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コラム

日経電子版で保存した記事(2023年11月)

日経電子版で保存した記事の中から、ここ最近で気になったものを紹介し、私の考えや連想したことを書いてみます。

(Smart Times) 創業オーナーへの「進言」

日本経済新聞 電子版 2023/11/1
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO75739900R31C23A0XY0000/

「世襲させるとしたら、それなりの準備と見極めが必要なのだ。まず、社会人になったジュニアをすぐに自社に入社させてはいけない。全く関係のない企業に勤めさせ、そこで〝雇われる〟ということを肌で理解してもらう」と書かれています。

私は大学卒業後に他社に勤めることなく家業にそのまま就職しました。ただ最初に配属されたのが百貨店の和食器売り場。多くの競合他社の販売員さんとは仲良くもさせてもらいましたし、時には足を引っ張られたことも。もちろん百貨店の社員さんとも同様です。いじめられたりもして、世の中にはびっくりするほど程度の低い人がいるのだなと知ることができました。

私の息子には家業はありませんので、自分のやりたいことで食べていけと何度も繰り返し伝えています。どんな道を歩むのか楽しみにしています。

PEファンド「黄金時代終焉」 投資回収、過去10年で最低

日本経済新聞 電子版 2023/11/8
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO75941350X01C23A1ENG000/

「ファンド」というと必ず事業性を高めているような印象がありますが、実態はそんなことはありません。すべての事業を成功に導けることなどなく、ごく一部の成功事例が利益のほとんどを稼ぎ出し、その裏側には多くの失敗事例が埋もれています。

そもそもすべての商売で潤沢な利益を生み出せるノウハウを持っているのであれば、自分たちが世界的な大企業になっているはず。私はかつての家業を投資ファンドに託しましたが8年経った今でもファンドが保有しています。当初は3年で価値を高めて転売すると宣言していたのですが。売り上げが半減するまでは信用調査会社との面談に応じていたようですが、今では一切の情報を出さないことにしているそう。

様々な種類のファンドが世の中にありますが、全てを約束してくれる存在で無いことは肝に銘じておきたいものです。

米大学支える寄付慣行 教え子集まり基金創設

日本経済新聞 電子版 2023/11/14
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO76071700T11C23A1CK8000/

ちょうど寄付や基金について考えていたときに目についた記事。「米国の大学には寄付を元に基金を設け「チェア・プロフェッサー」という特別な肩書を教授に与える慣行がある」とのことです。

私が所属していた高校ボート部は運営のほとんどをOBOGが担っていました。部活動の地域・民間への移行というのを最近よく耳にしますが、30年前から学校にできるだけ負担を掛けないように取り組んでいたのはなかなか珍しいケースだったのではないでしょうか。その運営の最も重要なことは財務の基盤を確立させること。私も様々な手段でOBOGから寄付を集めることに腐心した思い出があります。

OBOG会が運営する組織で気を付けていたのは年功序列に捉われないようにすることで、私はよく「貢献度順だ」と話していました。卒業後に重要なのは、卒業回数ではなくどれだけクラブに貢献してきたか。持続可能なクラブ運営を模索する中でたどり着いた一つの結論でした。

ボートのある風景

高校ではボート部でした

来たれナース、ネット募集で条件明示 川崎市医師会

日本経済新聞 電子版 2023/11/15
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO76116720U3A111C2L83000/

求人票などで給与を「当社給与規定による」としているところがありますが、求職者は給与規定など見ることができず不誠実な表記だと思います。先日もある会社に具体的な給与を記載するようにアドバイスしたところです。給与も不明確なのに応募してくる人がいたら、私なら心配になってしまいます。

「応募がない」「人が足りない」と騒いでいる会社のほとんどが、給与以外もきちんと開示できていません。そのくせ「期待する人物像」などといって「素直な人」「自分から仕事を見つけられる人」などと書き連ねています。

会社が求職者を選考しようとしているときには、求職者も会社を選考しています。

「中計」を捨てて町へ出よう

日本経済新聞 電子版 2023/11/16
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO76152420V11C23A1EN8000/

創業融資を受けようとするなら創業計画書、事業の窮境を救ってもらおうと考えるなら再生計画書など、名前は異なりますが事業計画書の立案を求められることがあります。計画書が事業の成功を約束してくれるわけではもちろんなく、あくまで対外的な覚悟や約束を可視化するのが計画書の目的。計画書の作成に手間を取られて本業が疎かになってしまうなど本末転倒もいいところです。

記事では「答えは積み上げた書類の中にない。最前線の顧客を肌で知り、世界のスピードに敏感でなければならない。そしてどの山を登るかというビジョンが要る」とされていますが、まさにその通り。計画書に過度に振り回されないようにしましょう。


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