日経電子版で保存した記事(2023年10月)
日経電子版で保存した記事の中から、ここ最近で気になったものを紹介し、私の考えや連想したことを書いてみます。
(眼光紙背) 天は自ら助くる者を助く
日本経済新聞 電子版 2023/10/16
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO75245320T11C23A0X12000/
記事中にあるように「経営環境の悪化を嘆くだけで自分では何もせず、行政に支援を求めるというのが衰退する業界の習い性であり」というのは中小企業支援の現場あるあるの一つでしょう。
ある経営者がいらしたときのことです。私と話すだけで売上アップを実現するための「魔法の杖」を授けてもらえると勘違いしていたらしく、私が知恵やアイデアを提供するときょとんとした顔で「これを私がやるのですか?」と言います。自ら行動することになるとはまったく想定していなかったらしく、釈然としない感じで帰っていきました。
成果を出す経営者に共通するのは、私が提供した知恵やアイデアを基にさっさと行動すること。できない理由ばかりを並べ立て、あるいは完璧を期していつまでも着手しない経営者は成果を自分の手でつかみ取ることはできません。
(Smart Times) 人脈を築く人の生き方
日本経済新聞 電子版 2023/10/6
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO75041030V01C23A0XY0000/
名刺交換するだけで「人脈」が築けると勘違いしている人が非常に多いです。人との繋がりを作るためには名刺交換は最初の一歩であって、その後にどう振る舞うかが重要です。
私が心がけているのはまずこちらから相手に役立つ情報を提供すること。与えよさらば与えられん、です。東京から福岡に移住し、地域の事業者と関係性を作ろうとした時にも徹底していたことです。「相談に来てください」「セミナーに来てください」と言ったところでこちらの都合を押し付けているだけ。まずは役に立つ情報を提供することを徹底し、初めての土地で中小企業支援家としての第一歩を踏み出すことができました。
社外取締役の役割、守りから攻めへ
日本経済新聞 電子版 2023/10/5
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO75001110U3A001C2XS9000/
私は士業とお話しする機会があると社外取締役を目指すといいよとお話しするようにしています。従来型の顧問契約ビジネスではなく、経営に直接関与する社外取締役に就任することで、顧客とより深い関係性を築くことができると考えているからです。
一方で記事中にあるように「未経験者の最初の1社はハードルが高くなります」というのは事実でしょう。資格や知識はあっても経営に関する知見がなければ社外取締役を務めるのは無理。取締役会で責任を果たすために必要な尖った専門性を意識して身に着けることが、最初の1社を見つけるためのヒントになります。
企業統治の課題(中) 全取締役がビジョンを共有
日本経済新聞 電子版 2023/10/5
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO74998010U3A001C2KE8000/
地方中小企業でよく見かけるのが、取締役になったとたんに自由を得たと勘違いしてしまう人。取締役は代表と従業員を繋ぐパイプ役でもあるわけで、誰よりも深く会社と代表のビジョンを理解する必要があります。
私がよくお勧めするのが、取締役会メンバーだけで合宿をすること。日常業務から離れて、会社の将来について徹底的に話し合う場を設けるのです。経営者が何を期待しているのか、それに対し自分がどんな役割を果たすことができるのか。取締役は「上がり」ポジションではありません。事業の持続可能性を担保するために大きな責任を負っているのです。
高1の「ノート離れ」
日本経済新聞 電子版 2023/10/3
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO74927860S3A001C2CK8000/
ノートを使わない・取らない生徒が増えているという塾講師からの警鐘。中小企業支援の現場でもメモを取らない人は気になってしまいます。経営者もそうですし、取締役も、従業員も。会社の文化なのか世の中の流れなのかわかりませんが、メモを取ろうとしない人が増えているようです。私が経営者であれば「メモを取らないで後で振り返れるのか?」と聞いてしまうところです。
私は経営者と対話するときにパソコンは使いません。メモを取るのは万年筆とリーガルパッド。余計なものをできるだけ排除して経営者と向き合いたいと考えています。
「雇い止め」広がりに懸念 有期雇用の上限など明示義務
日本経済新聞 電子版 2023/9/22
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC162Y70W3A810C2000000/
パート、嘱託といった契約で従業員を雇用する際に、雇用契約書へ「有期雇用期間は原則として最大5年未満」との条項を入れている会社があるようです。会社は無期雇用転換になるリスクを抑えるためにと入れているのでしょうが、従業員の立場からこうした条項を読んでみると意味が変わってきます。
「どうせ最大でも5年しか務められない職場」「最後の年にどれだけ頑張っても翌年の契約はしてもらえない会社」と考えることもできてしまうわけです。こうした従業員の思考を会社はどこまで理解していることか。
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