地方中小企業が持続可能性を高めるための踏み台になります

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コラム

斬新な打ち手は何一つ必要ないと考えている話

私が顧問先との取り組みを続けている最中には
以下のような点を大事にしています。

・小さな違和感を潰していく

・コツコツと改善を続けていく

・従業員に情報を開示し、対話を重ねる

・拙速は巧遅に勝る

・具体的な行動を重ねる

・利益を生み出し続けることをゴールとする

・迷ったら楽しい方を選ぶ

こう書き出してみると自分でも斬新な打ち手はないなと思います。
地に足をつけた商売を支えるのが私の仕事なので当たり前のことですね。

いくつか抜き出して説明してみます。

小さな違和感を潰していく

長く事業を営んでいる事業者は
違和感を抱いている事柄をそのまま放置していることがよくあります。
違和感が日々の当たり前となってしまい、
いつしか違和感と感じないように感覚が麻痺していき、
小さな課題が積み重なって、そのうちにボトルネックを生じさせます。

ある顧問先は生産性向上の余地が大いにあるようでした。
改善後の効果額が大きいと思われる事項から手をつけることにし、
ついこの間、改善が終わったのは作業場所の環境改善。
具体的には作業場所の床が撓むまでに劣化していたのを
従業員の手で新たに構築しなおしたものです。
床が撓んでいると台車の通行に支障をきたし、
労災につながりかねない危険な状態でした。
違和感を違和感と感じられないようになってしまうと
事故が起きるまで改善の機会を逃すことになります。

第三者の目であっという間に「おかしい」と気付いた今回の箇所。
改善を終えてみれば、これまた当たり前のことを当たり前に終えただけです。
ただ小さな違和感をそのままにせずに、
改善を積み重ねることが利益を増やすことに直結し
事業の持続可能性を担保することを実現します。

SNSを使って集客を実現するだとか、
話題性のある新商品を発売して大きく売り上げを増やすだとか、
そうした支援の手法を選ぶこともあります。
しかし、実際の現場は地に足をつけた商売の連続。
「魔法の杖」を振るうように支援をするだけが中小企業支援家の仕事ではありません。

拙速は巧遅に勝る

私は自分でもわかっているのですがかなりせっかちな性格です。
行列に並ぶのは何より嫌いですし、
待たされたり遅刻されたりするのも大嫌いです。
手をつけられることは面倒くさいことからさっさと片付けるのが信条で、
何かを後回しにしてロクなことはないと考えています。

そんな私が経営者とお話ししていてよく発するのが
「さっさとやりましょう」という言葉。

早く着手すればそれだけ早く結果を検証することが可能になりますし、
さらに次の手を迅速に打ち出すことができるようになります。
突き詰めれば、利益という果実を得られるのもそれだけ早くなるというわけです。

もちろん色々と事情があるのは百も承知です。

「人手が足りないのですぐに着手できない」

「⚪︎⚪︎を準備するのには時間がかかる」

「失敗したらどうしよう」

などと考えて現状維持を選ぼうとするのは人間と組織の本能。
しかし、現状維持は維持で終わることなく衰退を招きます。
どうせ行動しなくてはいけないのであれば
さっさと行動すれば良いのです。

私が家業の代表取締役を務めていた際に
よく口にしていたのが「拙速は巧遅に勝る」という言葉。
解釈が正確かどうかはわかりませんが、
「完璧を求めて遅くなるよりも、さっさと手をつけて次の打ち手に繋げよう」
という趣旨で発していました。

地方中小企業は何かと資源が限られます。
資金、人手、時間など少ない資源をどう有効活用するかが成否を分けます。
特に時間の使い方は自分たちでコントロールしやすいもの。
さっさと行動すれば、
それだけ早く利益を得ることができると信じています。

事務所の応接スペース

会社の当たり前が本当に当たり前なのか疑問を持つようにしましょう

迷ったら楽しい方を選ぶ

経営というのは陰気なものではありません。
一回限りの人生で何かを成したいと思うからこそ手がけるのが、仕事であり経営のはず。
であるならば、私は経営は明るく陽気でありたいと思っています。
鬱々とした気持ちでやりたくもないことを手がけても、夢は実現しないと考えるのです。

経営者と対話をしていて打ち手の選択肢に迷うことがあります。
その際に私が投げかけるのは
「どちらを実現できれば楽しいですか?」という言葉。
経営者が前向きに挑戦できる選択肢を選んで欲しいのです。

そもそも選択肢が手元にあるというのは幸せなこと。
カードが無くなってしまうと考える余地もなく突き進むしかありません。
もし選ぶ余地があるのであれば、
経営者はもちろん従業員も含めて楽しく取り組める方を選んでもらいたいものです。

利益が大きい方を選ぶだとか、
実現可能性が少しでも高いほうを選ぶというのも一理あります。
ただ、楽しいことでなければ腰を据えて取り組むことは難しいですし、
何より顧客や仕入先にもその様子は敏感に伝わることでしょう。

以上はあくまで「選ぶ余地があるのであれば」というのが前提。
何でもかんでも享楽的に取り組めと言っているわけではありません。


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