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コラム

人は見たいものだけを見ようとする

今日は日曜日なので最近考えていることをつらつらと書いてみようと思います。

モールス信号の勉強を再開した

アマチュア無線の免許を持っていますが、それほど熱心に交信を楽しんでいるわけではありません。出張時に無線機を持ち運んで他の人の交信やラジオを聞くくらいです。ところが年始から地震があったので、非常通信でモールス信号を使った交信ができるようになりたいと思いつきました。以前にも符号を覚える程度の勉強はしていたので、真っ新な状態からのスタートではありません。少し時間が経ってしまっているので、数字や記号も含めた聞き取りから勉強を再開しようと始めたところです。

スマホ全盛の現代でアマチュア無線、さらにモールス信号というのがどれだけ緊急時に役立つのかは正直言って疑問ですが、通信手段の選択肢は複数あった方が良いと考えています。何より頭の体操にもなりますし。今回は実際に交信できるところまで勉強を続けてみようと決意しています。音声での通信は全く知らない人と会話ができる楽しさもあるのですが、お話しする行為自体に少し負担感があるのも事実。一方でモールス通信であれば、声を発することなく通信できます。趣味で気疲れしてしまっては意味がわからないので、モールス通信を身につけてアマチュア無線をさらに楽しんでみようと思います。

モールス信号愛好家のグループがあり、私も名前だけ連ねています。初心者の育成にも熱心なクラブなので、先輩達にオンラインで指導してもらおうとお願いしているところ。Zoomを使って電波を出さずにトレーニングをしてくれるそうで便利なものです。

新しいことに挑戦するのはいつでも楽しいもの。今まで見ることができなかった体験をすることができるので何よりの刺激になります。居心地の良いところだけに留まる誘惑に負けずに、今年も一歩踏み出す勇気を持ちたいと思っています。

事業の成長のバトンを繫ぐ

人は見たいものだけを見ようとするもの。偏った情報だけに接していると、成長につながる刺激、知識や情報は得られません。だからこそ年齢に関係なく、新しいことに挑戦し続けなくてはいけないのは会社も同じです。何も動かなければ現状維持すらできずに退化していくのです。

私が顧問先でよくお話しすることの一つが既存事業にいつまでもしがみつかずに、事業の成長のバトンを繫ぐ必要があるということ。どんなに強力な既存事業であっても、未来永劫いつまでも現金を生み出してくれるなどということはありません。であるならば、事業がピークを迎える前から次の事業を育て始めておかなければいけません。

この発想は基本的には従業員が理解できるものではありません。昨日と同じ業務をしていれば、毎月同じように給料が振り込まれるのが雇われる立場の特権。会社を存続させるために常に挑戦し続けなければいけないと覚悟することができるのは、経営者とごく一部の幹部くらいなものでしょう。

ある顧問先では既存事業がすでにじり貧状態。毎月の数字を尋ねる度に担当者からは「厳しいです」という言葉が返ってきます。それでも仕組み化されて日銭が入ってくるので、すぐに売上がゼロになることはありません。だからこそ、穏やかに過ぎる日常を当たり前と誤解してしまい、気付いた時には事業の存続が危ぶまれる状態になってしまうのです(ゆでガエル状態というやつ)。この会社の経営者には「既存事業はそのうち確実に消える、その前に次の稼ぎ頭となる事業を立ち上げよう」と提案しているところです。

アマチュア無線機と電鍵

モールス通信をできるようになりたいです

経営者は孤独

私のように顧問や社外取締役として地方中小企業に関わると、基本的に業務執行を担うことはありません。日々の業務は経営者以下の従業員で実施してもらうのは当たり前のことです。ただし、窮境に陥りかけると経営者が思考を放棄してしまいがち。業務執行のトップが機能しなくなるとあっという間に失速してしまいます。何でもかんでも細かなことまでアドバイスを求めてくるようになるのがそのサインで、置かれた状況下で自分の手元にあるカードを見極め、判断を下し続けるプレッシャーに押しつぶされそうになっているのでしょう。

私自身も資金が尽きようとしている家業を率いていた経験があるので彼ら彼女たちの気持ちは良く理解できるつもりです。そんなときに伝えるのが「取締役会メンバーは経営者の応援団である」ということ。経営者に取って代わることはできませんが、一番の応援団として最後の最後までどんなことがあっても離れずについていくと伝えてあげるのです。最後の一人になったとしても事業を存続させなければいけないのが経営者。でも一人にはさせませんよと伝えてあげるのです。

経営の専門家らしき人は多いですが、経営者の孤独を理解できる人は少ないことでしょう。教科書に書いてあることではありませんから。私が関わる企業ではどんなことがあっても経営者に寄り添い続けようと固く心に決めています。


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