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コラム

士業マーケティング 広告費の使い方

Facebookのタイムラインに、ある士業事務所のネット広告が繰り返し表示されています。残念なことにどうやらフォロワーは増えていない様子。断言はできませんが、上手な広告費の使い方ではなさそうです。士業事務所の広告費について考えてみます。

ネット広告は魔法の杖ではない

私はネット広告を使っていません。どんなものかと課金したことはありますが、あくまで体験するのが目的だったのでほんの少し使っただけです。

ネット広告に出稿した場合、クリックしてもらった後に成約に繋げる仕掛けが必要。この導線作りがほとんどできていない事務所が多いのにはびっくりです。普通の事務所ウェブサイトにリンクが飛ぶようにしているところもあったりして、それでは成約に繋がらないだろうなと眺めています。

せっかく広告費を使っているのに、クリック後の仕掛けがなければ売上に結びつくことはありません。ネット広告の出稿はあくまで入り口。ランディングページを用意したり、個人情報と引き換えにダウンロード可能な資料を提供したり。無料あるいは有料のセミナーを導線として用意しなくてはいけません。この手間を掛けられないのであれば、ネット広告はやめておいた方が良いです。

ネット広告は魔法の杖ではありません。お金を掛けて出稿さえすれば問い合わせが殺到するなんて事はなく、周到な設計と準備が必要です。簡単に出稿できるから惑わされる人が現れてしまうのでしょうが、このあたりの現実は冷静に直視しておきたいものです。

情報発信による集客が効率が良い理由

私はネット広告の代わりにブログとポッドキャストでの情報発信に力を入れています。ネット広告はお金を消費していくだけですが、情報発信はコンテンツが蓄積されていくので複利のように効果を発揮してくれます。

このブログの記事が今のところ592本、そしてポッドキャストは36回。アップロードした瞬間だけ効果を発揮するのではなく、ネット上に存在している限りは私の代わりに営業をし続けてくれています。私にとっては毎日1〜2時間くらい掛かる作業も妙な負担感を感じることはなく、効果を実感しているからこそこつこつと発信を継続することができています。

発信をせずに見込客に選ばれようなどと考えるのは虫が良すぎます。全国に何万人もの同業者がいるからこそ、独自の立ち位置を築いて、その根拠を伝える作業が必要です。情報発信というと「何を発信すれば良いかわからない」「ネタが思い浮かばない」「知り合いに見られたら恥ずかしい」「炎上してしまうかもしれない」などと取り組む前から後ろ向きな人が多いです。そんな人ばかりだからこそ、広告宣伝のために情報発信をすぐにでも始めましょう。最初は反応がなくて当たり前。しかし顧客課題を解決できる確かな価値を伝え続けていれば、必ずいつか反応が返ってきます。

博打のようにネット広告を使うくらいであれば、まずは自己開示を始めましょう。

「製作中」のビル看板

ネット広告は魔法の杖ではありません

他のウェブサイトを運営する理由

私が最近試しているのが他のウェブサイトからの導線作りです。緩やかに中小企業支援に関係のあるウェブサイトを購入し、こつこつと運営しています。広告費と考えて購入してみましたが、今のところは目論見通り。事務所ウェブサイトへの流入数を増やすことができています。

ウェブサイトは必要がなくなったら売却することが可能です。ネット広告であれば費用が流出していくだけですが、無形資産を保有しているようなものなので換金することができます。Googleアドセンスも使っているので額はわずかですが収入にもなります。広告費の使い方として他ウェブサイトを購入することは効率が良さそうだと実感し始めているところです。

まだ何者でもない開業したばかりの士業は、ネット広告など使っても簡単に効果を体感できることはないでしょう。業者を使ってウェブサイトやランディングページを用意したら、出稿に要する費用がさらに増えてしまうことになります。「凡事徹底、商売に奇策無し」というのは士業事務所経営にも当てはまることで、楽をして見込客からの問い合わせが殺到するなんてことはありえません。安直な手段に惑わされずに、見込客に気付いてもらえる仕組みを整えましょう。


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