地方中小企業が持続可能性を高めるための踏み台になります

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コラム

日経電子版で保存した記事(2024年1月)

日経電子版で保存した記事の中から、ここ最近で気になったものを紹介し、私の考えや連想したことを書いてみます。

企業の成長とM&A(5) 買収後に問われる経営力

日本経済新聞 電子版 2023/12/22
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77145830R21C23A2KE8000/

記事でさらっと書かれていますが「買収前の入念なデューデリジェンス(資産査定)も、時間をかけた交渉も成功を保証しません」というのは、私も家業の代表取締役を務めていた時に似たようなことを何度も感じました。銀行職員や公認会計士だからといって経営の解を持ち合わせているわけではありません。彼ら彼女たちは、往々にして、教科書に書いてあるような建前を振りかざしがちで、情報を取捨選択して進む道を決めるのは経営者だけができることです。

支援という名の下に様々な専門家が地方中小企業に寄ってきますが、本質的な部分を見極めて用いることが重要。刹那的な支援に振り回されて、地に足を着けた経営がおざなりになるのでは本末転倒です。

役員候補のスキルに目を向けよ

日本経済新聞 電子版 2023/12/25
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77181160S3A221C2KE8000/

取締役等の広義の役員は、従業員の「上がりポジション」ではありません。長年貢献してきた従業員に報いたいのであれば、また別の方法を考えるべき。役員候補のスキルを無視して選任してしまうと、会社にも本人にも悲劇が訪れます。

ざっくりいえば、役員は最後の一人になっても、事業を継続させる覚悟とスキルを持ち合わせていなければなりません。地方中小企業にありがちなのが、名前だけ名を連ねている親戚関係や、部長・本部長の次になんとなく昇進した従業員出身の役員。彼ら彼女たちに覚悟が備わっているかどうかを、オーナー・経営者は冷静に見定めましょう。

(売れる営業) 販売から設置、1人でお任せ 「セールスエンジニア」販売額1位

日本経済新聞 電子版 2024/1/1
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77347360Y3A221C2XXA000/

この「売れる営業」という連載は様々な業種の優秀な営業担当者を紹介しているもの。どのように顧客に向き合って結果を出しているかを、これまでの経験などから伝えてくれます。

興味深いのが、毎回、同じような行動をしている人が取り上げられていることです。何かを売りつけようとする前に顧客の声に耳を澄ませ、顧客の課題を把握してから商品・サービスの提案を始めています。商売は顧客課題の解決に資するものという、ごく当たり前だけれども、多くの人が忘れがちな真理を思い出させてくれる連載です。

武藤敏郎(4) 開成学園

日本経済新聞 電子版 2024/1/5
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77418590U4A100C2BC8000/

母校ボート部と開成高校との対校戦について触れられていました。私もその対校戦には出させてもらいましたが、勝利の瞬間は今でもくっきりと覚えています。何かに集中して取り組み、何がなんでも成果を掴み取るという行動をしたのはその時が初めて。卒業後に学生コーチとして関わったことも含めて、私の原点です。

戸田漕艇場の0m付近

高校最後のレースで勝ててよかったです

キャリアをマーケティングせよ

日本経済新聞 電子版 2024/1/10
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77512440Z00C24A1KE8000/

私は2回の転職を経験していますが、いずれも自分をどう伝えるかについてはよく考えて行動したつもりです。自分にとっては当たり前の人生であっても、見る人が見れば面白い経験をしてきたように理解してくれます。

記事では「マーケティング戦略において、商品を市場で魅力的に見せる方法と同様に、自分自身も市場でどのように魅力的な存在として位置付けられるかが重要である」と書かれています。まったく同感で、社会人人生を歩んでいるのであれば、自分がどのような価値を生み出すことができるかを理解してもらうことで、望むような処遇を手に入れることが実現します。

インテル衰退の教訓 「戦略転換点」逃す恐ろしさ

日本経済新聞 電子版 2024/1/15
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77652440U4A110C2TB0000/

江戸時代から続く家業を投資ファンドに事業譲渡した経緯を講演していると、「いつ何をしていれば破綻を防ぐことができたと考えているか」といった質問を受けることがあります。こうした質問にどこまで意味があるのかは疑問です。後知恵で何かを語ったところで過去が変わることはありませんから。

でもあえて答えるとすれば「事業がピークに差し掛かる前に、新規事業の立ち上げに本気で取り組んでおくべきであった」と返答するようにしています。どんなに優秀な事業であっても永遠に存続することなどなくて、いつか必ず衰退するのは明らかなこと。であるならば、既存事業に依存し続けるのではなく、同時並行で新規事業に取り組むべきだったと思います。

経営に携わっていて「あの時ああしていればよかった」と考えることほど空しいことはありません。地方中小企業の経営者には明日がやってくることの有りがたさを認識して、後悔のないように経営してほしいと願っています。


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