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コラム

士業マーケティング 自分が主役のメディアで情報発信する

士業が取り扱うのは無形の商品です。見込客は確かな物体を確認することができないまま、いずれかの士業に課題解決を託すことになります。売上を増やそうとするのであれば、その見込客に提供すべきは判断を後押しするような材料。つまり、士業本人の個性を伝えてやる必要があります。

自分が主役のメディアを立ち上げる

開業直後に真っ先に取り組まなくてはいけないことはたくさんあります。開業登録、パソコンの新調、お世話になった人への案内状の発送などなど。その中でも私が真っ先に取り組んでもらいたいのが情報発信です。情報発信といっても、以前から持っている個人アカウントでの発信を続けるのも悪くはありませんが、できれば新たな媒体を立ち上げてみたいもの。無形の商品を取り扱っているだけに、自分自身を主役にした媒体を手にすることで、自由な情報発信が可能になります。

私の場合はウェブサイトとポッドキャストを岡田事務所の媒体として運用しています。ウェブサイトはドメイン名を取得してレンタルサーバーを借りています。士業向けのウェブサイト制作サービスなどは利用せず、ゼロから自分で立ち上げたもの。日々何万もの閲覧数があるわけではありませんが、講演依頼や新たな顧問契約に結び付いているので満足しています。

ポッドキャストはウェブサイト内のブログの内容を流用し、アシスタントとおしゃべりするというスタイル。音声での情報発信にも興味があったので今年5月から始め、早くも26回目までの収録を終えていて順次、配信しています。

自分が主役のメディアを持つ効用

情報発信をするというと最初はいろいろと考え込んでしまうことでしょう。「間違った発信をしてしまったら信用を失ってしまう」「同業者に読まれたら(聴かれる)のは気恥ずかしい」「定期的に発信することに負担感が生まれそう」といったことを考えてしまいがち。

ただ、士業事務所の経営者となったからには自分を知ってもらわないことには商売は始まりません。資格や法律の知識は士業であるからには持っていて当たり前。見込客から選ばれる決定的な理由にはなりません。何より重要なのは個性を発信して見込客に選んでもらえる仕組みをつくることで、そのためにも情報発信を避けることはできず、開業前からでも取り組みたいものです。

自分が主役のメディアを持つとどんなメリットがあるでしょうか。私は以下の3点が大きなメリットだと考えています。
・他の誰にも気兼ねせず、自分で好きなように表現することができる
・自分の得意な媒体を選んで注力することができる
・自分が定義した見込客とつながることができる

特に重要なのが3番目。自分が主役のメディアを持てば、自分が定義した見込客に向けて発信し、繋がることができるようになります。士業の情報発信は売上を得るためにおこなうもの。全世界のすべての人に理解してもらう必要などなくて、見込客にさえ届けば目標達成です。

見込客の定義は人それぞれに異なります。自分の定めた「こういうお客さんと仕事をしたい」という夢を実現するためにも、見込客に向けた発信を行うことが重要。そして、見込客と繋がるためには他人の土俵で発信するのではなく、自分が主役となって発信する必要があります。

私が見込客としたいのは地方中小企業の経営者と士業の方。これらの方々と繋がりたいのに、関係のない業界誌に労務管理ノウハウを寄稿したところで関心を持ってもらえることはありません。自分が主役のメディアで、士業本人の個性と見込客の課題解決になる発信をするからこそ、問い合わせに繋がる可能性が生まれるのです。

屋外にある土俵

自分の土俵から情報発信しましょう

重要なのは始めて、そして継続すること

自分のメディアを持ったからには継続して発信することがその後の課題になります。ほとんどの人が情報発信を継続できていないのが実態で、私が支援した事業者も多くが挫折して歯がゆい思いをしています。

1回や2回の投稿をしたところで残念ながら反応はゼロなのが当たり前。最初から成果を期待している人に限って、数回の発信であきらめてしまうように感じます。情報発信の肝は始めて、そして継続することです。ほとんどの人が継続できないからこそ、継続できればそれだけで競合に無い独自の立ち位置を築くことが可能になります。

私のこのブログも当初は100回続けば成功、くらいの気持ちで始めたもの。ネタに困ることも多々ありますが、500回近く継続できているのはじわじわと発生する効果を体感できているから。自分が主役のメディアを立ち上げたからには、最初の成果が生まれるまでは石にかじりついてでも続けてみましょう。ささやかな成果を得たころには、情報発信を継続できるようになっているはずです。


ポッドキャスト「茶わん屋の十四代目 商いラジオ」を毎週金曜日10:00に配信しています

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