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コラム

何かをお願いする時、あるいは、お願いされた時に考えたいこと

仕事をしていれば何かをお願いしたりされたりすることが発生します。その時、お互いにどう振る舞うかでその後のお付き合いも変化してきます。

断ったり、断られたりした経験

ある経営者に登壇をお願いしたときのこと。一度は受けてくれたように思っていましたが、いざ話を具体的に進めようとすると出張が入りそうと断られてしまいました。私の勘違いだったのか、相手の心の変化なのか。いずれにせよお願いしたことを断られてしまったモヤモヤが残っています。もっと早く断ってくれたら準備の時間を無駄にせずに済んだのに。

また逆に私が断ってしまったことも。小学生の頃の発表会か何かで3人で出し物をすることに。一度はやると言った私でしたが、後から気が進まなくなって他の人に代わってもらったことがあります。親経由で依頼されたことだったような。不義理なことをしてしまったなと、今でも思い出すことがあります。

お願い事を受けたのであれば、最後までやり切ることが重要。最初に微かな違和感を抱いたのであれば、自分の直感を信じてさっさと断ってしまえば良いのです。受けるも受けないも自由に決めれば良いこと。ただし、一度引き受けたからにはしっかりとお応えしないといけません。

お願いするというのは重い

何かを相手に依頼するというのは重い行為です。相手の時間を拘束することになるのはもちろん、こちらの事情に利用するわけなのですから。事の軽重に関係なく、相手に負担をかける行為であるというのは認識しておきたいところです。

依頼する時に心掛けたいのが趣旨や謝金も含めて最初にすべてを伝えること。「講演をお願いしたいのですが、、、」とだけで、肝心のテーマや謝金、交通費の取り扱いなど直前まで教えてくれない主催者は多いです。阿吽の呼吸で済ませられる組織内ならともかく、外部の人間に何かを依頼するのであれば不親切。最初にすべてを伝えるのは当然のことです。

たまに、軽く飲みに行こうとか、情報交換したいとか、意見を聞きたいと声をかけられることがあります。ごく親しい人だったり、お世話になった人ならもちろん即座にお応えするのですが、それほど関係性のない人からの依頼には「なんで?」という感情が先立ってしまいます。どうしてあなたのお願い事に振り回されなければいけないの?と考えてしまうのです。

以前に関わりのあった人が地元(遠隔地)に人を呼び出すのが好きな人でした。現地でご馳走してくれるのですが、行き帰りの交通費は自分持ちです。断るに断れなかったので何回か行きましたが、無料でアドバイスを求められるようなことが続いて不愉快な気分になりました。そのうちに電話でトラブル対応を求められたこともありました。何の契約もしていないのに余所の会社のトラブルに首を突っ込むことなど怖くてできません。食事をご馳走すればそれで良しと考えていたのでしょうが、家で過ごしたい私には外食も負担でした。

自分の事情で相手を振り回すのであれば、相手のことを思い遣って声掛けをするようにしたいものです。

お願いしようとしている社会人

お願いばかりしてくる人は苦手です

情報を吸い取ろうとする人には気をつけろ

行政の事業相談窓口の運営を任されていた時、釈然としなかったのが視察対応です。行政同士の慣習なのか、視察希望が入ると無条件で対応しなくてはいけません。準備やら何やらで通常業務が後回しになりますし、何より当日は説明の手間が発生します。視察してもらおうと選んでもらえるのはありがたいものの、率直に言って負担感ばかりの業務でした。

こちらからすると中小企業支援のノウハウと事例を提供しなくてはいけないわけで、なんとも気が重い仕事。情報を開示したところで、何をどこまで活用してもらえるのか全くわからないからです。視察の成果を報告してくれたり、同等以上の情報をもらえるのなら良いのですが、そのようなことは一度も無し。なんとも非生産的な仕事です。

視察で一番タチが悪かったのが議員からのもの。事業の様子を知りたいというので意見を交えてお話ししたら、私の言ったことをそのまま議会の一般質問でパクられたことがあります。一般質問のネタを探しているとか最初から訪問の趣旨を正直に伝えてくれるならまだしも、ヒアリングを口実に情報を吸い取られた苦い思い出です。

何かをお願いするという行為を軽く考えてはいけません。相手に及ぼす影響や負担まで想像力を働かせて依頼しましょう。


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