ポッドキャストの収録で何を話すか(2023年12月)
今年最後の収録が近づいてきました。何を話そうとしているかまとめてみます。
やりたいことがあるだけで幸せ
起業の相談を受けた時に真っ先にお伝えしているのが「やりたいことがあるだけで幸せですよ」ということ。起業するというと「事業計画を作らなくてはいけない」だとか、「資本金を用意しなくてはいけない」だとかといったことに頭を悩ませがち。さらには何から手を付けたらよいかわからないと言って、なかなか一歩を踏み出せない人も。そんな人には、困難なことばかりに思考を向けることなく、ぜひその夢を実現できるように行動してくださいとお伝えしています。
先日、創業を志している学生とお話しする機会がありました。まだ計画らしいものもなく、何にいくらかかるのかも把握していない様子。それでも私からしたら他の多くの夢すら持たない人と比べたら幸せそうに見えます。彼にはその幸せを当たり前と考えずに、ぜひ具体的に行動してほしいとアドバイスしたところです。
「なにかできたら良いな」と考える人は多いものですが、具体的に一歩を踏み出す人はごくわずかです。行動した人だけが夢を実現できるわけで、事業計画をこねくり回すことに時間を使うくらいなら、まずは一歩を踏み出してほしいと思っています。
取締役に必要な覚悟
取締役に必要な覚悟は大きく二つあると思っています。
一つは職を賭けてでも経営者に諫言する勇気を持つこと。経営者のご機嫌を取るだけの取締役なんて必要なくて、いざという時には首になるのを覚悟で意見しなくてはなりません。私が社外取締役として関わる会社では、嫌われるのを覚悟で意見し続けています。
もう一つは、取締役は経営者の一番の応援団であるべきだということ。非常時にはためらわずに諫言する覚悟を持ちつつ、通常時は経営者をサポートする役割が求められます。雇われる立場とは違うので、指示待ちの取締役などありえません。経営者の選択肢を増やすために、創造的な仕事をすることが求められます。
取締役は雇われる立場の人の「上がりポジション」ではありません。取締役会メンバーとして経営に責任を持つことになります。選ぶ側も選ばれる側も取締役の役割を正しく認識してほしいと思います。
集客に手間を掛ける
先日、顧問先の経営者にお話ししたことです。新商品を作っただけで売れることはなく、ポップアップストアを出しただけで顧客が列を作ることもありません。知ってもらうための努力をせずに集客は実現しないのです。特に新商品を作りっぱなしにして営業を怠る人のなんと多いことか。消費者に届けきるまで行動し続ける必要があります。
私からアドバイスしたのは、顧客名簿を使って営業すること。これまで関わりのあった人へメッセージやDMを個別に送るのです。そう伝えると経営者は顔色を曇らせました。顧客名簿をそもそも整備できていないのと、これまでこうしたドブ板営業を手掛けたことがないので面倒くさいのでしょうか。しかしこれらの手間を掛けるか掛けないかが分かれ目になります。
営業の基本になるのは顧客名簿。いざというときにご案内をするための「生きた顧客名簿」とするためにも、日頃から整備しておきたいものです。
稼がないと生き残れない
ある経営者とお話ししたときに「稼げないと生き残れない」という言葉を聞きました。創業当初は補助金や投資を受けることばかりを考えていたが、そのうちに売上から現金を生み出すことが何より重要だと気付いたとのこと。商売の本質です。
反対にある経営者は営業活動をすることなく、補助金の最新情報ばかりを探しています。「何か良い補助金はないか?」が口癖になってしまっていて、さらには「補助金をもらうためにはどうすればよいか」などと言い出す始末。補助金に事業が振り回されるという本末転倒の状況になってしまっています。
補助金というと天から降ってくるお金と勘違いしがちですが、あくまで補助。使えるものなら使えば良いのですが、次から次へと補助金を探し続ける経営は健全ではありません。補助金に振り回されるくらいなら、営業することに時間と労力をかけるべきです。
補助金をもらうために膨大な事務の手間をかけるのか、商品やサービスを顧客に届けて利益を得るのか。もちろん後者が商売です。
ポッドキャスト「茶わん屋の十四代目 商いラジオ」を毎週金曜日10:00に配信しています
関連記事