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コラム

経営者の持つ5分間の価値

何が嫌いかというと行列に並んだり、時間を搾取されたりするのが何より苦手です。話題の飲食店に行列するくらいであれば、コンビニで弁当を買ってその場で食べる方を選びます。喫茶店で休憩するために並ぶくらいであれば、駅のベンチに座る方を選びます。時間の価値をどう捉えるかはもちろん人それぞれ。経営者の持つ時間の価値について考えてみます。

行列に費やす時間が何より嫌い

以前はスターバックスにはほとんど行きませんでした。混んでいることが多いし、レジに並ぶのが苦痛だったからです。ところが最近は博多駅から特急に乗る前にはスタバで飲み物を買うことがほとんど。なぜスタバに行くようになったかというとモバイルオーダーが可能になったからです。スマホで先に注文と会計を済ませておき、後はカウンターで飲み物をもらうだけ。スマホの画面を見せたりする必要はなく、もちろんレジに並ぶ必要もありません。

行列をエンターテイメントにできるようなテーマパークであれば話は別ですが、基本的に列に並んでまで何かを食べたりしようとは思いません。お店の都合に合わせて時間を使うのがイヤなのです。話題の店に並ぶくらいなら隣のガラガラの店に迷わず入るようにしています。

こうした時間の使い方をするようになったのはいつからか覚えていませんが、少なくとも家業の代表取締役を務めていた当時にはすでに並ぶことを回避する行動が身についていました。新幹線のEX予約は早くから利用していて、券売機へ並ぶことなく飛び乗っていました。

1日24時間、1年365日というのは誰にも平等に与えられた時間です。その時間をどう消費するかで結果も変わってくるわけで、特に事業の成果に責任を持つ立場であったり、自分で事業を営んでいたりするのであれば、時間の使い方には敏感になりたいものです。

時間を搾取されるのが嫌い

つまらない話に時間を取られるのが嫌いというと、じゃあお前はどれだけ面白い話ができるのかということになりますが、ここで言いたいのは「仕事上で生産的でない話を押しつけられるのがイヤ」という意味です。

例えば、「用件の済んだ会議がすぐに終わらず、何となく1時間はダラダラと続く」「何かお願い事があると聞いたから会っているのにすぐに用件を切り出さない」といった感じ。まさに時間泥棒でさっさと解放してもらいたいと強く思ってしまうのです。

もちろん、遅刻されるのも苦手。すべての遅刻を一律に許せないなどと言うつもりはなくて、何かトラブルなどで遅刻が発生してしまうのは防ぎようがないこと。

私が嫌いなのは他人の時間を平気で搾取するタイプの遅刻です。本人にとっては大したことのない時間であったとしても、私にとっては貴重な5分。無駄に時間を奪われるのは何より許しがたいことなのです。

そういう人に限って「5分くらいの遅刻で細かいことを言う人は苦手」などと言いますが、他人を巻き込んで欲しくないものです。他人の時間を奪っておいて悪びれないような人とはすぐにご縁を切るようにしています。社会人であれば他人のものを奪うのは泥棒だと理解できるはず。何より貴重な時間を搾取されるのは本当に苦手です。

行列している様子

ぞっとする光景です

考え事に集中する時間を手に入れる

時間が貴重だからといって、常にせかせかと行動すべきだとは思いません。何もせずに考え事に集中する時間も必要です。雇われる立場であれば手を動かしているフリをしていないと気まずくなるのかもしれませんが、経営者であれば思考することも仕事のうち。時間をひねり出して、目をつぶる時間を手にすることも自分次第で可能になります。

以前、部下に伝えていたのは「僕が何もしないで新聞を読んでいるのは健全な状態、せかせかと何かに追われているようであれば危機的な状況だと思って欲しい」ということ。

経営者が手を動かしてしまった方がさっさと片付く業務も多々あるかもしれませんが、そうしたことに時間を使うのが健全かどうかをよく考えて欲しいと思ったのです。経営者が5分である仕事を片付けられたとしても、その5分を使わせてしまってよいのかどうか。代わりの者が作業して1日かかったとしても、経営者の5分を奪わないように立ち回って欲しいのです。

従業員に高い人件費を払っていながら、経営者が動き回らなければいけない会社はどこかで仕組み作りを間違っています。5年、10年先の事業の持続可能性を高めようとするのであれば、経営者が目をつむって思考できる時間を確保しましょう。


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