士業マーケティング 独立開業後にやっておいてよかったこと
以前から社会保険労務士の開業登録はしていましたが、
自営業一本で完全に独立開業したのは昨年4月のこと。
独立開業後に手掛けて良かったと(今のところ)思っていることを書いてみます。
ブログ・ポッドキャストでの情報発信
昨年5月からこのブログを毎日更新しています。
地方中小企業の経営者と士業向けに情報発信を続けていて、
毎日1時間くらいの時間をかけて記事を書いています。
また、今年5月からはポッドキャストを立ち上げ、
音声メディアでの情報発信も始めました。
どちらも私を知ってもらうための情報発信です。
法改正情報や豆知識を伝えようとするものではありません。
そう考えると純粋な「情報」発信ではないですね。
ブログを毎日書くことの効用は、
インプット→アウトプットを自然と実践できることです。
日本経済新聞、日経産業新聞、日経MJを購読していますが、
ブログを書き始める前は単に読んでいただけ。
その後の思考に繋がることはほとんどなかったように記憶しています。
一方でブログを書くようになると、つまりアウトプットが習慣になると、
新聞記事を読んだ後に
「ブログのネタにならないだろうか」
「視点を少し変えて経営者に提示できないだろうか」
などと考えるようになり、
考えるばかりか実際にキーボードを叩くところまで発展していきます。
知ってもらうための情報発信が自分の鍛錬にも繋がっているわけで
私にとっては貴重な習慣になっています。
中小企業支援家に転身してから多くの地方中小企業や個人事業主を見てきましたが
そのほとんどが満足な情報発信を行えていません。
また情報発信を始めたとしても、残念なことに継続できないことがほとんど。
反対から見れば、情報発信を継続できているだけで競合と差別化できるということです。
集客は競合の中から選んでもらうための仕組み作りがポイント。
情報発信は競合との差別化に直結するので、集客に大いに貢献する行為です。
実際に私も、新規の顧問契約や講演の依頼に結びついて効果を実感しています。
独立開業後にやっておいてよかったことを挙げるとしたら、
真っ先に思い浮かぶのがこの情報発信です。
無形の商品・サービスを取り扱う士業であれば、
ぜひ注力して取り組む価値があると考えています。
売上の柱を複数用意する
大口の顧客だけと商売していると
万一、その顧客を失った時に売り上げがゼロになってしまいます。
それはつまり食べていけなくなることを意味するわけで、
士業事務所の経営者であれば避けなければいけない状態です。
私は売り上げをざっくり3つに分散することを実現しています。
大きく分けると
・顧問先
・インキュベーションマネージャー
・その他
といった具合。
まず顧問先は、
私と顧問契約や社外取締役としての委任契約を締結してくれている顧客です。
定期的に経営者とお話しさせてもらい、
課題を見つけ、解決するお手伝いをさせてもらっています。
インキュベーションマネージャーの業務は
施設の入居企業のお世話係のようなもの。
顧問先に対するのと同じように、
経営者の話し相手となり事業を成長させるための支援をしています。
昨日もある経営者と90分間みっちりと「次の手」について議論しました。
その他の事業についてはまだ公開するつもりはありませんが、
新しい事業を育て始めています。
かつて茶わんやを営んでいた時と同じように
自ら事業を営もうと歩み出したところです。
種は二つ蒔いていて、一つはコンテンツを蓄積しているところで、
もう一つはささやかに収益化を実現し始めたところ。
独自の立ち位置を築いて、
持続可能な事業に育てられるように取り組んでいます。
こうして売上の柱を複数持っていると、
ある日突然、売り上げがゼロになるリスクを大幅に減らすことができます。
また、心理的な安全性を確保できていると
将来に向けての勉強や投資をする余裕が生まれるように。
ますます経営が安定していくこととなります。
独立開業直後は柱が一つしかなかったとしても、
意識して複数の柱を築くようにすることで自営業のリスクを抑えることができます。
商売の感覚を養う
独立開業した時の下手な行動の一つが
目先の売り上げばかりを追い求めることだと思っています。
今月、来月の数字を作ることだけに集中していて、
気がついたら自分が陳腐化してしまっていたら本末転倒です。
日々の数字も重要ですが、
数年後にも事業を存続させるための種まきが必要。
私にとって種まきに当てはまるのが新しい事業を育てること。
中小企業支援とは直接関係のない、
でも自分の強みを生かすことができる事業を興そうとしています。
中小企業支援家にとって最も恐れるべきことは、
商売の感覚を失ってしまうことだと自分を戒めています。
教科書に書いてあるようなことばかりを話すようになったり、
経営者の心のうちに共感できなくなったりしたらそれは危険な兆候です。
そうなると、かつては茶わんやとして事業を営んでいたのに、
商売の感覚を失い始めているのかも知れません。
商売の感覚を養うためには、自ら事業を営めば良いのです。
売上の柱を増やすことにもなるし、事務所経営上は一石二鳥。
中小企業支援家として顧問先に必要とされ続けるためにも
将来の投資とも考えて、新しい事業に取り組んでいます。
独立開業したら士業は経営者となります。
売上の多寡に一喜一憂せずに、
持続可能な事務所経営を実現するためにも私の体験が参考になったらうれしいです。
ポッドキャスト「茶わん屋の十四代目 商いラジオ」を毎週金曜日10:00に配信しています
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