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コラム

内部事情を押し付けると嫌われる

自分の属する組織のルールを知らず知らずのうちに、外部の人間に押しつけていないでしょうか。内部事情など組織外の人にとっては関係の無いことです。

日程調整の作法

社外関係者との打合せ等の日程調整を行おうとするときに、ピンポイントの日時を提示するのは押しつけがましいことです。選択肢があまりに少ない場合も同様。

先日、ある打ち合わせに際して提示してもらった日程はまさにピンポイントで、先約があるために参加できないことが明白でした。調整をするつもりがないから選択肢も提示してもらえなかったということでしょう。私が欠席だといろいろと実務上の支障が発生しそうなのですが、どうしようもありません。

私が日程調整をする立場のときは、できるだけ日時の候補を多めに提示します。こちらの事情で特定の日時を希望する場合は、複数日時を提示したうえで「こういう理由があるのでできれば〇月〇日〇時にしていただけると助かります」といったお願いをするようにしています。相手の時間をいただくことなので、こちら側の都合ばかりを押し付けるのは失礼。選択肢を豊富に提示すことで、少しでも負担を和らげる努力をするのが必要な気遣いだと思うのです。

経理処理のプロセス

講演等で謝金をいただくことがあります。事前に支払日までご提示いただけることはほとんどなくて、こちらから問い合わせないと、ある日突然、振り込まれるということになります。また、振り込みされたものの明細がわからないというのもよくあることで、これでは会計システムで仕訳ができません。年が明けてから支払調書などが送られてくるのを待つか、こちらからお礼かたがた問い合わせるしかありません。

また同様に困惑するのが、交通費の支給がどういうルールになっているのかわからない時です。領収書等が必要なのか、実費相当額がもらえるのかなど、後から指示されることほど面倒くさいことはありません。以前にある講演の担当者から言われたのが「飛行機の場合は搭乗証明書まで必要で、JRの場合は提出物不要です」といった内容。そんな内部規定をこちらは知る由もありません。講演依頼書にでも書いておいてくれよと思いました。

私が外部講師等を手配するときは、最初のお声がけの時点で謝金についてきっちりと情報をお伝えするようにしています。自分が謝金をいただく立場にもなるからこそ、最初に明らかにするべきことだと考えています。懇意にしている人から声掛けをしてもらったイベントで、謝金・交通費がもらえるのかもらえないのか当日までわからずモヤモヤとした経験があり、それ以来、心がけていることです。

お金周りのことは特に丁寧に取り扱いたいもの。組織内の人にとっては当たり前のルールであっても、外部の者には関係ありません。当然のように内部事情を押し付けられることほど不愉快なことはありません。最初の段階で「こういう条件で受けられますか?」と一言確認しておけば良いことです。

みどりの窓口

交通費精算のルールなどを社外の講師に押しつけるのはやめましょう

サラリーマン能力のレベルがわかる

内部事情を押し付けようとする人に共通するのが、そもそもの仕事ぶりがイマイチであるということ。相手の立場や気持ちを推し量ることができないのは、雇われる立場で仕事をする人間にとっては致命的な欠点です。

大きな組織に属しているのでいつしか外部の関係者に対する態度が変わってしまったのか、そもそものその人の資質によるものなのか。要因は一つではないのでしょうが、いずれにしても積極的に一緒に仕事をしたくないタイプであるのは間違いありません。

反対に気持ちよく一緒に仕事ができる人に共通しているのは、
・反応が早い
・選択肢を提示してくれる
・相手の負担が少しでも軽くなるように配慮してくれる
といった点でしょうか。

ここ数年、毎年続けて講演の仕事を発注してくれる組織の担当者は、何かと反応が早くて助かっています。こちらは零細な個人事業主ですので、日程調整にしてもさっさと済ませてしまいたいところ、その人とは円滑にすべてを決めていくことが可能です。権限を与えられているのはもちろん、担当者として「仕切る」能力が高いのでしょう。

内部事情をうまく押し付けることができれば、一時的には事務負担等が軽くなることでしょう。しかし、何より大事な社会人としての信用は少しずつ失っていってしまいます。そのことを自覚できていないままに、内部事情を押し付け続けていると、いつしか誰からも相手にされなくなってしまいます。自分の属する組織のルールはあくまで内向きのもの。外部の人間に押しつけることのないように振る舞いましょう。


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