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コラム

士業マーケティング 独立開業直後は「常識」らしきことに惑わされないようにしよう

昨年から完全に自営業に移行しています(開業登録自体は2016年から)。独立開業後の「常識」に囚われない行動について書いてみます。

Faxを用意しない

家業の代表取締役を務めていた当時から、いつかは独立開業するかもしれないとビジネス書を読んでいました。具体的な計画があったわけではなく、資格を持っているのだから、いつか独立開業の機会が訪れるかもしれないという程度の感覚です。当時読んでいた本には、独立開業にあたって準備すべきことなどが書かれているものもありました。

例えば、「自宅兼事務所ではなく最初から事務所を借りましょう」「士業の業務にFaxは必須」「金融機関から見込客を紹介してもらいましょう」といった内容。いまいちピンとこないものが多く、参考にならなかったというのが実際のところです。

用意すべきアイテムのなかで全く不要だったのがFax。当初はネットを利用するFaxサービスに登録をしたこともありましたが、ほとんど利用することはありませんでした。すぐに解約していますが、その後不便を感じたことはありません。そもそもFaxを利用するような業務に注力しなかったのです。

士業事務所だけでなく、事業を営むのであればどの事業領域で商売をするかを決める必要があります。手続き業務に取り組むのであれば、手続き業務で最大限の利益を上げるための準備が必要になります。「常識」とやらに囚われてしまうと、本当に必要な要素を見落としてしまいがち。目先のテクニックやアイテムに関心を奪われると、事業領域の核心部分でいかに稼ぐかを忘れてしまうのです。

「士業にFaxが必要」なんていう考えを押し付けるのは典型的な非常識。独自の立ち位置を定めるのが先にあるべきで、その後に必要なアイテムを見極めればよいのです。

安っぽい「人脈」は必要ない

名刺交換会などに参加して「人脈」を作るということにまったく関心がありません。また、銀行などから見込客を紹介してもらうためにあいさつ回りをするという行動もしていません。闇雲に名刺の枚数を増やし、安っぽい人の繋がりを作ったところで何も生み出さないとわかっています。

人脈づくりの代わりに労力をかけているのが情報発信です。自分を知ってもらうことを目的に、以前はFacebook、今はこのブログとポッドキャストを運用しています。見込客を増やそうとするのであれば、何より防ぎたいのは感性の合わない人からの問い合わせなど。どこの誰だかわからない人と名刺交換をしたとしても、感性が合わなければ見込客にはなってもらえないのです。その点、ブログを読んでくれている人はすでに一定程度、私のことを理解してくれているのでミスマッチが生じづらいです。

名刺交換会やセミナーなどに参加してどこの誰だかわからない人と名刺交換をするくらいであれば、こつこつと情報発信を重ねた方が、結果、感性の合う見込客の名刺を増やすことに繋がります。

名刺交換

異業種交流会などに通ったところで胡散臭い営業を受けるだけです

同業の集まりに出席しない

会務に携わっている方々のおかげで資格の価値が維持されているのは理解していますし、感謝しています。ただし、私は同業者の集まりには出席しないことにしています。総会だとか勉強会だとか。いろいろ案内は来ますがまったく関心がありません。

同業者は仲間ですが、競合でもあります。商売の競合とべたべたと付き合うことに違和感を覚えるのです。プロ野球でいうと塁に出たランナーが相手チームの選手と笑顔で話している場面が嫌い。勝負事なのだから一線を引こうよと思うのです。

顧客を紹介してもらおうとか、苦手分野の業務を引き受けてもらおうとか、あわよくば事業承継させてもらおうとか。士業が同業と繋がろうとする動機はそもそも不純なものが多いような気がします。独立開業したのであれば一国一城の主。経営者は事業の持続可能性を担保するために、孤独な経営を続けるしかないのです。

また関連して、独立開業したばかりの士業が会務にいそいそと取り組むのもどうなのかなと思います。まず先に事業を成長させることに注力したほうが良いと思うのですが。

雇われる立場であった人が資格試験に合格して独立開業しようとすると、多くの常識らしきことを耳にすることでしょう。士業事務所といっても本質は事業を営む営利企業。安直に常識らしきことに飛びつかずに、自分の歩む道は自分で切り拓いて行きたいものです。


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