考えるために「書く」
私は書きながら思考することが多いです。
ある経営者へのメール
先日、ある経営者にアドバイスを求められたのでメールにまとめて送りました。その会社が直面しているとされる課題について、改善できそうな点を箇条書きで要点だけを伝えようとしたもの。そのメールを読んだ経営者からはとても感謝されると同時に、「このメールを書くのには1時間くらい掛かっていますよね、ありがとうございます」と言ってもらいました。実際に掛かったのはもう少し短い時間だったように思いますが、私が投入した時間についてまで感謝してもらえたのは初めてだったのでうれしかったです。
私は経営者へのメールでは箇条書きを多用します。時間に追われている地方中小企業の経営者に要点をさっさと掴んでもらうためにも、わかりやすくまとめることを心掛けているからです。同時に、箇条書きで書こうとするためには私自身も考えをまとめながらキーボードに向かう必要があり、思考の鍛錬になっています。
わかりやすい箇条書きにするには
- 小見出しを付けて何について触れているのかすぐにわかるようにする。
- 小見出しの数は3つか多くて5つまで。
- 本文は短く簡潔に。ダラダラとした文章にせずに要点だけをまとめる。
といったことを意識しています。
またいきなり箇条書きでメールが届くことに違和感を感じる人もいるかもしれませんので、挨拶のあとには「以下、箇条書きで失礼します」というのを入れています。感情が伝わりづらくなるメールだからこそ、細やかな気遣いが必要だと思います。
メモアプリの使い方
iPhoneの標準アプリのメモを多用しています。
例えばこの記事の下書きはメモアプリにまとめてから、Wordpressに投稿するようにしています。JeditΩというエディタもインストールしていますが、最近はあまり使いません。Mac、iPad 、iPhoneと端末間でデータを共有するにはメモアプリが一番便利。特にブログのネタ集めにメモアプリが欠かせません。思いついたキーワード、具体的に言葉が浮かんできた記事のタイトル、オンラインサロンで参考になった記事などをメモアプリにどんどん放り込んでいます。
茶道のお稽古があった日にはその日のふり返りをメモに残しています。どんなことがあったのか、何ができたのか、できなかったのかといった簡単なもの。部活の練習ノートのようなイメージです。練習をやりっ放しにしてしまうのと、その後振り返って思考を記録に残すのとでは、次のお稽古が大きく変わってくることに気付きました。結果だけでなく、何を考えていたかという過程を残しておくのは重要なことです。
家業の代表取締役を務めていた当時、外部スポンサーを探した過程もメモに残しています。日記形式でどのような事を考えたかだとか、周囲にどのような人が現れたかといったことを書いていただけですが、その後に取材対応をしたり講演をしたりする時には大いに役立ちました。なぜなら、人の記憶というのはどんどん薄れていき、さらには都合の良いことだけ記憶に残っていきがちだから。当時を客観的に振り返るためにも、貴重なメモとなっています。
ブログを書くと思考の鍛錬になる
このブログを毎日更新している目的は、見込客と関係性を構築するためです。一方で、こうして毎日キーボードを叩いていると思考の鍛錬になっていることも実感します。中小企業支援に対する自分の思考の軸が可視化されるので、迷いがなくなるというか考えが研ぎ澄まされてくる感じです。
中小企業支援家という仕事はあくまで事業者の支えになるだけの役割。実際に手足を動かすことはなく、私が提供する知恵とアイデアをどう活用するかは事業者次第です。さっさと成果を掴み取る人もいれば、いつまでも行動せずにじり貧に陥る人も。主役は事業者なので私はメッセージを発信し、行動するように促すのみなのです。その時に重要なのが言葉の力。地方中小企業の経営者に響くように言葉に力をまとわせるには、ブログを書いて思考を鍛錬していることが役立っているように感じます。
毎日1,700文字以上を書いているというと、「すごいですね」だとか「どうやったらそんなに書けるようになるのですか?」と言われることがあります。身も蓋もない言い方になりますが、毎日書いていたらそのうちに書けるようになりますよというのが率直なところです。書くから書けるようになり、書くから思考が整い、書くから自分の軸が定まる。私がこのブログを始めてから実感していることです。
ポッドキャスト「茶わん屋の十四代目 商いラジオ」を毎週金曜日10:00に配信しています
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