地方中小企業が持続可能性を高めるための踏み台になります

050-3557-7157

コラム

価値を提供する前提で動く経営者は強い

中小企業支援に携わっていると、
うまくいっている経営者と話すこともあれば、
窮境に陥っている経営者と話すこともあります。
両者の違いは何なのかを考えてみます。

窮境に陥っている経営者に多い特徴

先日、ある経営者とお話しした時のこと。
売上が下がり続けていて経営状態はかなり悪そうです。
「営業活動はできていますか?」と聞いてみると、
言葉を濁す感じで特に返答はなく、
営業の絶対量が足りていない様子を察することができました。
言葉に力がなく、経営者の意志を感じられませんでした。

さらに言うと、こうした企業のほとんどが満足に情報発信できていません。
10年くらい前に作ったホームページのままで少し古くさく、
最後に更新したのも2,3年前の年末年始の休業のお知らせといった具合。
見込客に知ってもらうための努力を怠っているので、
当然、新規の問い合わせ等はほぼゼロです。

かつては待ち構えていれば多くの仕事が受注できたのに
いつのまにか案件が減り続け、
気がついた時には資金繰りにも窮するようになっている。
典型的な窮境に陥っている地方中小企業のパターンです。

偉そうに書いていますが、
かつての家業も20年以上、業績を悪化させ続け、
最後は投資ファンドに事業譲渡してなんとか存続を実現しました。
過去の強烈な成功体験にすがり続けた結果、
進取の気性を失ってしまい、
顧客の期待を上回る価値を提供できなくなってしまったのです。

窮境に陥っている経営者に共通するのは
行動と思考が止まっている点だと思います。
利益を満足に生み出せなかったり、債務超過に陥っているのはよくあること。
それ以上に深刻なのは、経営者が行動と思考を止めてしまうことです。

価値を提供する前提で動く経営者は強い

一方で、これから大きく成長するだろうと思われる会社の経営者は

・成長するために行動し続けている

・取り組み内容の検証と改善を繰り返している

・なによりもスピードを重視している

・思考するための時間を確保している

といった共通点があるように思います。
つきつめれば、価値を提供する前提で動き続けていて、
現状に満足することなく前のめりに日々を過ごしています。

ある経営者は私と月1回、対話をする機会を楽しみにしてくれています。
私から専門的な知識などを得ようとしているのではなく、
対話することで頭を整理しようとしているようです。
元茶わんやの私にとって、その会社の事業領域は未知の世界。
専門用語も知らず、知識も全く及ばないのは経営者も了承の上で、
社外の第三者と話すことで進むべき道を整理しようとしています。

また別の経営者は私と話している途中にあるアイデアが思いついたらしく
そそくさと会社に帰ってしまったことがあります。
思いついたらすぐ行動したくなるのは経営者の本能。
今では新規事業で全国に拡販を続けていると聞いています。

従業員は昨日と同じことをしていても同じように給料が支払われ続けます。
ところが経営者が歩みを止めてしまうと、
会社は現状維持どころか衰退し始めてしまいます。
価値を届けようと行動し続けることで、
はじめて事業の持続可能性を高めることができます。

考える人の銅像

思考を習慣化しましょう

行動し、思考し続ける

行動以前に思考を止めてしまっている経営者にありがちなのが

「何かよい補助金はありませんか?」

「どこか自社の商品を買ってくれそうな会社を紹介してください」

「次に何をしたら良いですか?」

と安直な「答え」ばかりを教えてもらおうとする姿勢です。
考え抜いて行動の指針を決めるクセを忘れてしまっているので、
最早、「答え」を教えてもらえないことには行動できないようになっているのです。
ここまで思考できなくなると重症です。

特に補助金の魔力に取り憑かれてしまった経営者は
最後には「補助金をもらうためには何をすればいいですか?」と
本末転倒のことを言い出したりするので始末が悪いです。
率直に言って経営者を交代しないと事業の再浮上は困難でしょう。

思考するクセをつけるためにお勧めしているのは
何らかの形でアウトプットを習慣とすることです。
日記を書く、ブログで発信するといった習慣を持つことで
思考を日常の中に取り込むことが可能になります。
行動し、思考し続けなければならないのは経営者の宿命です。


ポッドキャスト「茶わん屋の十四代目 商いラジオ」を毎週金曜日10:00に配信しています

amazon musicのバナー

Listen on Apple Podcasts

関連記事

TOP