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コラム

人生の主導権を取り戻すための「起業」という選択肢

先日、知人が勤務先に不満が溜まっているようなので「起業したら」と勧めたところ、「私には無理」と即答されてしまいました。私から見れば、そのまま雇われることの方がはるかにリスクが大きいように感じます。

人生をどう歩むかは人それぞれ自分で決めればよいことです。ただ、「こう歩くべし」みたいなのに知らず知らずのうちに囚われてしまうと、気付いた時には貴重な人生の時間を失っていることになりかねません。

雇われるリスク

私には従業員を雇用していた経験と、雇用されていた経験の両方があります。また、それなりの会社や手堅そうな組織に雇われたからといって、残念ながら人生の成功が約束されるわけではないことを実際に周囲で見聞きしてしまっています。

雇用されると基本的には守られる立場になります。労働基準法や社会保険などで手厚く保護されるわけです。一方で、企業の状況は日々変わっていくわけで、当初は素晴らしいと思っていた会社や経営者がその後、悪い方向に変化してしまうこともあり得ることです。雇われる立場だからといって、永遠に安泰なことなどほとんどなくて、常に将来に対する漠然とした不安を抱えているのが雇われる立場の本質だと思っています。

また重要なのが、雇われる立場には年限があるということ。死ぬまで雇ってもらえることなどなくて、せいぜい70歳くらいまでが良いところ。この頃ではようやく65歳定年で70歳まで雇用延長があり得るという会社が増えてきたくらいです。もちろん途中で退職する人も一定の割合で存在します。つまり、いずれは必ず会社から去ることが決まっているわけで、無期雇用といえども永遠が約束されているわけではありません。

となると、自分の人生を自分でコントロールするためにも、雇われることだけを前提にするのではなく、起業することも選択肢に入れた方が良いと思うのです。すべてを自分で自由に決められるのが経営者。もちろん外部環境からの制約を大いに受けるわけですが、経営の舵取りができるのは経営者の特権です。何をするもしないも決められるし、もちろん、いつ事業を畳むかも自由に決定することができます。

いつ放り出されるかわからないという雇われる立場の最大のリスクを直視するのであれば、起業という選択肢は誰もが握っていてもらいたいと考えています。

起業するリスク

もちろん起業したからといってすべての成功が約束されるわけではありません。思うように利益を生み出せなければ、事業が存続できなくなるのは当たり前の話です。何よりも私自身が家業を倒産させた経験があるわけで、事業を営むことへの厳しい側面はそれなりに理解しているつもりです。

ただ、失敗している経営者を見ていると、あまりに雑な経営をしてしまったが故に苦労している人が多いように感じます。

例えば

ごく基礎的な会計の知識を持ち合わせていない

素直に他者に向き合えないから誰にも応援してもらえない

そもそもの商品のレベルの低さを直視できていない

安直に友人と起業して仲違いしてしまう

社会に価値を提供することよりも自分が経営者であることに酔ってしまっている

といった感じ。

「まっとうな経営」をすれば、それなりの結果は誰もが出せると思うのです。起業は究極の自己実現だと思っていて、考えに考え抜いて取り組めば、ある程度の確度で思い描いた夢は実現できるはず。誰もが知っている「踏んではいけない地雷」さえ避ければ、起業を極端に恐れる必要はないのです。

犬山城

人生の主導権を取り戻すために起業するのも有りでしょう

サラリーマンに逃げたところで同じことの繰り返し

会社でうまくいかなかったからといって転職する人は多いことでしょう。この場合、同じように次の会社でも苦労してしまう確率はそれなりに高そうです。続けて失敗してしまうくらいであれば、さっさと起業して、人生の主導権を自分の手に取り戻せば良いと思います。

雇われる立場は表面上は手厚く保護されるのが現在の日本。ただ、あくまで保護されるだけであって、人生を豊かなものにしてくれるところまでは誰も保障してくれません。自分の人生を豊かにしたいのであれば、自分で人生をコントロールすればよいのです。

私は家業のサラリーマン→家業の経営者→ある行政の外郭団体職員→零細事務所の経営者という風に立場を変えてきています。いつが一番楽しいかというと迷わず今であると答えることができます。感性の合わない人と無理に付き合う必要がなく、毎日18時過ぎには家に帰っていることができ、何をどう売るかを自分で好きに決めることができるからです。

社会人人生を「雇われる」こと前提に考えてしまうことは非常にもったいないです。起業という選択肢を冷静に考えてみることを多くの人に勧めています。もし迷う余地があるならさっさと起業してしまいましょう。人生の残り時間は限られているので、挑戦するのであれば、早ければ早いほど良いのです。


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