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コラム

士業マーケティング 顧問先をどう増やすか

独立開業した後の士業が顧問先を増やすには、つまり安定して食べていくにはどのように行動すれば良いのでしょうか。

自分から営業して顧問先を作る

最もオーソドックスなのが自分で営業すること。「私と顧問契約をしてください」と声をかけて回るのです。ただし、闇雲に営業しても嫌われるだけなので工夫が必要。我が身に置き換えれば誰もが納得してくれるのですが、商品やサービスを「買ってください」とセールスされることほど鬱陶しいものはありません。見込み客から自然と選ばれるようにする必要があります。

まず多くの競合との違いを意識して作る必要があります。士業が何かの資格を持っていて、法律の知識があるということは残念ながら何の強みにもなりません。見込み客からしたらどちらも当たり前のことで、特定の士業を選ぶための決定的な要素にはならないのです。競合にない強みを打ち出すことで独自の立ち位置を築きましょう。

強みと言ってもほとんどの人が自分の真の強みを自覚できていません。本人にとっては弱みやコンプレックスと思っているようなことが、見込み客からしたら強みになることが多々あるからです。

私の場合は

  • 地方中小企業の経営経験がある
  • 江戸時代から続く家業を投資ファンドに事業譲渡したことがある
  • 多くの中小企業支援事例がメディアに取り上げられている

というのが強みのつもり。

この3つを同じように打ち出している士業はこれまでのところ皆無で、おかげさまで顧問先に恵まれて事業を継続させることができています。

独自の立ち位置を作ったら、あとはそれを認識してもらうだけ。当然、ウェブサイトでの発信は必要ですし、自己紹介資料を作ってドブ板営業をすることも効果的です。黙って待っていても誰からも知ってもらうことはできないので、積極的に自己開示をして存在を認知してもらわなければなりません。

依頼される仕事をこなして声がかかるのを待つ

独自の立ち位置を築いて情報発信を継続していれば、そのうちに仕事の依頼が舞い込むはず。自分から行動したく無いのであれば、この時が訪れるのをじっと待つしかありません。

仕事を依頼されるのはありがたいことですが、自分が定めた独自の立ち位置とまったく関係のない仕事を打診されることがあります。この時どう対応するかは経営判断。受けるのも受けないのも自由です。

参考までに私はお受けしない仕事を明確に定めています。どんなに良い条件を提示されたとしても受けることはありません。例えば、労働基準法について解説するセミナーの講師は絶対に受けません。私以外にいくらでも詳しい先生がいるので、わざわざ私が手がける必要がないからです。

また社会保険の手続き代行や給与計算業務などの、いわゆる定型業務も受けないことにしています。誤解を恐れずに言えば、システムさえあれば誰でもこなせる業務で稼ごうとしても競合との不毛な争いに巻き込まれるだけ。規模を大きくして効率を追求しなければ勝ち残れません。私はそんな仕事はしたくなくて、独自の立ち位置に基づいた自分だけの縄張りの中で仕事をしたいと考えています。

大相撲の土俵

自分が勝てる土俵で勝負しましょう

顧問先に依存しない仕組みを作る

そもそも顧問先からの報酬だけに依存しないという選択肢もあります。売上の柱を一つに絞ってしまうというのは非常にリスクが大きい行為。例えば特定分野の専門家として顧問先に恵まれていたとしても、いつまでもその特定分野が重宝されるとは誰も保証できません。

士業=顧問契約で食べていく、というのは誰もが考えつくことですが、柔軟な発想で売上の柱を複数持つようにするのは健全な発想でしょう。何かを教えることで報酬を得たり、情報発信により対価を得られるようにしたり、不労所得が得られるような仕組みを作ったり。独立した士業の働き方は自分で自由に決めることができます。顧問契約だけにとらわれずに、自由な発想で持続可能な事務所経営を目指しましょう。

もちろん私は売上の柱を分散しています。大きくは3つに分けていて、どれか一つに大きく依存しないようにバランスを取ることに留意しています。また顧問契約にしても特定の顧問先に大きく依存しないようにしてさらにリスクを分散。このあたりの発想は地方中小企業の経営経験が生きているのかもしれません。資格を取るだけなら勉強さえすれば誰でも可能です。大事なのはその後の事務所経営を持続可能な状態に保つことです。


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