尖った情報を発信しよう
情報発信を躊躇している地方中小企業でよく耳にするのが「何を発信すれば良いのかわからない」というコメント。私からしたらネタの存在しない会社などありません。見込み客に知ってもらうための情報発信に是非取り組んでもらいたいと考えています。
情報発信の目的
情報発信の目的は人それぞれでしょう。私の場合は個人事業主として認知してもらうために行なっているものです。そのため匿名での発信という選択肢はあり得ず、顔と名前を隠さずに発信しています。このウェブサイトには電話番号と住所も記載していて、個人情報を完全に公開しています。社会保険労務士会からも名簿が公開されているので隠したところでどうにもなりません。住所を伝えたくない人もいると思うのですが。
運用している媒体はこのブログとポッドキャストとメルマガの大きく3つ。SNSのアカウントはもちろんいくつか持っていますが、活発に利用しているわけではありません。ブログの役割は日々発信し、私の考えや姿勢を理解してもらうため。顧問や社外取締役として使ってもらうための、検討材料となるような発信を心がけています。実際にこのブログを見て新規の契約に至ったこともあり、どうやらこの方針で間違いはなさそう。どんな人間であるかをまず知ってもらわないことには、地方中小企業の経営者と対話することは実現しません。
ポッドキャストはブログのコンテンツを流用しているもの。完全に同じことを話しているわけではなく、テーマ・ネタを二次利用しているといった感じです。こちらの目的も私の人となりを知ってもらうため。ブログの文字だけでは伝わらない私の姿を理解してもらいたいと思っています。
メルマガは特定のグループ向けに概ね週1回発信しています。コラムを毎回載せるようにしていて、これもこのブログからの流用。コラムを楽しみにしてくれる人もいて、たまに顔を合わせると「読んでいるよ」などと声をかけてもらえるのがうれしいです。
発信で気をつけていること
地方中小企業に情報発信を勧めても、ほとんどの企業が最初の一歩を踏み出そうとしません。「人手が足りない」「炎上したら怖い」「何を発信すれば良いかわからない」といった理由を挙げるところが多く、情報発信の必要性はなんとなく理解しているものの具体的な行動に結びつけるところは少ないです。
「炎上したら怖い」という言い訳をよく聞きますが、私からしたら「炎上するくらいの情報発信をまずはしてみろよ」と思います。見込み客に認知されることなくして売り上げを作ることは不可能で、知ってもらうための努力は地方中小企業にとっては必須の行動であるはず。それなのに言い訳にならない言い訳を並べ立てて、必要な行動をしないのは非常に勿体無いと思います。
炎上といっても普通に常識をわきまえて発信していたら起こらないもの。私が気をつけているのは以下のようなことです。
- 特定の個人・団体を貶めるような表現をしない
- 政治・宗教・時事問題について個人の見解を述べない
- 著作権について配慮したコンテンツを作る
- 「嘘」を書かない
特に気をつけているのが嘘を書かないということ。当たり前のことですが、自分をよく見せようと虚像を作ったところでそんなものはあっという間に見抜かれてしまいます。逆に素の自分をさらけ出して、共感してくれる見込み客と繋がることが情報発信の目的。家業を倒産させたことを隠さずに伝えているのもそのためです。
尖った発信をすることに意味がある
情報発信では何よりも自分の考えを明確に伝えることが重要。どこかの誰かが書いているようなことばかりでは情報発信の目的を達することはできません。インプットした情報を自分の中で消化して、見込み客の記憶に残るようなアウトプットをする必要があるのです。ざっくり言えば、尖った発信であることが必要。いかにもそれっぽいコンテンツを発信しても独自の立ち位置を築くことには繋がりません。
では尖った発信をするにはどうしたら良いのか。私の実体験からすると地方中小企業の現場はネタの宝庫です。自分たちにとっては当たり前の現場であっても、見込み客からすると興味深い事柄ばかり。自分たちの想定する見込み客をイメージしてネタを探せば良いのです。
ある顧問先では何気ない作業風景を元にした投稿の反応が良いことがわかり、情報発信の頻度が増えています。自分たちのすぐそばにある強いネタを見つけることができたらしめたものです。そのネタを足がかりに情報発信を強化していくことが可能になります。
ポッドキャスト「茶わん屋の十四代目 商いラジオ」を毎週金曜日10:00に配信しています
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