまり資金繰り予測表を頭に叩き込んでいるということ。ひとり自営業の場合は事業だけでなく家計の資金繰りも同時に意識しなくてはならないわけで、かつては出と入りを合わせて年間100億円の資金を気にしていたように、今でもそのはるかに小さい規模ですが資金管理を徹底しています。

地方中小企業の経営者で特に研究者タイプの人に多いのが、資金繰りの状況を把握していない人です。売上と手元のお金しか見ていないようで、深刻な状況になって初めて資金不足であることに気付くようです。お金の出と入りを把握できていないのです。こうした経営者には自ら資金繰り予測表を作るようにアドバイスをしています。もちろん支援を受けるための資料を作成しなくてはいけないという理由があるのですが、会社のお金の出と入りを数字で把握してもらうためにも自分で手を動かして資金繰り予測表を作ってもらいたいと考えています。

青果店の店頭

ひとり自営業って自由ですよね

情報発信を継続する

ひとり自営業が仕事を受託するために必要なのは、「知ってもらうこと」に尽きます。もちろん、業務を遂行するための技術を保有しているのはすべての大前提。その上で、見込客に選んでもらうためにもまずは知ってもらうことからすべてが始まります。知ってもらうためにはボケッと待っていても気付いてもらえることはなくて、自分から情報発信をする必要があります。見込客の困りごとを解決できると、こちらから発信するのです。

知り合いの士業に声を掛けようかと思い立った時のことです。しばらく連絡を取っていなかったのでウェブサイトを覗いてみることに。ブログも書いていたはずなので、最近の動向がわかるはずと期待していました。ところが残念なことにウェブサイトはしばらく更新されていない雰囲気で、ブログのリンクも途切れてしまっています。情報発信する必要がないくらい忙しい可能性もありますが、率直に言って印象はよくありません。その時はお声がけするのを見合わせることにしてしまいました。

ひとり自営業であればなおさら情報発信は欠かすことができません。信用力に乏しい存在だからこそ、積極的に自己開示をして見込客の不安を信用に変えるようにする必要があります。

今日は金曜日で私のポッドキャストの配信日です。今回が41回目。昨年5月から始めてそろそろ1周年が見えてきたタイミングです。また、このブログは毎日更新していて、このところGoogleの検索結果のせいかSEO的な数値も上昇傾向。特定の数値を増やそうと意識していることはありませんが、それでもひと目に触れる機会が増えているらしいのはうれしいことです。私自身もひとり自営業として情報発信には継続して取り組んでいます。


ポッドキャスト「茶わん屋の十四代目 商いラジオ」を毎週金曜日10:00に配信しています

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