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コラム

士業マーケティング 時間の主導権を握るために心がけていること

おかげさまで2月の予定が確定しました。零細自営業の私がどう日程調整しているかを含めて、時間に振り回されない働き方をどのように実現しているかを書いてみます。

関与先の数をむやみに増やさない

1日24時間、1年365日は誰にも平等に与えられた条件です。この条件下で効率よく活動する必要があるので、何も考えずに行動していると時間に振り回されることになりかねません。例えば、夜遅くまで作業に追われて、睡眠不足のまま翌朝早くから顧問先へ納品に向かう、といったような働き方は私の理想とするところではありません。自分の時間は自分が主導権を握って管理したいと強く願っていて、そのために留意していることがあります。

私が心がけているのは関与先の数を増やしすぎないこと。売上を増やすことだけ考えれば関与先の数は多ければ多いほど良いのでしょうが、それでは時間に振り回される可能性が高まります。18時には自宅に帰っていたいですし、帰宅してから事務仕事に追われるようなことも望んでいません。関与先の数を(ある程度)絞ることで時間の主導権を自分が握ることができます。贅沢なことを言っているようですが、顧客をむやみに増やしたところで感性の合わない経営者と出会う可能性は高まりますし、さらに新規顧客を増やすことばかりに目を向けていると既存顧客との関係性が薄れてしまいがち。勇気を持って関与先の数を絞ることも選択肢の一つなのです。

関与先の数を絞ると同時にしなくてはいけないのが、客単価を下げない工夫です。客数が少ないので単価を多めにいただかないと経営を回すことができなくなります。世の中に多くいる競合よりも高めの価格を設定するというのは勇気がいること。でも独自の立ち位置さえ築くことができていれば、価格交渉をせずに価値を提供することが可能になります。

私が言う「独自の立ち位置」とは、自分の真の強みを掛け合わせて、競合が安易に真似できない存在になること。例えば、社会保険労務士という看板だけであれば全国に数万人も存在しているわけで、資格だけでは見込客から選ばれる理由にはなりません。わざわざ多くの競合の中から選ばれる理由を意識して作ることが士業に必要なブランディングです。

時間に追われる仕事を手掛けない

私は社会保険労務士の看板を掲げていますが、給与計算や社会保険手続きの代行などのいわゆる定型業務は取り扱っていません。そもそも実務経験がないので業務遂行能力に乏しいというのが大きく、たまにお声がけをいただいても「手続き業務は受けていません、ごめんなさい」と断ってしまっています。

くれぐれも誤解を受けないために書いておくと、定型業務が悪いとか、受けてはいけないなどとはまったく考えていません。HRテックが普及して企業での内製化が進む流れにあるとは思いますが、地方中小企業ではそこまで手間を掛けられないのが実態。定型業務を事業の柱に据えるというならそれはそれで経営戦略でしょう。

私が定型業務を手掛けないもう一つの理由は「締め切りに振り回されたくないから」です。例えば給与計算業務であれば、毎月の給与支給日から逆算して締切日までに「絶対」にデータを納品しなくてはいけないとか、私にとっては窮屈以外の何物でもありません。

同じ時間を費やして価値を生み出そうとするのであれば、自分の独自の立ち位置を生かしたいと思います。

博多駅前の時計

時間に振り回されないように働きたいです

日程調整を能動的に行う

ちょうど先ほど2月の予定がすべて確定しました。うるう年なので今年の2月は29日まであります。早い予定は12月から入れていて、移動の関係で調整が必要な案件を最後に確定させることができました。

日程調整で心がけているのは、関係先の予定が入る前にこちらから選択肢を提示してしまうこと。相手の都合にも最大限配慮したい気持ちは持っていますが、もし可能であるならば先にこちらから選択肢を提示し、能動的に日程調整することを目指しています。

例えば、拘束時間が長い関係先の予定は早め早めに入れてしまうようにし、また組み合わせることで移動が効率よくなる関係先は針の穴を通すような調整をして日程を決めていきます。自営業に移行してからこれまでのところ、予定を変更したのは私が体調不良になった時の一回のみ。といっても、急遽リモートに変更してもらい、日時を動かさずに経営者との対話を実施することができました。

経営者にとって時間は効率よく使わなければいけない資産の一つ。漫然と時計の針が進むのを眺めることなく、主導権を自分で保持できるように行動しましょう。


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